ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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男の子の友情、そして恋心と戦争
本来ならユダヤ人側から見たナチス映画が多い中、こちらは逆でナチス(ファン?の男の子)から見たユダヤ人。しかも年上のユダヤ人女性に恋をしてしまう。この意地っ張りな姿がまた可愛い。
妄想のヒットラーもまたユーモアあり、お友達とのピュアな友情にも心が温まる。
話しの進め方もメリハリがあり非常に良かった。大佐や母親も素晴らしい脇固めで物語に花を添えている。皆が主人公だ。
ピュアネスの詰まったチャーミングでハートウォーミングな大冒険に出よ...
ピュアネスの詰まったチャーミングでハートウォーミングな大冒険に出よう! そしてボクたちは踊るんだ! 天才タイカ・ワイティティがまたも彼特有の温かな眼差しでやってくれた。彼の紡ぎ出す世界観はいつもながら本当に素晴らしいし心掴まれ気持ちが高揚する。クスりゲラゲラと笑っている内に愛しきキャラクター達に感情移入し揺さぶられ最後は光の射す方へ、こんなの最高だろ。『マリッジストーリー』とのオスカーWノミネートも納得の母親(父親?)役スカーレット・ヨハンソンに個人的に大好きで今回もやさぐれいい人ポイント稼ぐサム・ロックウェル、いつも通りのコメディエンヌっぷりレベル・ウィルソンまで豪華役者陣のとことん温かな気持ちにさせられる名演技も必見。けど本当に驚きなのはそんな周りに負けず劣らずの輝きを放つタイトルロール役ローマン・グリフィン・デイビス君! おかげで少年の歳上女性の初恋物語としても見応えあり。
本当に優しく特別な時間。魔法にかかるワイティティ節、残酷な現実も。ナイフや靴紐といった小物使いも印象的。監督自身がノリノリに演じるヒトラーの存在然り見せない説明しないのバランスも絶妙。だからこそスローモーションやモンタージュといった王道な手法も彼にかかれば小粋に時にエモーショナルに効果的にいきてくる。靴や服といった衣装もステキすぎる。選曲もビートルズの「抱きしめたい」にデヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」(ジュヴナイル永遠のアンセム!で冷戦だけど歌詞にもマッチ?分からぬ人は『ウォールフラワー』も見ておくように)と当時だからこそあったドイツ語版を使っているの上手い。ヨーキーは不死身。去年の東京国際でチケット取られなかったから、やーっと見られて良かった。小さなことは大きく、大きなことも小さく、誰も置いてきぼりにしない心地よい風通しの良さ。終わり方ラストシーン本当に反則最高キュンキュンワクワクどツボ100点。ウインクしてチャッとクリック音
だからサム・ロックウェル推し2
Everybody's Gotta Live by LOVE
Yoohoo Jew おーいユダヤ人
いくつになっても観たい映画
ヒロインの女の子が悲劇のヒロインじゃなくて強くて一筋縄じゃいかない...
妄想ヒトラーなんて要らなかった。これは純愛映画である。
また見よう
お母さんがカッコイイ
センス溢れるお洒落な映画!
コメディなの?メルヘンなの?社会派なの?何なの?
1.英語! 2.「ハウルの息子」との違い。
お腹の中の蝶々が舞う気持ち
異色の反ナチ映画の傑作
ブラックコメディとヒューマンドラマが見事なまでに融合した、とてもメッセージ性の強い稀有な傑作。無垢であるが故に危なっかしい10歳の少年ジョジョが、母ロージーや壁の住人エルサに啓発され、ナチスの邪悪さに気付く成長の過程を自然体で演じたローマン・グリフィン・デイビスには驚かされる。ジョジョが空想上の友達ヒトラーを窓から蹴り出すシーンは痛快。聡明で機転が利き、いざという時の度胸があり、クールな優しさでジョジョの心を解きほぐしていくエルサを演じたトーマシン・マッケンジーも素晴らしい。アンネ・フランクを彷彿とさせるエルサだが、生き残ってジョジョとダンスを踊るラストには、大いなる希望が感じられる。ジョジョを大きな愛で包み、強い信念と勇気でユダヤ人エルサを自宅に匿い、反ナチ活動に身を挺するロージー役のスカーレット・ヨハンセンの抑制された演技には脱帽。ナチスの崩壊を冷静に感じ取り、ロージーやジョジョそしてエルサに温かい眼差しを注ぎ続けたサム・ロックウェル演じるクレンツェンドルフ大尉に魂の安らぎがありますように。
愛は最強
途中から良かった。それまでは退屈。
