ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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人種差別の壁の先にある物は⁈
気になっていたので観ました。
感想
傑作でした。流石はアカデミー賞作品賞ノミネート作品賞。
戦争の悲惨さ、タイカ・ワイティティ監督らしいコメディチックら作品、ジョジョとエルサの異人種交流要素、母との絆を描く家族物語、少年ジョジョの成長物語というように様々な要素が素晴らしいバランスで融合してどれか一つでも好きな物があれば満足出来る素晴らしい作品でした。
また、子役の俳優さんが皆さんリアルな演技で素晴らしかったです。特にジョジョ役の俳優さんは子供ながら人一倍頑張ろうと無理して背伸びしている感じ伝わってくる素晴らしい演技でした。
監督演じるヒトラー風おじさん(アドルフ)も空気を緩くする楽しい演技をされていて感心しました。流石はタイカ・ワイティティ監督。
ユダヤ人差別をしていたのにヒトラーがいなくなってしまい・・・。というところは史実で分かってはいましたが改め見せられるとなんとも言えない絶望感を感じてしまいました。それでもラストはハッピーに✌️。監督らしい作風でしたね。
エルサも優しい子で見ているだけで引き込まれてしまいました。
総評
新しいタイプの戦争映画。一見ライトに見えるが実は奥深い重厚な映画。やはり争いは何も得を生まないなと改めて思いました。素晴らしい映画を作ってくれありがとうございました!
笑いにするギリギリのラインかな。少年可愛すぎやろー
ビデオ屋さん大賞の4位くらいに選ばれてますし。
いい映画だったなーくらいでした。
やっぱりナチスドイツの悲劇は教訓として題材は扱ってほしいかなー
この映画ですが、、、、
主役の少年が純粋無垢すぎる!!可愛い。。
そりゃ感情移入してしまう人が多いのわかる。。
設定がユニークです。少年ジョジョには、周りには見えない空想のヒトラーがいて、親友として助言したり相談相手にちまちま登場します。
第二次世界大戦のドイツで、ヒトラーを盲信するジョジョが、ある日母親がユダヤ人のエルサを匿い、徐々に考えが変わっていきます。
純粋な少年の成長が可愛らしく、家族愛をテーマにユーモアも交えて愉快な演出ですが、実際の悲劇を目の当たりにした少年の心の変化が感度を誘うのでしょう。。
歴史の悲劇を笑いにするとしたら批判あびるのは間違いないけど、これくらいのユーモアならギリギリ許される時代ってことでしょうか(><)
「戦場のピアニスト」
「シンドラーのリスト」
とかを観た時は、こんな歴史が本当にあったのかと衝撃を受けたものです。。
笑いの部分を上手く扱っている映画だと思いました。。
うさぎに自由を!
もっとふざけたコメディなのかと思っていたら、結構真面目なお話でした。
音楽もよかったですし、特に美術面が素敵でした。色彩とか、特に衣装がめちゃくちゃお洒落!
