ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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大人の責任
子供というのは、全くの無知の存在で、母親から生まれます。そのため、育つ環境によって、価値観や当たり前がそれぞれ変わってきます。それは、ごく普通で当たり前のことであるが、子供を育てる上で関わる親や教師などが背負うべき責任である、そんなテーマがヒシヒシと伝わってくる映画でした。
また主人公ジョジョの成長を靴紐を通して分かりやすく見せてくれるシーンが素晴らしいと感じました。スカーレット・ジョハンソン演じる母ロージーは、自身が反ナチスでありながらも、ナチスであるジョジョを否定することはなく、息子の仕事を応援するなど、自らの意見を押し付けることをせず、息子巻き込まないようにし生活を守ってあげていました。しかし、ユダヤ人を匿って処刑された人々を見るシーンではしっかりと、ジョジョに現実を見せつけ、すべきことをしなさいと、社会に飲み込まれずに自身で考えるように促していました。母親として完璧であったがため、ロージーが処刑されたシーンでは、川辺で意味深に映されていたロージーが履いていた靴を写すことで母が死んだことを視聴者に見せた。本当に悲しくなりましたね、、、
エルサに関するシーンも良かったですよね!登場シーンで、今まで教え込まれてきたユダヤ人と自分が今見ているユダヤ人が全く違い、同じ人間であることを強制的に理解させられる。そして、エルサと会話を繰り返し、少しずつ知っていくことで、洗脳からの脱却をみせ、ジョジョ自身の成長も感じられました。これらのシーンより、監督の人種差別に対するメッセージが強く感じられましたよね。
今回は少し長くなりましたが、個人的に素晴らしい映画と出会えることができたと感じています。私自身まだ学生であり、将来的に結婚し、家庭を持つ前にみれたことが本当に良かったと感じる映画でした!
感情全部入り映画😄
なんだろう、おかしくも悲しい物語。
登場人物が皆非常に魅力的だった。
前半のジョジョの明るいお馬鹿なキャラクターは凄く愛すべき姿だった。
ヒトラーを盲目的に愛する子供で、心に親愛なるヒトラーがジョジョにアドバイスを
するなんてアイデアがすごい。
家にはユダヤ人の少女、母と父は反政府活動。
こんなハードな設定でどうやって明るく行くのかと思ったら
後半意外にも重い話に。
前半との落差がすごかった。
実際歴史はドイツが負けるわけだけだから仕方ないけど。
飽きることなく話がドンドン展開。
笑いも悲しみも怒りも全部入り!
最後まで飽きずに見られました。
完璧な物語だったと思う😆
人種差別の壁の先にある物は⁈
気になっていたので観ました。
感想
傑作でした。流石はアカデミー賞作品賞ノミネート作品賞。
戦争の悲惨さ、タイカ・ワイティティ監督らしいコメディチックら作品、ジョジョとエルサの異人種交流要素、母との絆を描く家族物語、少年ジョジョの成長物語というように様々な要素が素晴らしいバランスで融合してどれか一つでも好きな物があれば満足出来る素晴らしい作品でした。
また、子役の俳優さんが皆さんリアルな演技で素晴らしかったです。特にジョジョ役の俳優さんは子供ながら人一倍頑張ろうと無理して背伸びしている感じ伝わってくる素晴らしい演技でした。
監督演じるヒトラー風おじさん(アドルフ)も空気を緩くする楽しい演技をされていて感心しました。流石はタイカ・ワイティティ監督。
ユダヤ人差別をしていたのにヒトラーがいなくなってしまい・・・。というところは史実で分かってはいましたが改め見せられるとなんとも言えない絶望感を感じてしまいました。それでもラストはハッピーに✌️。監督らしい作風でしたね。
エルサも優しい子で見ているだけで引き込まれてしまいました。
総評
新しいタイプの戦争映画。一見ライトに見えるが実は奥深い重厚な映画。やはり争いは何も得を生まないなと改めて思いました。素晴らしい映画を作ってくれありがとうございました!
