ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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ナチスドイツが作り出した「ゴースト」からの脱却。
◯作品全体
作品を見終えたとき、「ゴースト」という単語が心に残った。
主人公・ジョジョと壁の中に隠れ続ける少女・エルサは、それぞれ「ナチス」、「ユダヤ人」という化けの皮を被っている。それが自分の意思であれなんであれ、国家に被らされているのには違いない。そんなジョジョを見て、母は「ゴーストを見ているみたい」と話す。「ナチス」という化けの皮が剝がれたジョジョは、本当はもっと優しい人間であったはずなのに、今はその姿がうっすらと伺えるだけだ。
「ナチス」という化け物の被り、本当の自分の姿を亡霊のように消した存在…それを作中で表現すると「ゴースト」なのかもしれない。
エルサも「ゴースト」のような存在だ。自分の存在を知られないように生き、生活する場所は壁の中しかない。そして彼女を見るとき、大半の人間は「ユダヤ人」という(彼らにとっては)化け物の象徴を背後に見る。エルサという輪郭がぼやけた存在は、まさしく「ゴースト」だ。
「ゴースト」という存在から脱却するのは、シンプルだが難しい。互いが相手を一人の人間であることを理解し、それぞれの持つ肩書を外して接することができれば、ゴーストでない人物と対話できるかもしれない。けれど、国家的に差別が進む全体主義の社会ではとても難しいことだ。
「ゴースト」というモヤのかかった人物とは対照的に、街並みや家具、自然の景色は彩度が強い映されていたのも印象的だった。石畳の美しい街や母と一緒に過ごす川沿いの緑色、カラフルな家具たち。人と人との衝突の裏で、世界はこんなにも綺麗なのに…と画面から訴えかけてくるようなコントラストの演出だった。
母が絞首刑にされてしまったシーンは特に強烈で、白が基調の広場の美しさ、鮮やかな蝶の青色があって、濁ったような紫色に染まった母の足首を映す。世界は変わらず綺麗なのに、人だけが汚れていく…そんな印象を受けた。
ラストシーンでは爆撃や瓦礫で汚れた世界の中で、今度は人が輝きを見せ始める。
「ナチス」、「ユダヤ人」という「ゴースト」ではなく、ジョジョ本来のもつ優しさとエルサへの想いによって、それぞれの本当の姿を見つめる二人。
立場の変化が難しいことを描き続けてきたからこそ、「ゴースト」を脱ぎ去った彼らが、なおさら輝いて見えた。
〇カメラワークとか
・ビビッドな色味がとても印象的だった。ジョジョの行動が自然と軽やかな感じに見えてくる。第二次世界大戦末期のドイツっていうどこからでも悲劇につながりそうな舞台で、意図しない悲劇を作りたくなかったのかもしれない。
・手りゅう弾で怪我をしたときの主観カットも良かった。時間の流れるスピードも主観的になるっていう。
〇その他
・イマジナリーフレンドのヒトラーの存在。ヒトラーは「ゴースト」ではなくて、そもそも実在しない、ジョジョの頭の中で作られたヒトラーなんだっていう設定が面白い。だから解決策を提示できないし、ジョジョ以上の思考ができない。心の中の「世論の常道」というナチスズムが、ジョジョの良心のような感じで顕在化していたんだろうな。
・エルサ役のいつでも居なくなってしまいそうな儚さの芝居が良かった。声質もそんな感じ。
・ジョジョの親友・ヨーキーがやけにマッチョなキャラクターで面白かった。見た目とはかけ離れた漢気っぷり。