ナチスに傾倒しながらも、うさぎを逃がそうとする心優しさを持つ主人公。このチグハグ感が心配で、目が離せなくなりました。私は母親ロージーのような目線で本作を観ていましたね。
ジョジョの過去は詳しくは描かれませんが、父が不在なことや、姉の死による不安や寂しさをナチスという強さのシンボルにすがることで凌ごうとしたのかな。ロージーに心配かけないように、守れるように強くなろうとしてたのかも、と色々考えさせられます。
虚勢を張って弱い自分を守ろう、見せまいとする感じ。ジョジョがエルサに出会った頃の態度がぴったりですね。ビビってるのバレバレなのがかわいかったです。
コメディとはいえブラックジョークが多く、クスッとするけど笑っていいのか困る時が多かったです。
本筋としては、ジョジョの成長物語ですね。恋や母の愛、苦しみを経ての成長、そしてついにはナチス、偽りの強さに囚われていた自らを解放する。本当の意味で外に出るのがあのラストシーンだと感じました。
一旦エルサに「ドイツが勝った」って嘘ついちゃうのは、彼女が自由になったら自分から離れて行っちゃうんじゃないかって不安になったからですかね。その後、目にする囚われたうさぎの絵が印象的でした。うさぎはエルサか、ジョジョ自身か。
うさぎは弱さの象徴だと思うのですが、序盤にうさぎを逃がしてあげようとするジョジョは、本当は最初から強い子なのだと思います。それを自分が弱いから殺せないんだ、と勘違いしちゃう。本当に強い者は弱い者のために戦える者なのに。今思うとそれを背中で教えてくれているのがロージーなのですね。ジョジョが「臆病うさぎ」と呼ばれた後、対照的に「子ライオン」と呼んだのも印象深い。
見直してみると、後に決別することになるアドルフは「うさぎは実は勇敢だ。うさぎになれ」ってジョジョに語りかけていますね。本当はライオンのジョジョに。ここからも「ナチスの下でうさぎでいることが勇敢なのだと思い込まされ、囚われているジョジョ」をあの絵で表現しているのかなと考えました。
本作はジョジョの変化や成長を目に見えるように描写するのが上手いなあと思いました。最初は仲良しだったアドルフと険悪になっていく、とか。靴紐が結べるようになるとか。
蝶がお腹の中で羽ばたくシーンもよかったです。ファンシーでかわいい表現。
登場人物みんな魅力的なのですが、特に好きだったのはキャプテンKですね。ああ見えて軍服には過去の戦果の勲章がたくさん付いてるみたいです。ナイスすぎる設定…好き。みなさんのレビューを拝見しても、好きっておっしゃってる方が多くてニコニコしちゃいました。
サムロックウェル、いいですよね。『スリー・ビルボード』を観てからファンです。ディクソン巡査とキャプテンK、少し似てるかも。
家宅捜索の時と最後にジョジョを逃がすところは心打たれましたね…。ロージーを「いい人だった」と言っているところ、ロージーの反戦活動も知っていて黙っていたのかなと思いました。それがバレたら自分も粛清されるだろうに。軍に従事しながらも、彼にも思うところがあったのだろうと考えさせられます。同性愛者っぽい描写もありましたし、迫害される側の気持ちも理解していたのかも。
あのクソほど標的にされそうな軍服を本当に着てくるのも最高でした!あそこが一番笑ったかもしれません。その後で戦場の恐ろしさを目の当たりにする演出がなされるギャップも素晴らしい。
スカーレットヨハンソンのパパの演技がとても素敵でした。まず声の変化が凄い。格好いい。お酒煽ってのバッと動いて音楽かける一連の動作が好きすぎました。
ロージーといえば、足元だけを意図的に映してる場面がありましたよね。まさか…と思っていたら、唐突にあのシーンですよ。頭のどこかで嫌な予感がしつつ、実際にそうなるととても辛かったです。
ヨーキーもとても好きでした。本作の癒し。最初は「ユダヤ人を捕まえた」なんて友達とはいえ、簡単に明かしちゃっていいの!?と思いましたが、なんの心配もなかったですね。ナチスかどうかなんて関係なく、人としてジョジョと親友なんだな、と会話を通して感じられて微笑ましい。そんないい子が戦場に出されているのがまた悲しいのですが。
あと最高だったのは、緊迫感マックスな家宅捜索シーンで、突如ひどい仕打ちを受けるネイサン。彼が一体何をしたというのか。殺害手段が豊富すぎる。笑っちゃいけないシーンでこれを出してくるのがまたいいんですよね。
エルサって聡明に見えますけど、意外とジョジョの嘘の手紙を信じていたのでしょうか。それともおふざけで描いたのか。ネイサンが亡くなったのはロージーから聞いたのだと思いますが。
ぐだぐだと長くなってしまいましたが、書き出してみて改めて、人物描写と心理や成長の表現が秀逸な作品だと思いました。
ストーリー展開は予想通りなところはありますが、ナチスという重いテーマを軽やかに見せているのが見事。
しかし、個人的にはハマりきれなかったです。幼いジョジョに感情移入しきれなかったのか。コメディタッチなのもあり、どこか客観的に観てしまったかもしれません。
あとは私がブラックジョークに不慣れなので、笑えばいいのか真面目にみるかどっちつかずになったり、引いてしまったり。作品に入り込めなかった部分があったかと思います。もう一度観るとまた変わってくるかも。
合わない人もいるかと思いますが、良い作品なのは間違いないです!