笑いにするギリギリのラインかな。少年可愛すぎやろー
ビデオ屋さん大賞の4位くらいに選ばれてますし。
いい映画だったなーくらいでした。
やっぱりナチスドイツの悲劇は教訓として題材は扱ってほしいかなー
この映画ですが、、、、
主役の少年が純粋無垢すぎる!!可愛い。。
そりゃ感情移入してしまう人が多いのわかる。。
設定がユニークです。少年ジョジョには、周りには見えない空想のヒトラーがいて、親友として助言したり相談相手にちまちま登場します。
第二次世界大戦のドイツで、ヒトラーを盲信するジョジョが、ある日母親がユダヤ人のエルサを匿い、徐々に考えが変わっていきます。
純粋な少年の成長が可愛らしく、家族愛をテーマにユーモアも交えて愉快な演出ですが、実際の悲劇を目の当たりにした少年の心の変化が感度を誘うのでしょう。。
歴史の悲劇を笑いにするとしたら批判あびるのは間違いないけど、これくらいのユーモアならギリギリ許される時代ってことでしょうか(><)
「戦場のピアニスト」
「シンドラーのリスト」
とかを観た時は、こんな歴史が本当にあったのかと衝撃を受けたものです。。
笑いの部分を上手く扱っている映画だと思いました。。
うさぎに自由を!
もっとふざけたコメディなのかと思っていたら、結構真面目なお話でした。
音楽もよかったですし、特に美術面が素敵でした。色彩とか、特に衣装がめちゃくちゃお洒落!
ナチスに傾倒しながらも、うさぎを逃がそうとする心優しさを持つ主人公。このチグハグ感が心配で、目が離せなくなりました。私は母親ロージーのような目線で本作を観ていましたね。
ジョジョの過去は詳しくは描かれませんが、父が不在なことや、姉の死による不安や寂しさをナチスという強さのシンボルにすがることで凌ごうとしたのかな。ロージーに心配かけないように、守れるように強くなろうとしてたのかも、と色々考えさせられます。
虚勢を張って弱い自分を守ろう、見せまいとする感じ。ジョジョがエルサに出会った頃の態度がぴったりですね。ビビってるのバレバレなのがかわいかったです。
コメディとはいえブラックジョークが多く、クスッとするけど笑っていいのか困る時が多かったです。
本筋としては、ジョジョの成長物語ですね。恋や母の愛、苦しみを経ての成長、そしてついにはナチス、偽りの強さに囚われていた自らを解放する。本当の意味で外に出るのがあのラストシーンだと感じました。
一旦エルサに「ドイツが勝った」って嘘ついちゃうのは、彼女が自由になったら自分から離れて行っちゃうんじゃないかって不安になったからですかね。その後、目にする囚われたうさぎの絵が印象的でした。うさぎはエルサか、ジョジョ自身か。
うさぎは弱さの象徴だと思うのですが、序盤にうさぎを逃がしてあげようとするジョジョは、本当は最初から強い子なのだと思います。それを自分が弱いから殺せないんだ、と勘違いしちゃう。本当に強い者は弱い者のために戦える者なのに。今思うとそれを背中で教えてくれているのがロージーなのですね。ジョジョが「臆病うさぎ」と呼ばれた後、対照的に「子ライオン」と呼んだのも印象深い。
見直してみると、後に決別することになるアドルフは「うさぎは実は勇敢だ。うさぎになれ」ってジョジョに語りかけていますね。本当はライオンのジョジョに。ここからも「ナチスの下でうさぎでいることが勇敢なのだと思い込まされ、囚われているジョジョ」をあの絵で表現しているのかなと考えました。
本作はジョジョの変化や成長を目に見えるように描写するのが上手いなあと思いました。最初は仲良しだったアドルフと険悪になっていく、とか。靴紐が結べるようになるとか。
蝶がお腹の中で羽ばたくシーンもよかったです。ファンシーでかわいい表現。
登場人物みんな魅力的なのですが、特に好きだったのはキャプテンKですね。ああ見えて軍服には過去の戦果の勲章がたくさん付いてるみたいです。ナイスすぎる設定…好き。みなさんのレビューを拝見しても、好きっておっしゃってる方が多くてニコニコしちゃいました。