・振り返るとベタだな~とは思うんだけど、ジョジョを逃がすクレンツェンドルフ大尉のシーンは良かったなぁ。
メルヘンチックな姿を借りた、奥深くて油断ならない物語
「ナチス」というと冗談では済まされないタブー感が突き刺さってやまないが、本作は幕が上がるやナチュラルにその世界へと誘われる。子供の純粋さを利用して巧妙に忍びよるプロパガンダの恐ろしさが、このメルヘンチックなドラマから痛いほど伝わってくるのだ。そうした特殊構造を深く知るためにも、我々はこの映画を警戒するのではなく、まずは思い切って乗ってみるべきなのだろう。
思春期というものが純粋さから穢れへの移行期だとするなら、本作が描くのはその反転だ。少年が純粋だと思い込んでいたものは実は違った。彼は多くの大切なものを失う過程で、穢れの中から手探りで真実を見つけ出そうとする。真実とは何かを判断できる位置までたどり着こうと必死に手を伸ばすのだ。そういった意味での成長ドラマがここにある。上映中『ライフ・イズ・ビューティフル』のことを思い出していた。真逆の世界ではあるが、どこか通底している気がしてならない。
戦争の日常がリアルで怖い
戦争中なのにやけに平和に見える。食事は貧しいけど友達とキャンプ(徴兵訓練)に行ったり陽気なおじさん(軍人)とお仕事ごっこしたり母親池ピクニックに行ったり平和に見える。母親が死んで初めて戦争中だったって気付かされるくらい平和だった。それが怖い。
もしもあの時代のあの場所で育った子供だったら
第二次世界大戦期ヒトラー政権下のドイツ。
主人公である10歳のドイツ人の少年ジョジョも他の子供達にもれずしっかりとファシズムに染まっているが、ウサギを殺すことができない心優しいところがあり、そのためにユースキャンプ内ではヘタレの烙印を押されてしまう。それでも彼のヒーローでありイマジナリーフレンドであるヒトラーに励ましてもらい、カッコいい軍国少年になろうと必死の毎日だ。
が、ある日、自分の家に、捕まえなくてはいけないユダヤ人の年上の少女が隠れているのに気づく。彼女をゲシュタポに突き出すことができず交流を続けるうち、少女に惹かれていくのと同時に、ヒトラーのしていることへの疑念が湧き、ユースキャンプから抜ける。その後は反政府活動のために政府に殺されてしまった母の志を継ぎ、戦争が終わるまで少女を匿い続ける。
ついに終戦した時の、そのままずっと少女を手元に隠しておきたい気持ちに打ち克って少女を解放したラストが感動だった。それをたぶん讃えてくれたであろう母はもういなかったが、少年が真のヒーローになった瞬間だった。
主人公の男の子がすごく上手くて可愛いし、母役のスカーレット・ヨハンソンも魅力的だった。そして少年を身を挺して助けた大尉役のサム・ロックウェルが超かっこよかった!
シャル・ウィ・ダンス!!
四回目の鑑賞になる。
レビューしない事にする。
また消されるからね。
ドイツ語の「抱きしめたい」
最後は
ドイツ語のデビット・ボウイ「ヒーローズ(?)」
残念ながら、デビット・ボウイの曲は聞いた事あっても知らなかった。
この映画を
個人的に名作だと思っている。
たが、ビリー・エリオットばりにとは言わなくとも、ちゃんと少女とシャル・ウィ・・・だったらなぁ!
この映画ても、ナチス・ドイツ対ユダヤ人
を事の他強調してくれているが
この映画の中で「ドイツに味方するのは、今や日本だけ」と言う台詞を聞くと、怖くて外国へ行けなくなっちやうね。
追記 なぜドイツ語版の「抱きしめたい」があるか?