ジョジョが可愛い🐰
ジョジョ・ラビット、名前の由来がそこからなのか🐰ジョジョは優しい子なのだ😌
戦争の映画ではあっても重苦しくなくコミカルであり、親子の心暖まる話でもあり、人情あり友情あり、そしてヒトラーに対する皮肉もしっかり込められていて、盛り沢山具合が丁度良い。
ヒトラーの登場はジョジョの空想の中、誰にも見えない。ジョジョにとっては崇拝の対象でもあり、良き友達。その発想が斬新で面白い。最後にはジョジョが窓の外に蹴飛ばしてしまうあたりは皮肉たっぷりでスカッとした人は多いのでは?
とにかくジョジョが可愛い😍うさぎを逃すところも、ママとおそろいのパジャマ着てるのも、ぽっちゃりくんとのやり取りも可愛い。ユダヤ人の少女の恋人のフリをして書く手紙も健気で可愛いのである。
処刑されたママの足にしがみつくところや、上官がジョジョを助けるためにユダヤ人めっ、と突き放すところなど、ジーンとさせられる場面もあり、ラストはジョジョが成長して少し大人になったような表情で、戦争も終わり明るい未来が待っているような終わり方で、全く無駄なところがない、良作な映画!
独裁者の呪縛から解放され愛を知り成長する少年の初恋物語とナチスドイツを風刺したコメディが合体したユニークな映画
ナチスドイツ国家の青少年組織ヒトラーユーゲント最年少の10歳の少年ヨハネス・”ジョジョ”・ベッツラーのヒトラーへの忠誠心を風刺したコメディ。その背景に、母ロージーが屋根裏部屋に匿ったユダヤ少女エルサ・コールに抱く主人公ジョジョの淡い初恋を物語にした異色のアメリカ映画。これをポリネシア系ユダヤ人を自称するニュージーランド人監督タイカ・ワイティティの適度にシリアスでおちゃらけた演出が、軽妙に纏める。コメディアン出身の多彩な経歴に裏打ちされた才能と個性的風貌でヒトラーをカルカチュアした演技も独創性豊かだ。
それでも、うさぎも殺せない臆病な少年がナチス教化の呪縛から解放され、愛を知り成長する姿を過酷な6ヶ月の短期間に描き込んだ内容の濃い戦争悲劇の哀しみは余り残らない。また、サマーキャンプの様な課外訓練から戦局が悪化して国民突撃隊に併合されて市街戦に巻き込まれる展開も、戦争の悲惨さを前面には打ち出してはいない。独裁者ヒトラーによってドイツ国民が一種の集団ヒステリーに陥った怖さを、ドイツ少年団ユングフォルクの教官たちに象徴化した単調さがインパクト強く、映画として色んなものを内包したごちゃ混ぜの可笑しさが最後に残る。とても良い題材だけれど、コメディの定石であるイカれたクレンツェンドルフ大尉の曖昧な立場と超肥満体の女性教官、そしてジョジョのただ一人の親友ヨーキーの強烈なキャラクターがテーマを弱めていると見た。コメディ映画に合わない題材とテーマに敢えて挑戦したコンセプトの独自性は評価すべきだろう。ただ、シリアスなタッチの中にユーモアを醸し出す作品スタイルのほうがもっと映画的感動を創作できたのではないかと思ってしまった。
俳優では、エルサを演じたトーマシン・マッケンジーの何処か儚げな佇まいがいい。ひとり取り残された淋しさが丁寧に表現されている。ジョジョに与えるロージーの母性愛と父親代わりを兼ねる戦時下の母親像を巧みに表現したスカーレット・ヨハンソンもいい。その上で、娘を亡くしたロージーが危険を承知でエルサを屋根裏部屋に避難させる動機の描写があれば、もっとヨハンソンの演技が深くなったと惜しまれる。ジョジョを熱演したローマン・グリフィン・デイヴィスは、勿論役を全うして素晴らしいし、恋に落ちた男が嘘をつく難しい場面を乗り切っていて感心する。映画らしい表現で特に指摘したいところは、母の前で呆然と跪くジョジョの悲しみを静かに見詰める小窓がある屋根のカットのモンタージュと、母の死を説明しないで描き通したジョジョとエルサの悲しみが寄り添う場面の脚本の上手さ。観る者の想像力を掻き立てる、この二点は一寸唸るくらい感動した。