サムロックウェル、いいですよね。『スリー・ビルボード』を観てからファンです。ディクソン巡査とキャプテンK、少し似てるかも。
家宅捜索の時と最後にジョジョを逃がすところは心打たれましたね…。ロージーを「いい人だった」と言っているところ、ロージーの反戦活動も知っていて黙っていたのかなと思いました。それがバレたら自分も粛清されるだろうに。軍に従事しながらも、彼にも思うところがあったのだろうと考えさせられます。同性愛者っぽい描写もありましたし、迫害される側の気持ちも理解していたのかも。
あのクソほど標的にされそうな軍服を本当に着てくるのも最高でした!あそこが一番笑ったかもしれません。その後で戦場の恐ろしさを目の当たりにする演出がなされるギャップも素晴らしい。
スカーレットヨハンソンのパパの演技がとても素敵でした。まず声の変化が凄い。格好いい。お酒煽ってのバッと動いて音楽かける一連の動作が好きすぎました。
ロージーといえば、足元だけを意図的に映してる場面がありましたよね。まさか…と思っていたら、唐突にあのシーンですよ。頭のどこかで嫌な予感がしつつ、実際にそうなるととても辛かったです。
ヨーキーもとても好きでした。本作の癒し。最初は「ユダヤ人を捕まえた」なんて友達とはいえ、簡単に明かしちゃっていいの!?と思いましたが、なんの心配もなかったですね。ナチスかどうかなんて関係なく、人としてジョジョと親友なんだな、と会話を通して感じられて微笑ましい。そんないい子が戦場に出されているのがまた悲しいのですが。
あと最高だったのは、緊迫感マックスな家宅捜索シーンで、突如ひどい仕打ちを受けるネイサン。彼が一体何をしたというのか。殺害手段が豊富すぎる。笑っちゃいけないシーンでこれを出してくるのがまたいいんですよね。
エルサって聡明に見えますけど、意外とジョジョの嘘の手紙を信じていたのでしょうか。それともおふざけで描いたのか。ネイサンが亡くなったのはロージーから聞いたのだと思いますが。
ぐだぐだと長くなってしまいましたが、書き出してみて改めて、人物描写と心理や成長の表現が秀逸な作品だと思いました。
ストーリー展開は予想通りなところはありますが、ナチスという重いテーマを軽やかに見せているのが見事。
しかし、個人的にはハマりきれなかったです。幼いジョジョに感情移入しきれなかったのか。コメディタッチなのもあり、どこか客観的に観てしまったかもしれません。
あとは私がブラックジョークに不慣れなので、笑えばいいのか真面目にみるかどっちつかずになったり、引いてしまったり。作品に入り込めなかった部分があったかと思います。もう一度観るとまた変わってくるかも。
合わない人もいるかと思いますが、良い作品なのは間違いないです!
ジョジョが可愛い🐰
ジョジョ・ラビット、名前の由来がそこからなのか🐰ジョジョは優しい子なのだ😌
戦争の映画ではあっても重苦しくなくコミカルであり、親子の心暖まる話でもあり、人情あり友情あり、そしてヒトラーに対する皮肉もしっかり込められていて、盛り沢山具合が丁度良い。
ヒトラーの登場はジョジョの空想の中、誰にも見えない。ジョジョにとっては崇拝の対象でもあり、良き友達。その発想が斬新で面白い。最後にはジョジョが窓の外に蹴飛ばしてしまうあたりは皮肉たっぷりでスカッとした人は多いのでは?
とにかくジョジョが可愛い😍うさぎを逃すところも、ママとおそろいのパジャマ着てるのも、ぽっちゃりくんとのやり取りも可愛い。ユダヤ人の少女の恋人のフリをして書く手紙も健気で可愛いのである。
処刑されたママの足にしがみつくところや、上官がジョジョを助けるためにユダヤ人めっ、と突き放すところなど、ジーンとさせられる場面もあり、ラストはジョジョが成長して少し大人になったような表情で、戦争も終わり明るい未来が待っているような終わり方で、全く無駄なところがない、良作な映画!