この映画でも「ドイツって音楽家ばかりなの?」と言う台詞があるが、「BEETLES」はハンブルクで演奏をして基盤を作っている。リバプールやロンドンより前にハンブルクの時代があった事をわするべからざり。
消さないでね♥
あれもこれもジョーク
最近の第二次大戦ものとかナチスものというのは、観る側に充分な知識がある前提で作られている作品が多くなった。
ただホロコーストの悲劇を描いただけの作品なんて過去に何度も作られたし、もう知ってるでしょ?というわけだ。
なので、笑えないことを笑い、笑ったことに気まずくなるブラックジョークの渦に飲み込まれ本作を堪能するためには知識がいる。
ナチスが迫害したり、彼らの言う安楽死させた人たちというのはユダヤ人だけではない。
同性愛者、政治犯、エホバの証人、ジプシー、精神的肉体的に回復の見込みのない非健常者など。
作品内では不具と呼び、ジョジョが負傷したことによりナチでありながら迫害されるかもしれない立場に変わったことがジョークみたいなものだし、その立場になったことでジョジョの視野が広がりお腹に蝶が舞うことになる。
キャプテンKは射撃の腕が良く、本来ならば前線にいるべき男だろうが、目の負傷(不具)のために子どもたちの指導をしている。
能力ではなく不具かどうかで判断しているというジョーク。
そもそもこのキャプテンKという人は後々ゲイであることがわかってくるが、ゲイは迫害対象ですからキャプテンが反ナチなのはほぼ確定。そんな人がユーゲントの指導をしているというジョーク。
そんな相反するクソッタレな状況に飲んだくれているキャプテンKは非常に面白い。
腕や足を失った人が沢山出てくるが、ナチを信奉して戦地に赴き、負傷してナチスの迫害対象になったかもしれないというジョーク。
気付くと、この映画の多くの登場人物がナチスの迫害対象であり、もうそれ自体がジョーク。
そんな人たちを反ナチのレジスタンスでありながら大きな愛で包もうとする人物こそジョジョの母親ロージーなのだ。
ユダヤ人のエルサを匿い、負傷した兵士にドイツにお帰りと優しく声をかけ、ナチである息子を怒鳴りつけることもしない。
それは反ヘイトの塊。反ヘイトとはすなわち広く大きな愛。
エルサがドイツ人を装って難を逃れる場面とジョジョがユダヤ人だと言われて助けられる場面は、ドイツ人もユダヤ人も同じだという対になっているジョーク。
それをどちらも助けたのが反ナチのナチであるキャプテンKで、反ナチのナチってのがもう強烈なジョークなんだけど、このジョークの塊みたいな人が、ロージーと同じように反ヘイトの愛で戦い若者を助ける姿はしびれる。
親ナチも反ナチも女も子どももゲイも不具もシェパードもみんなが戦う市街地でのクライマックスは、壮大なジョークであり悲劇的な、反ヘイトの旗印を掲げる大きな愛のシーン。
あと、とりあえずこれは書いておこうかな。
街中で吊るされている人たちはユダヤ人ではないよ。見せしめのためだから彼らは政治犯ね。ジョジョのお母さんのような人たちだよ。つまりドイツ人ね。
それとジョジョのお父さんはユダヤ人ではないよ。お父さんがユダヤ人ならジョジョもユダヤ人ってことになっちゃうからね。100%ない。
観ている最中はタイカ・ワイティティ監督は天才なんじゃないかと思ったし、観終わった直後はスゴい傑作なんじゃないかと思ったんだけど、いつものように妻とのディスカッションを経て改めて考えてみると、単なる少年の成長ものでそんなに面白いわけではないなと思い直した。
ポップでコミカルでカラフルなコメディに仕上げたことで、監督が言うように作品へのハードルは下がったけれど、同時に色々なところで踏み込み不足だったよね。
映画的な刺激が足りなかった。
とはいっても、非白人に対するヘイト熱が高まっているアメリカに対する啓蒙という意味では上手く出来てると思う。
実際に伝わるかどうかはわからないけどね。
悪ふざけ
ヒットラー・ユングフォルクの少年とユダヤ人少女の奇妙な出会いが綾なす戦争の悲劇を度を越えた悪ふざけのブラックコメディに仕上げてしまった、特に精霊のように出没するヒットラーのでてくる前半は観るに堪えない、確かに子供まで兵士にするのはナチスに限らずイスラムもそうだし、日本だって学徒動員、特攻で多くの若者を殺しているのだから人類そのものの持つ愚かさ、根の深さに思えます。
タイカ・ワイティティ監督はユダヤ人なのにヒットラーまで演じています、ヒットラーが如何に愚かな人物だったかを描くのに熱演していましたがジョジョにだけ見える妄想の象徴にしたのは何故なんでしょうかね、どうも深刻さを笑いに変えたいという演出手法や子供を巻き込んだ映画作りには、ヒットラーの手法そのままではないかと抵抗感が否めませんでした。
おねショタとしてみればいい……のか?