少年兵が主人公で連想する映画に、西ドイツ映画のベルンハルト・ヴィッキ監督の「橋」と日本の今井正監督の「海軍特別年少兵」がある。追い詰められた戦局で若者が犠牲になる歴史の事実を忘れてはいけない。そのことを改めて指摘してくれた意義のある映画だ。それとは別に、独裁者ヒトラーひとり悪者にして戦争批判する映画のスタイルには全面的に賛同しない。それよりもこれからは、独裁者を崇拝する集団ヒステリーに潜む人間の弱さや悪をもっと解明すべき時代ではないかと、個人的に考えるからである。
ナチス×コメディ
この作品を見終えて、
ナチスという題材をここまでユーモアかつ心に刺さる内容に仕上げていることに、まず凄さを感じた。
コメディ映画なのに戦争の醜さや、人種差別、自尊心、人としての成長までを108分の時間の中で上手く伝えられているところも素晴らしい。
ラストのダンスシーンで絶望から希望へと変わっていくような感じがして物凄く感動できました。
反戦、人同士の繋がり、友愛を軽やかに描いた映画
ツイッターで2020のベストに入れてる方が結構いたので
気になって観てみた感じ
内容は第二次世界大戦中のドイツを通して
少年の視点でナチス、ユダヤ人との関係などを描いている
暗すぎずユーモアを交えながら
反戦と友愛を描いた物語になっている
しかし、なんか最後踊る映画続いてるなw
でも、ハッピーエンドに勝るものないね
ヒトラーを描きながらも…
こんなにポップな感じで、しかも少年の妄想で出現させる監督の手腕は凄い。冒頭からビートルズが流れ、戦時中の深刻さを感じさせない。この時代にその国で生まれたら、仕方ないことだが、ナチスに憧れながらも、兎を殺せなかった少年。母親の愛情をたくさん受けるが、父親がいないので、どこか弱々しく、仲間からも阻害されている。母親スカーレットが匿っていたユダヤ少女のマッケンジーと言葉を交わすうちに、恋心を抱くようになり、母親の死もありながら、成長していくストーリー。戦争の無情さを語るが、笑いも交えながら、悲惨さだけをクローズアップせず、あくまで、一人の少年の心の成長を描いている。なぜ母親が処刑されてしまったのか、ユダヤ少女と姉との関係性、姉や父親の所在、過去など深く知りたかった。観る前の期待を上回らなかった。
ん〜良かったけど期待しすぎたかも
子どもでも見れて易しい戦争ものという印象でした。
衣装やセットがとてもいい、ミニシアター感溢れる画面の色も悲惨になりすぎないコミカルさも合間って悪くはない。センスもいい!でもこのモヤモヤはなんだろう。自分の捻くれ者加減がひどいのか求めていた感動の形と違ったんだろうな。
キャラクターの前後の人生が見えてこなかった。いっときの悲劇といっときの感動で何かが誤魔化された様な気がしてならない。楽天的すぎて心の傷も傷シールの様なサッと剥がせるものに見えてしまった。
コメディだから割り切れる筈なんだけど、先導された人々を一括りの馬鹿として見る事は差別と何が違うんだろう。
子どもの目線とはそんなに素直で浅はかだろうか。
理想のヒューマニストたる母が息子に残したものは理想論以外の何があったのか。ジョジョは父の真実や母の人生を捧げた活動を結局何も知らないまま取り残されている。まあ、色々と軽く流せなくてモヤモヤと
結局最後の最後にアメリカ国旗にドヤ顔で正義を押し付けられた様な気が何となくしている。
靴
私たちは戦争のことを表面的にしか知らない。物語のジョジョのように。