独裁者の呪縛から解放され愛を知り成長する少年の初恋物語とナチスドイツを風刺したコメディが合体したユニークな映画
ナチスドイツ国家の青少年組織ヒトラーユーゲント最年少の10歳の少年ヨハネス・”ジョジョ”・ベッツラーのヒトラーへの忠誠心を風刺したコメディ。その背景に、母ロージーが屋根裏部屋に匿ったユダヤ少女エルサ・コールに抱く主人公ジョジョの淡い初恋を物語にした異色のアメリカ映画。これをポリネシア系ユダヤ人を自称するニュージーランド人監督タイカ・ワイティティの適度にシリアスでおちゃらけた演出が、軽妙に纏める。コメディアン出身の多彩な経歴に裏打ちされた才能と個性的風貌でヒトラーをカルカチュアした演技も独創性豊かだ。
それでも、うさぎも殺せない臆病な少年がナチス教化の呪縛から解放され、愛を知り成長する姿を過酷な6ヶ月の短期間に描き込んだ内容の濃い戦争悲劇の哀しみは余り残らない。また、サマーキャンプの様な課外訓練から戦局が悪化して国民突撃隊に併合されて市街戦に巻き込まれる展開も、戦争の悲惨さを前面には打ち出してはいない。独裁者ヒトラーによってドイツ国民が一種の集団ヒステリーに陥った怖さを、ドイツ少年団ユングフォルクの教官たちに象徴化した単調さがインパクト強く、映画として色んなものを内包したごちゃ混ぜの可笑しさが最後に残る。とても良い題材だけれど、コメディの定石であるイカれたクレンツェンドルフ大尉の曖昧な立場と超肥満体の女性教官、そしてジョジョのただ一人の親友ヨーキーの強烈なキャラクターがテーマを弱めていると見た。コメディ映画に合わない題材とテーマに敢えて挑戦したコンセプトの独自性は評価すべきだろう。ただ、シリアスなタッチの中にユーモアを醸し出す作品スタイルのほうがもっと映画的感動を創作できたのではないかと思ってしまった。
俳優では、エルサを演じたトーマシン・マッケンジーの何処か儚げな佇まいがいい。ひとり取り残された淋しさが丁寧に表現されている。ジョジョに与えるロージーの母性愛と父親代わりを兼ねる戦時下の母親像を巧みに表現したスカーレット・ヨハンソンもいい。その上で、娘を亡くしたロージーが危険を承知でエルサを屋根裏部屋に避難させる動機の描写があれば、もっとヨハンソンの演技が深くなったと惜しまれる。ジョジョを熱演したローマン・グリフィン・デイヴィスは、勿論役を全うして素晴らしいし、恋に落ちた男が嘘をつく難しい場面を乗り切っていて感心する。映画らしい表現で特に指摘したいところは、母の前で呆然と跪くジョジョの悲しみを静かに見詰める小窓がある屋根のカットのモンタージュと、母の死を説明しないで描き通したジョジョとエルサの悲しみが寄り添う場面の脚本の上手さ。観る者の想像力を掻き立てる、この二点は一寸唸るくらい感動した。
少年兵が主人公で連想する映画に、西ドイツ映画のベルンハルト・ヴィッキ監督の「橋」と日本の今井正監督の「海軍特別年少兵」がある。追い詰められた戦局で若者が犠牲になる歴史の事実を忘れてはいけない。そのことを改めて指摘してくれた意義のある映画だ。それとは別に、独裁者ヒトラーひとり悪者にして戦争批判する映画のスタイルには全面的に賛同しない。それよりもこれからは、独裁者を崇拝する集団ヒステリーに潜む人間の弱さや悪をもっと解明すべき時代ではないかと、個人的に考えるからである。
ナチス×コメディ
この作品を見終えて、
ナチスという題材をここまでユーモアかつ心に刺さる内容に仕上げていることに、まず凄さを感じた。
コメディ映画なのに戦争の醜さや、人種差別、自尊心、人としての成長までを108分の時間の中で上手く伝えられているところも素晴らしい。
ラストのダンスシーンで絶望から希望へと変わっていくような感じがして物凄く感動できました。
反戦、人同士の繋がり、友愛を軽やかに描いた映画
ツイッターで2020のベストに入れてる方が結構いたので
気になって観てみた感じ
内容は第二次世界大戦中のドイツを通して
少年の視点でナチス、ユダヤ人との関係などを描いている
暗すぎずユーモアを交えながら
反戦と友愛を描いた物語になっている
しかし、なんか最後踊る映画続いてるなw
でも、ハッピーエンドに勝るものないね
ヒトラーを描きながらも…
こんなにポップな感じで、しかも少年の妄想で出現させる監督の手腕は凄い。冒頭からビートルズが流れ、戦時中の深刻さを感じさせない。この時代にその国で生まれたら、仕方ないことだが、ナチスに憧れながらも、兎を殺せなかった少年。母親の愛情をたくさん受けるが、父親がいないので、どこか弱々しく、仲間からも阻害されている。母親スカーレットが匿っていたユダヤ少女のマッケンジーと言葉を交わすうちに、恋心を抱くようになり、母親の死もありながら、成長していくストーリー。戦争の無情さを語るが、笑いも交えながら、悲惨さだけをクローズアップせず、あくまで、一人の少年の心の成長を描いている。なぜ母親が処刑されてしまったのか、ユダヤ少女と姉との関係性、姉や父親の所在、過去など深く知りたかった。観る前の期待を上回らなかった。