ナチス大好き少年がユダヤ人をかくまうことになって成長していく話
まず、役者の演技が素晴らしく、あどけない少年役を演じた子役とイマジナリーヒトラーとのコミカルな会話が面白かった 美術も素晴らしく、前半はビビッドな赤が映える絵本の中のようなようだったのに、後半は連合軍の侵入で灰色の退廃的な画面になってきたのが、印象的だった
ただ、この映画の中のユーモアが文化の違いなのかいまいち理解できず笑えなかった むしろ、無垢な少年から見た世界の表現だということは分かるが、ふざけすぎなのではないかと思った
しかし、年上のお姉さんとの交流を通じて、ユダヤ人や世界のことを知っていくというストーリーの流れは見事でいい話だと思った
ポップなファンタジー映画としてのナチス
本作の舞台は第2次世界大戦中のドイツ。主人公は10歳の男の子、ジョジョ君です。ちょっと変わった男の子ジョジョを取り巻く人々も、また変わった人たちです。
【不在の父親】
彼の父親は本作の中では不在です。「出征中」とも「脱走兵」とも言われますが、詳細は不明です。
【進歩的な母親】
彼の母親は自由と芸術とワインと音楽とダンスを愛する進歩的な女性です。実は反政府活動家であり、ユダヤ人の少女を家に匿っていますが、息子には一切秘密を打ち明けません。自分の息子を怪我させた責任をといつめ、ナチスの将校であるキャプテンKの股間を蹴り上げますが、なぜかそのキャプテンKからは「とてもいい人」と評価されています。その理由は分かりません。私の感じた最大のなぞは、自分の息子がナチス思想に心酔していくのをなぜただ傍観しているのか、ということでした。
【死別した姉】
彼には死別した姉がいたようですが、「インゲ」という名前以外は詳細不明です。
【格下の親友】
彼には「ヨーキー」という名のメガネをかけた肥満児の友人がいますが、ヨーキーのことを自分より格下と見ていることが、ジョジョの言動から伝わってきます。それでもヨーキーは気を悪くすることなく、変わらぬ友情をもって接してくれます。ジョジョとヨーキーは一緒にヒトラーユーゲントへ入隊します。ジョジョが負傷し除隊になっても、どうやらヨーキーは訓練に耐えて正規兵に昇進したらしいです。「添え物」的なキャラクターですが、外見とはうらはらに、根性も能力もある子供のようです。
【イマジナリーフレンド】
ジョジョの傍らにはイマジナリーフレンドとして常にヒトラーが侍っており、相談相手になってくれます。
【年上のユダヤ人少女】
両親は収容所に送られ、自分だけがなんとか逃げ延び、ジョジョの母親に匿われる少女。偶然ジョジョに見つかり、2人だけの対話を続けていきます。
【キャプテンK】
ヒトラーユーゲントを指揮するナチスの将校ですが、酒浸りで同性愛者でもあるようです。かれはどうやらドイツの敗戦を予感しているらしく、自暴自棄的な言動を見せます。
【ジョジョ】
ヒトラーに心酔してはいますが、うさぎを殺すことができない優しい男の子です。手榴弾の事故で顔と脚に大怪我を負ってしまいます。父親が不在であること、内気であること、ヒトラーユーゲントを負傷除隊になったこと、顔に傷が残ってしまったこと、かれの自尊心は傷ついてしまいます。そんなナイーブな男の子です。ユダヤ人の少女と出会うことでかれは大きな葛藤に陥ります。ナチス党員として少女を突き出すべきか、ナチスを裏切り少女を守るべきか。少女を突き出すことは、匿っていた母親も突き出すことになります。少女に対して恋心を抱いてしまったジョジョはナチスを裏切り、終戦を迎えます。相手の運命を握った庇護者としての強い立場から、ただの年下の男の子へ。ナチス信者という呪縛が解け、少女との立場が逆転したことを受け入れたジョジョ君でした。
それはいいとして、問題はリアルの世界では親を突き出す子どもたちが大勢いたという重く残酷な事実です。純真な子供は一度洗脳されると、簡単に解けるものではないということだと思います。その点、本作のジョジョ君の洗脳は幸いまだ浅かった、ということでしょうか。現実の出来事の重さに比べ、どうしてもファンタジーである本作は軽く感じられてしまいます。
本作の最大のスリルであるゲシュタポの家宅捜索シーン。ユダヤ人の少女が姉「インゲ」を演じてなんとかやり過ごしますが、やや強引な設定に感じてしまいました。
ただし、本作はなにしろ美術が素晴らしく、どのシーンをとっても背景や衣装が凝りに凝っています。そこだけ観ても十分楽しめる作りになっています。その美しさが敗戦でボロボロになってしまうのがまた、効果を上げています。
さらに俳優たちの演技が素晴らしいです。特にジョジョを演じたローマン・グリフィン・デイヴィスさん、アドルフ・ヒトラー役で監督でもあるタイカ・ワイティティさんの熱演なくして本作は成立しなかったでしょう。
いずれにしろ、ポップなファンタジー映画としてナチスを描くなんて、ユダヤ人の母を持つタイカ・ワイティティ監督にしかできないはずです。
良い人生とは笑顔で踊れること
全てを体験せよ
生きることを楽しめ
小さなジョジョがカッコいいパンクな男の子になっていく
最後のボウイーのヒーローズ
You deserve it!