それが本作の終盤、街でアメリカ軍との銃撃戦のシーンでジョジョは戦争がなんたるものかを理解したのでは。あの時、彼は母の『無意味な戦いはすぐにやめるべき』という言葉を思い出したのかも。
同時に観ている私たちも戦争のリアル感を実感する。
序盤から、靴を印象的に映していた意味に驚愕。スカヨハの死を靴だけで見せるのはすごい。
本当のうさぎはエルサのことだったのかも。
ジョジョの視点から視聴するので、ドイツ語ではなく英語で作られてたのは納得(アメリカ映画なので)。
戦争映画をこんなにポップに描いたのはすごい。終わりかたもダンスで終わるという戦争映画的にはなかなかできない表現の仕方。
かわいい兵士。
ナチス思想をもつ10才の男の子ジョジョ。
🇩🇪兵士になる為の訓練しているがまだ度胸がなくウサギを殺す事もできない。そんな時。屋根裏部屋に住むユダヤ人のエルサに会う。
初めユダヤ人のエルサになかなか受け入れることが出来なかったが…。
ジョジョは少しずつエルサに心惹かれていく。
エルサと関わり合うことでユダヤ人が悪い人間ではないと思う様になった。
ジョジョは母親の死、エルサを通じてまたドイツの敗戦でナチスの思想を捨て自由になる。
少し大人になったジョジョが頼もしく思える。
戦争も少しコメディに作られているので楽しく観ることができた。戦争は人の思想をコントロールして人間の自由を奪う怖い事だと思った。
消えない心とからだの傷
あどけない少年を主役に配した反戦映画の傑作。
大切な母の死体が広場にさらされる心の傷。
手榴弾の誤爆によりこうむったからだ(顔)の傷。
そして、
主人公がユダヤの少女に対して突き立てたナイフの傷。
主人公をかばい続けたヒトラーユーゲントの教官。
主人公と母がかばい続けたユダヤの少女。
自らが、
・加害者と被害者
・かばう人とかばわれる人
を往復する不条理。
監督自らが演じる空想のヒトラーは、
無邪気な少年による脳内創造物であるため、
やはり、とことん無邪気である。
ゲシュタポの緩さと併せて、リアリティーを欠く
との批判もあるように聞くが、
許容範囲だと考える。
閑話休題、
自民党一強になってしまった日本を省みると、
戦争経験者が減ってしまったことと、
強い相関関係があるに違いない。
素晴らしい戦争お伽話
とても良かった。
どこから思いついたんだろう?
空想のヒトラーからなのかな?
あり得ないお伽話だけど、
戦争の悲惨さ不条理さ、
ナチス側からナチスに敬意を払う形で馬鹿にし、
ユダヤ人を疑う立場から愛情に発展する図式は
とても素晴らしかった。
子どもと観るのにも丁度良く、
これはこう言う事だよと説明しながら観ることが出来た。
お母さんの愛情が全編に染み渡ってた。
ジョジョの成長を観たかったろう、
最期何を思ったかを想像するとたまらない。
サムロックウェルのキャラがとても良い味だしてるが
ヨーキーの可愛さもたまらない。
戦争がこんなわけないだろと言ったらそれまでだけど、
戦争が何も産まない事は伝わるし良い映画だったと思う。
子どもたちには、戦争の事は分からなくても、
自分と対話し、外に出て経験する大切さ、他者との会話、
常識を疑う事は少しは分かってくれたと思う。
ラストの背伸びしたジョジョ、お母さんに言われたセリフを
言わせて、一段高いところに立たせて目線を女の子と一緒に
する。そして踊り出す。
ほっこりしました。
リアルとユーモア、そして愛
友人とパジャマのまま鑑賞。なんていい休日の始まり。以下友人へ話した映画の感想ハイライトです。どうぞ。
何を伝えればこの映画の良さが伝わるだろう。
ナチスというタブーに触れる好奇心?日本人が愛してやまない家族愛と戦争への慨嘆?赤と緑の織りなすハイクオリティな芸術的映像?はたまたオネショタへの偏愛?