ん〜良かったけど期待しすぎたかも
子どもでも見れて易しい戦争ものという印象でした。
衣装やセットがとてもいい、ミニシアター感溢れる画面の色も悲惨になりすぎないコミカルさも合間って悪くはない。センスもいい!でもこのモヤモヤはなんだろう。自分の捻くれ者加減がひどいのか求めていた感動の形と違ったんだろうな。
キャラクターの前後の人生が見えてこなかった。いっときの悲劇といっときの感動で何かが誤魔化された様な気がしてならない。楽天的すぎて心の傷も傷シールの様なサッと剥がせるものに見えてしまった。
コメディだから割り切れる筈なんだけど、先導された人々を一括りの馬鹿として見る事は差別と何が違うんだろう。
子どもの目線とはそんなに素直で浅はかだろうか。
理想のヒューマニストたる母が息子に残したものは理想論以外の何があったのか。ジョジョは父の真実や母の人生を捧げた活動を結局何も知らないまま取り残されている。まあ、色々と軽く流せなくてモヤモヤと
結局最後の最後にアメリカ国旗にドヤ顔で正義を押し付けられた様な気が何となくしている。
靴
私たちは戦争のことを表面的にしか知らない。物語のジョジョのように。
それが本作の終盤、街でアメリカ軍との銃撃戦のシーンでジョジョは戦争がなんたるものかを理解したのでは。あの時、彼は母の『無意味な戦いはすぐにやめるべき』という言葉を思い出したのかも。
同時に観ている私たちも戦争のリアル感を実感する。
序盤から、靴を印象的に映していた意味に驚愕。スカヨハの死を靴だけで見せるのはすごい。
本当のうさぎはエルサのことだったのかも。
ジョジョの視点から視聴するので、ドイツ語ではなく英語で作られてたのは納得(アメリカ映画なので)。
戦争映画をこんなにポップに描いたのはすごい。終わりかたもダンスで終わるという戦争映画的にはなかなかできない表現の仕方。
かわいい兵士。
ナチス思想をもつ10才の男の子ジョジョ。
🇩🇪兵士になる為の訓練しているがまだ度胸がなくウサギを殺す事もできない。そんな時。屋根裏部屋に住むユダヤ人のエルサに会う。
初めユダヤ人のエルサになかなか受け入れることが出来なかったが…。
ジョジョは少しずつエルサに心惹かれていく。
エルサと関わり合うことでユダヤ人が悪い人間ではないと思う様になった。
ジョジョは母親の死、エルサを通じてまたドイツの敗戦でナチスの思想を捨て自由になる。
少し大人になったジョジョが頼もしく思える。
戦争も少しコメディに作られているので楽しく観ることができた。戦争は人の思想をコントロールして人間の自由を奪う怖い事だと思った。
消えない心とからだの傷
あどけない少年を主役に配した反戦映画の傑作。
大切な母の死体が広場にさらされる心の傷。
手榴弾の誤爆によりこうむったからだ(顔)の傷。
そして、
主人公がユダヤの少女に対して突き立てたナイフの傷。
主人公をかばい続けたヒトラーユーゲントの教官。
主人公と母がかばい続けたユダヤの少女。
自らが、
・加害者と被害者
・かばう人とかばわれる人
を往復する不条理。
監督自らが演じる空想のヒトラーは、
無邪気な少年による脳内創造物であるため、
やはり、とことん無邪気である。
ゲシュタポの緩さと併せて、リアリティーを欠く
との批判もあるように聞くが、
許容範囲だと考える。
閑話休題、
自民党一強になってしまった日本を省みると、
戦争経験者が減ってしまったことと、
強い相関関係があるに違いない。
素晴らしい戦争お伽話
とても良かった。
どこから思いついたんだろう?
空想のヒトラーからなのかな?
あり得ないお伽話だけど、
戦争の悲惨さ不条理さ、
ナチス側からナチスに敬意を払う形で馬鹿にし、
ユダヤ人を疑う立場から愛情に発展する図式は
とても素晴らしかった。
子どもと観るのにも丁度良く、
これはこう言う事だよと説明しながら観ることが出来た。
お母さんの愛情が全編に染み渡ってた。
ジョジョの成長を観たかったろう、
最期何を思ったかを想像するとたまらない。
サムロックウェルのキャラがとても良い味だしてるが
ヨーキーの可愛さもたまらない。
戦争がこんなわけないだろと言ったらそれまでだけど、
戦争が何も産まない事は伝わるし良い映画だったと思う。
子どもたちには、戦争の事は分からなくても、
自分と対話し、外に出て経験する大切さ、他者との会話、
常識を疑う事は少しは分かってくれたと思う。
ラストの背伸びしたジョジョ、お母さんに言われたセリフを
言わせて、一段高いところに立たせて目線を女の子と一緒に
する。そして踊り出す。
ほっこりしました。
リアルとユーモア、そして愛
友人とパジャマのまま鑑賞。なんていい休日の始まり。以下友人へ話した映画の感想ハイライトです。どうぞ。
何を伝えればこの映画の良さが伝わるだろう。
ナチスというタブーに触れる好奇心?日本人が愛してやまない家族愛と戦争への慨嘆?赤と緑の織りなすハイクオリティな芸術的映像?はたまたオネショタへの偏愛?