前半のナチス党員たちがユダヤ人とドイツ人を比べユダヤ人を否定するところ2023年10月7日から今11月19日毎日パレスチナガザがイスラエル軍に攻撃され殺戮が行われる中、ユダヤ人をパレスチナ人と置き換えれば今の話となるのだ。
コウモリやなんかに例えられていたが、「イスラエル」人はハマスつまりパレスチナ人を動物も大臣から若い女性までテレビのインタビューで公然と言っている。
ジョジョの聡明で美しく明るく希望に満ちた母親は人生を楽しめ生き抜け大人になって楽しいことをしろダンスしろと言ってジョジョやエルサを励まし導いたが、およその80年何の意味があったのか。人間は人間としてなニカを成し遂げたのか。
人を信用すること、と母親は語り、殺されたが、今生きてる意味を失わせているなすすべもない私たちは涙と途方にくれる。強く勇敢なウサギになるにはどうしたら良いのか。
今、でない時に観ていたら違う感想を持てたであろう。でもだからこそ今観て大いに恥じるしかない。
スカーレットヨハンソンがやはりすばらしく、ナチスのジェームズブラウンも素敵な演技だった。
着想、キャラクター、音楽、ユーモア全てよい。
いや〜〜、驚かされました。 このテーマを?このノリでやるの?正気?...
いや〜〜、驚かされました。
このテーマを?このノリでやるの?正気?ほ、本当に大丈夫??監督勇気あるなァ…という戸惑いのオープニング。「英語かい!」と一瞬ズッコケましたが、見終わってみれば違和感無し。むしろドイツ語版「I wanna hold your hand」で始まるのが秀逸。10歳児のヒトラーへの親しみや憧れのような気持ちと重なって、これ以上無いキャッチーな雰囲気で導入は成功しています。全体として戦争を扱った作品にしては新しいというか(チャップリンとかいるけど)、これだけ高い評価なのはやはり素晴らしいバランス感覚ゆえだと思います。ちなみにスカーレットヨハンソンは母方が東欧系ユダヤ人移民、監督のタイカワイティティは母方がロシア系ユダヤ人でご本人はニュージーランド出身。単純にあーねとすんなり納得しちゃう所もあり。このノリをそのまま日本人がやったらダメに決まってますよね、はい。
現在は、ウクライナやロシア、イスラエルとパレスチナの紛争(戦争?)など毎日テレビで見ない日は無く、SNSを通じて若い世代も現実の身近な問題という認識になりつつあると思いますが、戦争映画って昔のことってイメージ大きいし、悲惨で重いのでとっつきにくさが正直あるので、この作品は歴史に関心をもったり、ずっと忘れないために、より多くの人たちと「今」や「これから」を考えるためにも、とても良いきっかけになるんじゃないかなと思いました。
久々にガツンと来ました。
最初、イマジナリーフレンドがヒトラーはとんがってると思った。知識な...