どれもしっくりこない。ただ、もう一度、人生で見返す映画にはなると思う。
とにかくどの瞬間で止めても絵画のような美しさがある。赤色が印象的。まぁナチだしね。どこかムーンライトキングダムに通じる映像の美しさがあったな、リスペクトしてるのかな。
ママがパパの役するところあるじゃん、あそこ最高じゃない?なにあれ、あんなママ欲しい。なんて芸が細かいんだ、素敵だ、素敵すぎる。ママは、自分の息子の思想を否定しないし、ディナーの場は中立国だという。なんていい子育て。
キーパーソンはキャプテンK。なんていい男なんだ、チャリ抱えて家に突入してきた時は息を呑んだ、なんでいい役回り。あとヨーキーは可愛すぎる、キーホルダーにしたい。かわいい。
嗚呼、ジョジョ、君はきっといい男に育つ。君が信じた髭の男もファシズムも、国も、思想も崩れていったけど、愛し、愛されたかけがえのない人もいなくなってしまったけど、なぜか君の将来に一筋の光が見えるんだよ。
「抱きしめたい」
ナチスドイツを扱いながら、このようなポップなテイストに仕上げるのは勇気が要ったと思う。
が、タイカ・ワイティティ監督の意図は十分に伝わった。
『この世界の片隅に』観賞後にも同じようなことを思ったが、
どの時代にも日常はあった。
歴史の教科書では「悲惨なできごと」という角度でのみ紹介されるホロコーストを生きた人々にも、クスッと吹き出すようなできごとや、友情や愛に心を熱くする夜、もしくはただボーッと過ごすだけの時間もあったに違いない。
この作品を見ていると、ナチス思想に汚染され厳しい迫害を行う・もしくは迫害を受ける一方で、「ごくふつう」にも生きていた彼らの日常が手に取るように見えてくる。
その証拠に、この作品に明確な「悪人」は一人も登場せず、どの立場の人物も生活を覗き見てみたいような不思議な魅力を持っている。
(特に、ヒトラーユーゲント育成陣営のふくよかな女性のバックグラウンドが気になった。素晴らしいキャスティング!)
だからこそ、母・ロージーの死やキャプテンKの死が、圧倒的な死が、胸に突き刺さるのだ。
どちらのシーンでも涙が止まらなかった。
多分、ずーっとシリアスなテイストでやられるより何倍も辛かった。
ありがちな感想かもしれないが、
百パーセントの悪意で出来ている人間はいないのだと思う。
ホロコーストという人類の負の遺産を作り出した側にも、同じように日常はあって、もしかしたら心安らぐような時間もあって、けれど何かが少しずつ食い違って、あまりにも大きな悲劇に繋がってしまった。
しかし、被害を受けた側からすれば、それほど残酷で理不尽なことはない。
映画館1回目の鑑賞であまりにも感激し、間髪入れずに2回目を観に行ってしまったが、
一度ラストまで観たあとだと、冒頭に流れるビートルズの「抱きしめたい」(ドイツ語版)に、たまらなく胸が締め付けられた。
まとまりませんが最後に。
監督、ヨーキーを生き残らせてくれてありがとう....!
いろいろ詰まってる。
ゲームオブスローンズ のシオンが出てるけど、ほとんど喋らないよ。でもいい味でてる。
サムロックウェル演じる大佐の影の彼ピ役だと思う。
スカヨハ演じるジョジョの母が、、、ショックで観ているだけのわたしが受け入れられなくて、違う人だと思おうとした。
際どいユーモアと、ママの明るい愛情と、ファシズムの恐ろしさと、子どもの純粋な自己顕示欲と、初恋と。いっぱい詰まってて、観ているわたしの感情はブンブン振り回された。
おでこにママの口紅つけてるジョジョが、靴ひもを結べなかったジョジョが。
成長は尊いのに、失ったものの大きさが突き刺さって、ぐちゃぐちゃな気持ち。
FOX searchlightへの信頼がより厚くなった一本。
ジョジョの勇気ある冒険 ワイティティの才気は止まらない
ナチスを題材にし、軽快なコメディに。
下手にやれば凡作か駄作になっていただろう。
が、そうはならなかった。
タイカ・ワイティティという才人の手腕。
称賛の声に溢れていたが、評判違わぬ良作!