どれもしっくりこない。ただ、もう一度、人生で見返す映画にはなると思う。
とにかくどの瞬間で止めても絵画のような美しさがある。赤色が印象的。まぁナチだしね。どこかムーンライトキングダムに通じる映像の美しさがあったな、リスペクトしてるのかな。
ママがパパの役するところあるじゃん、あそこ最高じゃない?なにあれ、あんなママ欲しい。なんて芸が細かいんだ、素敵だ、素敵すぎる。ママは、自分の息子の思想を否定しないし、ディナーの場は中立国だという。なんていい子育て。
キーパーソンはキャプテンK。なんていい男なんだ、チャリ抱えて家に突入してきた時は息を呑んだ、なんでいい役回り。あとヨーキーは可愛すぎる、キーホルダーにしたい。かわいい。
嗚呼、ジョジョ、君はきっといい男に育つ。君が信じた髭の男もファシズムも、国も、思想も崩れていったけど、愛し、愛されたかけがえのない人もいなくなってしまったけど、なぜか君の将来に一筋の光が見えるんだよ。
「抱きしめたい」
ナチスドイツを扱いながら、このようなポップなテイストに仕上げるのは勇気が要ったと思う。
が、タイカ・ワイティティ監督の意図は十分に伝わった。
『この世界の片隅に』観賞後にも同じようなことを思ったが、
どの時代にも日常はあった。
歴史の教科書では「悲惨なできごと」という角度でのみ紹介されるホロコーストを生きた人々にも、クスッと吹き出すようなできごとや、友情や愛に心を熱くする夜、もしくはただボーッと過ごすだけの時間もあったに違いない。
この作品を見ていると、ナチス思想に汚染され厳しい迫害を行う・もしくは迫害を受ける一方で、「ごくふつう」にも生きていた彼らの日常が手に取るように見えてくる。
その証拠に、この作品に明確な「悪人」は一人も登場せず、どの立場の人物も生活を覗き見てみたいような不思議な魅力を持っている。
(特に、ヒトラーユーゲント育成陣営のふくよかな女性のバックグラウンドが気になった。素晴らしいキャスティング!)
だからこそ、母・ロージーの死やキャプテンKの死が、圧倒的な死が、胸に突き刺さるのだ。
どちらのシーンでも涙が止まらなかった。
多分、ずーっとシリアスなテイストでやられるより何倍も辛かった。
ありがちな感想かもしれないが、
百パーセントの悪意で出来ている人間はいないのだと思う。
ホロコーストという人類の負の遺産を作り出した側にも、同じように日常はあって、もしかしたら心安らぐような時間もあって、けれど何かが少しずつ食い違って、あまりにも大きな悲劇に繋がってしまった。
しかし、被害を受けた側からすれば、それほど残酷で理不尽なことはない。
映画館1回目の鑑賞であまりにも感激し、間髪入れずに2回目を観に行ってしまったが、
一度ラストまで観たあとだと、冒頭に流れるビートルズの「抱きしめたい」(ドイツ語版)に、たまらなく胸が締め付けられた。
まとまりませんが最後に。
監督、ヨーキーを生き残らせてくれてありがとう....!
いろいろ詰まってる。
ゲームオブスローンズ のシオンが出てるけど、ほとんど喋らないよ。でもいい味でてる。
サムロックウェル演じる大佐の影の彼ピ役だと思う。
スカヨハ演じるジョジョの母が、、、ショックで観ているだけのわたしが受け入れられなくて、違う人だと思おうとした。
際どいユーモアと、ママの明るい愛情と、ファシズムの恐ろしさと、子どもの純粋な自己顕示欲と、初恋と。いっぱい詰まってて、観ているわたしの感情はブンブン振り回された。
おでこにママの口紅つけてるジョジョが、靴ひもを結べなかったジョジョが。
成長は尊いのに、失ったものの大きさが突き刺さって、ぐちゃぐちゃな気持ち。
FOX searchlightへの信頼がより厚くなった一本。
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