最初、イマジナリーフレンドがヒトラーはとんがってると思った。知識なく映画を見た。
序盤は少し嫌悪感を感じた。昔のおかしさをわかりやすくしてるけど気持ちよく笑えないし、どう見ればいいのかと。
当時の当たり前を今やると、ありえないと思ってコメディになる。
ふくよかな女性の言ってることとか、挨拶が滑稽に感じるとか。ジョジョの信じてることとか。
映画が笑ってるのはナチのこと。おかしさと緊張感がずっとある。
当時のドイツを描くなら、ヒトラーを好意的に思ってる国民がいるのは当然で、主人公はとても影響されてる子。
でも映画で今まで見たことなかった気がする。
大尉は同性愛者と感じるとこがあった。
お母さんや大尉は戦争が終わるのを待ってたのに残念だ。
お母さんと過ごした時間が、ジョジョを優しい子にした。土手行ったり自転車乗ったり、踊ったりおしゃべりしたり。
誰かを攻撃するより、好きな人と楽しく過ごすのが大切だと感じられるように。
見終わった後、ジョジョ・ラビットというタイトルがいいなと思った。
臆病者という不名誉な理由でつけられたあだ名だけど、見終わった後の意味は優しい子だ。
最初ジョジョは無知で教えられた通り信じ込んでる素直な子。
知ることで考えを変えられた。
知り合いでもないヒトラーの言ってることより目の前のユダヤ人のエルサとの経験。
美術が美しく色が鮮やかで教訓のこめられた絵本のような映画。
聞いた知識で敵だと判断するのは違うし、自分で知ることで考えは変わる。
もし経験から嫌いになっても、攻撃はいらない。
大事な人と楽しく過ごす方がいい。
他の映画でも思ったけど、やっぱ見た目では見分けがつかないんだ。
友達のヨーキーも可愛くて、無事でよかった。
最後のダンスは嬉しくて泣けた。
感想メモ
良かった
女の教官リアル感あって好き
お母さんが死んでるところが好き、淡々とした感じ
お腹の中で蝶が羽ばたいてる
最後ダンスのシーンは涙無しに見られない
David Bowie!
こんな素晴らしい映画があったなんて!
ナチスドイツ政権下で自分の信念を貫き、
ユダヤ人や子供たちを守る、ドイツ人の大人たち感動です。
人として、自分という1人の人間として、
何をしたいか、何をするべきか。
たとえ死ぬことになろうとも、貫くべきは自分の信念。
ナチスドイツの戦時下を露骨に描きつつも、
コメディ要素ありで、ポップなテイストも好きです。
「今日もまた生き延びた、それでいい」
明日死ぬかもしれない、そんな厳しい世の中でも、明るく今を楽しく、自分に正直に生きる人たちに、生きる希望をもらいました。
戦争に行く男、家を守る女、大人、青年、子どもたち、
戦時下のそれぞれの戦いと生き延び方が描かれてるのもいい。
私もたくさんの大人に守られながら
子供から青年、そして大人になったのだなと思うと
周りの人への感謝が溢れます!
私もまた、今日を生き延びよう。
今だからこそ観てもらいたい
全体を通してコメディータッチで描かれ、主人公ジョジョにだけ見えるヤンチャでまるで子供のような総統と一見楽しげに見えるが、これは年端も行かぬ少年までもが政府のプロパガンダによる洗脳を受けていることを意味する。
ジョジョの回りには、強く美しい母親、面倒見のよい上官、達観している友人、そしてジョジョの初恋となるユダヤ人の少女と魅力的な人物が登場するが、物語は悲しみへと進んでいく。
自分達とは違う人、よく分からない人たちのことを、こういう人たちだと聞いたから、きっとこういう人たちなんだろうと実際に見ず憶測で決めつけてしまうことの恐怖。直近の世界情勢を考えると冒頭のコメディー部分ですら涙が止まらなくなる。
ユニークなシリアス映画
上映中から評判がめっちゃ高かったからずっと見たかったけどどこにも配信されてなくて、Disney+にきたからやっと見れた。
主人公の男の子がかわいい。想像上のアドルフのタイカワイティティが似合ってる。母親役で息子の思想を否定しないで密かに反戦運動を行っている気丈なスカーレット・ヨハンソンがぴったり。終盤は笑いどころがほぼなくシリアスな雰囲気に。
サム・ロックウェルが良い役だった。
ユダヤ人がお姉ちゃんと偽って、誕生日を間違えても見逃してあげたり、最後男の子を庇ったり、、。
アルフィーアレンとサム・ロックウェルはゲイの役だった。