立派なヒトラーユーゲントになる事を夢見る10歳のドイツ人少年ジョジョくん。
“2番目の友達”太っちょのヨーキーくんにはちょっと偉ぶってるけど、実際はのび太くん並みの気弱で何をやってもダメダメくん。“ラビット”なんてあだ名まで付けられ…。
でも、僕には“1番の友達”が居る。彼の名は、アドルフ。そう、我らが総統が“空想上”の友達。
総統やナチスへの忠誠心強く、親友のアドルフに支えられ、目指せ!立派なヒトラーユーゲント!
…だけど、やっちゃったんだな…。ヘマしてユーゲント訓練から外され、雑用係に…。
僕はママと2人暮らし。
美人で利発的でユーゲントの大尉にも物怖じせずズケズケ言うほど強い性格。
でも、いつも靴紐を結んでくれる優しいママ。
“仕事”で家を空けがち。一体、どんな仕事をしているんだろう…? 世界を救うヒーローかな…?
時々僕らの“正義”のナチスについて意見が分かれるけど、僕はママが大好きさ!
もしユダヤ人がこの家に居て、ママを催眠術にでも掛けていたら、僕がユーゲントの短剣でぶっ殺してやる!
…本当に居た。
家の壁の中から物音が。
恐る恐る壁の中の隠し部屋に入ってみると…
そこに、おぞましいユダヤ人が! 僕よりちょっと年上の少女で、亡き姉の友達だったというエルサ。
いつからここに棲み付いた?
ママに催眠術でも掛けたな!
このユダヤ人め!
よ~し、通報してやる!
でもこのユダヤ人、ユダヤ人にしてはちょっと頭が良く(それにユダヤ人にしてはまあまあ可愛く)、僕を脅して来やがった!
通報したらユダヤ人を匿っていたと言い、ママも罪に問われる。
ママを守る為に、ここは一旦様子見。
そうだ、このユダヤ人からユダヤ人の事について色々聞き出してやる。
そしたらママを守る事にもなるし、総統やナチスの為にもなるし、他のユダヤ人を見付ける事も出来る。一石三鳥!
別にずっと家に居るからって訳じゃないけど、毎日のようにあのユダヤ人と話す機会が多くなる。
話を色々聞き出し、ユダヤ人の秘密を暴く本を書く為なんだけど、彼女と話す事が何だかちょっと楽しみに。
それと、何なんだろう、このお腹の中で蝶が羽ばたくようなムズムズするような感じは…?
僕、一体どうしちゃったんだろう…?
そんなジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィスくんの演技が見事!
大人の役者でも難しい戦時下に於ける善悪の視点の変わりようを、子供ならではのユーモアや純真さで絶妙に体現している。それ故ある悲劇のシーンでは涙を誘う。新星現る!
彼もいいが、エルサ役のトーマシン・マッケンジーの聡明さと美少女っぷりに、見てるこちらもお腹の中で蝶が羽ばたく。あるシーンでユダヤ人なのに「ハイル・ヒトラー!」と言わざるを得なくなり、ユダヤ人が侮辱されそれに堪えなくてはならぬシーンもあり、その辛さも滲ませる。今後の活躍に大期待!
サム・ロックウェルは『リチャード・ジュエル』に続き好演。終盤のネタバレになるが、ナチスでありながらエルサを庇い、最後のあるシーンでジョジョも助け、出番はそんなに多くないが、美味しい所を持っていくさすがの巧者!
そして、ママ役のスカーレット・ヨハンソン。この美しく、愛溢れたママが居たからこそ、作品に華と優しさが出た。顔に墨を付け一人でママとパパのフリをするシーンやジョジョと2人でサイクリングするシーンだけでも、作品の中で特に印象を残す。それだけに、あのシーンは…。
レベル・ウィルソンのコメディエンヌぶりや、ヨーキーくんにもほっこり。
それにしても本当に、ワイティティの才に唸らされる。
重く悲壮感漂いがちな従来の“ナチス物”。
覆すほどポップで陽気に。映像面もハートフル、美術や衣装もカラフル。ビートルズやデヴィット・ボウイの曲に乗せて。
ワイティティ本人もアドルフ役で出演。かなりの大袈裟演技。
歴史に残る大罪を犯したナチスを面白可笑しくコメディにして、大丈夫…? 批判されない…?