当時のゲイはユダヤとほぼ同じ扱いを受けるため隠していたらしい。
スカヨハが吊るされてるシーンで靴だけ映されるのは作り方が上手だなと思った。それまでのシーンに靴がよく出てきたから一瞬でわかった。その時の男の子の演技がとても良かった。
母が伝えた愛
人生で一番感動した映画。
第二次世界大戦真っ只中のドイツを内側から描き、観客に愛を伝えたこの映画に出会えて本当に良かった。
全体的に重いテーマであるが、色鮮やかで可愛らしいテイストでタイカワイティティでなければ撮ることは難しかったのだと思う。
登場するキャラクターも全員魅力的で主人公のジョジョはナチスに傾倒しているが家族を愛する可愛らしい男の子でその友達のヨーキーは出てくるだけでほのぼのした。
ジョジョの家に住むユダヤの少女エルサも賢く強い精神で生き抜く強さを感じた。ジョジョを見守る母ロージーはこれまで観た映画で最も強く愛に溢れていた。
自分が最も好きなキャラクターであるキャプテンKは誰よりも勇敢で優しさがあり、その最期には涙が止まらなかった。
その他にも賑やかで愛すべきキャラクターが多く、これだけ全員のことを好きになる映画はないと思う。
ストーリーとしてはジョジョが経験するにはあまりにも辛い現実が次々と起こり、当時について深く学ぶきっかけとなった。
テーマがテーマだけにどうしても暗く重いストーリーになっていたが、最後には力強く希望を見出してくれる映画だった。
〔ベストシーン〕
デビッドボウイのドイツ語版heroesが流れ、ジョジョとエルサの残された2人がダンスをする最後のシーン。このシーンで母が命をかけてでも伝えたかった愛が確かに2人に伝わったのだと分かり、温かい気持ちになった。
大人の責任
子供というのは、全くの無知の存在で、母親から生まれます。そのため、育つ環境によって、価値観や当たり前がそれぞれ変わってきます。それは、ごく普通で当たり前のことであるが、子供を育てる上で関わる親や教師などが背負うべき責任である、そんなテーマがヒシヒシと伝わってくる映画でした。
また主人公ジョジョの成長を靴紐を通して分かりやすく見せてくれるシーンが素晴らしいと感じました。スカーレット・ジョハンソン演じる母ロージーは、自身が反ナチスでありながらも、ナチスであるジョジョを否定することはなく、息子の仕事を応援するなど、自らの意見を押し付けることをせず、息子巻き込まないようにし生活を守ってあげていました。しかし、ユダヤ人を匿って処刑された人々を見るシーンではしっかりと、ジョジョに現実を見せつけ、すべきことをしなさいと、社会に飲み込まれずに自身で考えるように促していました。母親として完璧であったがため、ロージーが処刑されたシーンでは、川辺で意味深に映されていたロージーが履いていた靴を写すことで母が死んだことを視聴者に見せた。本当に悲しくなりましたね、、、
エルサに関するシーンも良かったですよね!登場シーンで、今まで教え込まれてきたユダヤ人と自分が今見ているユダヤ人が全く違い、同じ人間であることを強制的に理解させられる。そして、エルサと会話を繰り返し、少しずつ知っていくことで、洗脳からの脱却をみせ、ジョジョ自身の成長も感じられました。これらのシーンより、監督の人種差別に対するメッセージが強く感じられましたよね。
今回は少し長くなりましたが、個人的に素晴らしい映画と出会えることができたと感じています。私自身まだ学生であり、将来的に結婚し、家庭を持つ前にみれたことが本当に良かったと感じる映画でした!
感情全部入り映画😄
なんだろう、おかしくも悲しい物語。
登場人物が皆非常に魅力的だった。
前半のジョジョの明るいお馬鹿なキャラクターは凄く愛すべき姿だった。
ヒトラーを盲目的に愛する子供で、心に親愛なるヒトラーがジョジョにアドバイスを
するなんてアイデアがすごい。
家にはユダヤ人の少女、母と父は反政府活動。
こんなハードな設定でどうやって明るく行くのかと思ったら
後半意外にも重い話に。
前半との落差がすごかった。
実際歴史はドイツが負けるわけだけだから仕方ないけど。
飽きることなく話がドンドン展開。
笑いも悲しみも怒りも全部入り!
最後まで飽きずに見られました。
完璧な物語だったと思う😆
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