これでいいのだ。
コメディにして、笑いのネタにして、より皮肉と痛烈なメッセージ。
笑えれば笑えるほど。
そこに、少年の淡い初恋物語。
過去の名作映画へのオマージュも。
靴紐を結ぶシーンや似たような画面構図など伏線も巧み。
でも、意表を突くブラック・コメディだけじゃない。しっかり訴えている。
突然ゲシュタポが家に押し入る。大尉やエルサの機転でハラハラの危機を免れるけど、何故…?
そして、広場で見付けてしまった。ママが…。
ユダヤ人を匿ったから、ママは…。ユダヤ人が憎い。
でも、“正義”のナチスがママを…。大好きな僕のママを…。
どっちが正義で、どっちが悪者…?
ある日突然、戦局が変わった。
勝利間違いナシと思っていたナチスが敗北。
親友の…いや、本物のアドルフは自殺。
その偉大なる総統こそ本当の悪者で、僕らを騙していた。
ユダヤ人は僕らと変わらぬ同じ人間で、ヒトラーはユダヤ人にとてもとても酷い事をしていた。
洗脳をしていたのはユダヤ人ではなく、ヒトラーの方だった…!
くたばれ、ヒトラー!
“親友”を蹴っ飛ばすシーンは、痛快愉快!
“正義”のアメリカ軍がやって来る。
でも、彼らも本当に正義の味方…?
僕を捕まえ、連行しようとする。
その時助けてくれたのが、大尉。
大尉はいい人だ。
その大尉をアメリカ軍は…。
きっと、戦争で皆が世界が、全てがおかしくなったんだ。
子供の僕には分からない。
分かっている事は、一つ。
エルサを助ける。
この愚かな戦争で、一番の正義は、敵を殺す事じゃない。
誰かを守り、助ける勇気。
今、やれる事をやる。
ナチスが仕掛けた戦争は終わったけど、この世界から戦争は無くなるのかな…?
人種の偏見や差別も無くなるのかな…?
分からないし、まだまだ遠いかもしれないけど、束の間でもこの自由と解放に、さあ踊ろう。
「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。...
「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。まあ、気楽に戦争を茶化した映画を観ればいい。」
なんて思いながら観てたんですが。
「(戦争をはじめるのは簡単なことだ)、国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。簡単なことだ。自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に曝す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。この方法はどの国でも同じように通用するものだ。」(H.ゲーリング)
ヒトラーに忠誠を誓い、一人前の大人になるために、つまり、世界に冠たるドイツ国民として、ヒトラーユーゲントのキャンプに参加する10歳の少年ヨハネス
指導教官が陸軍大尉のクレンツェンドルフ
日本の戦争末期と同じく、まともに軍事情勢を判断できる将校なら、敗戦は間近であることは分かっている。
戦場がどのような場所であるかを知っていたのだろう、子どもたちを今更戦争に巻き込もうなんて気はなく、ヒトラーに忠誠を誓う子どもたちの戦争ごっこに付き合う。
ヨハネスの母ロージーと、この大尉だけが、正常な判断力を維持しているドイツ人として登場する。
たいていのアメリカ映画は、どんなに残虐非道な映画でもアメリカの民主主義の権化みたいのが登場して、、、、大抵、生き残る。
映画を観て言る側は、その民主主義の権化に自分を投影するものだから、ホッとして映画館を出ることができる。
しかし、この映画のクレンツェンドルフ大尉も、ロージーも生き残りはしない。
ゲシュタポに身分証明書を見せるように迫られたユダヤ人エルサは、死んだヨハネスの姉の身分証明書を見せようとするが、とっさにクレンツェンドルフ大尉がそれを取り上げ、身分を確認する。
「生年月日は?」
「1929年5月1日」
身分証明書にある日付は、5月7日だった。
しかし、クレンツェンドルフ大尉はそれを不問にして、エルサを解放する。
クレンツェンドルフ大尉とロージーに守られたヨハネスとエルサは、生き残る。
ヨハネスとエルサは、ロージーが自由な人がそれをすると言ったダンスを始め、映画が終わる。
これは「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。」と思っていたが、「今の日本に向けた映画だったか」と思った。
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