アカデミー賞にノミネートされたり、チョビ髭が面白そうなので、鑑賞した。
おもいっきりのコメディで、お腹を抱えて笑いたいと思っての鑑賞だが、ジョジョの自宅に捜査員が来る辺りまではかなり退屈だった。ユーモアで笑わそうとはしてるけどあんまり笑えない。パラサイト半地下の家族の方が面白い。
ヒトラーの面白そうな姿が広告に使われていて面白そうに見えるが、面白くない。後半は逆に面白さ(笑いではないけど)が出てくる。
ヒトラーがユダヤ人を虐殺していたのは有名だけど、子供の心まで歪んだものにしてしまっているのは、当時のヒトラーは凄い影響力だったなと改めて思う。映画冒頭にヒトラーに対して右手をあげる人々の当時の映像が流れるが凄い時代だ。
ジョジョがユダヤ人には角があるとか、コウモリみたいに逆さになって寝るとかを信じてしまうのも無理がない。
捜査員が自宅にやって来ると、ジョジョの描いた絵を捜査員が見つけるのだが、その絵はユダヤ人の姿がいくつも描かれていて、その姿は完全なモンスターである。
映画のなかでヒトラーが出てくる。ジョジョの側に良く現れるのだが、このヒトラーはジョジョの中にあるナチスへの忠誠心を具現化したもの。最初はジョジョと共鳴しているのだが、ジョジョがだんだんとナチスに疑問を抱えていくと、最終的にはジョジョに蹴られて消えてしまう。つまり、反戦映画。
処刑された母を見つけるシーンは、悲しくなった。隣の女性の観客は涙を流していたようだ。それくらい悲しいシーン。
あと、ジョジョが描いた母と自転車に乗った絵を写すシーンと、隊長が銃殺される(銃声だけでおそらく射殺されただろうと思う)シーンも感動シーンだと思う。
本作がアカデミー賞脚色賞を受賞した。作品賞は取れなかったが、パラサイト半地下の家族の方が面白いから仕方ないと思う。エルサが壁の奥にいるのは、地下にいるパラサイトの住人ぽくて、うっすら内容が被ったと思った。ヒトラー役の人が監督であったと、観賞後に知った。
評価については、前半は退屈で3、後半盛り上がり4。3.5~4辺りだけど4にしておく。
ストーリーは以下。
起
第2次世界大戦中のドイツが舞台。
主人公は10歳の男の子ジョジョ。彼は純粋なナチ信仰。4人家族だが、父は出兵し姉は死んでいるので、母との二人暮らし。
ジョジョは訓練隊(作中なんと呼ばれてたか忘れたけど、子供を兵士に育てるためのグループ)に入る。隊長の指示のもと、ジョジョはいろいろな訓練を経験する。彼の側には常にヒトラーがいて、ジョジョを励ましてくれる。
ある時、ジョジョは教官の先輩兵士からウサギを殺すように指示されるが、優しいジョジョにはそれが出来なかった。この一件以降、ジョジョはジョジョラビットと皆から馬鹿にされてしまう。
そのあと、隊の子供たちは投てきタイプの爆弾の使い方を教わることとなるが、男を見せるためか、ジョジョは指導役の先輩から爆弾を奪い投げて見せるが木に当たって跳ね返り自爆してしまう。
承
重症を負ったジョジョは皆と離れ、自宅で母と生活することとなる。母が不在の時に、2階から物音が聞こえたジョジョは、2階を調べると壁の奥に隠れる少女を見つけてしまう。少女(と言ってもジョジョより年上)はユダヤ人で名前はエルサ。母が匿っていたのだ。
ジョジョにとってユダヤ人は悪魔。すぐに通報しなければならないが、少女に「自分を通報すれば母親も死刑だ」と脅され、抵抗するのをやめてしまう。
ジョジョの母は戦争には反対の立場だ。こういった思想は当時のドイツではNGのようで、見つかれば死刑になってしまう。
戦えないジョジョはロボットの姿をして町中から鉄を集める仕事をしていた。その際に、ジョジョの母が戦争反対のビラを配っているところを目撃してしまう。
転
ある時、ジョジョの自宅に捜査員がやって来た。そこに隊長も訪れた。ジョジョからすると、2階にエルサがいるわけだからドキドキものだ。捜査員が1階を隈無く探していると、2階から物音がする。捜査員が2階に行くとエルサが現れ、自分はジョジョの姉だと名乗る。隊長に身分証明書を渡し、誕生日を聞かれると5月1日と答えた。隊長は身分証明書通りだと答えた。またジョジョが書いたユダヤ人を馬鹿にした本が捜査員の目に留まり、結果、何事もなく捜査員たちは帰っていった。
ほっとするも、ジョジョが街を歩いていると、処刑された母を見つけてしまう。しばらく母の遺体の前(遺体と言っても首吊りのまま。)で座りこむ。
ジョジョは自宅に帰ると母が殺された怒りからエルサにナイフで刺してしまうが、座り込んでしまう。
結
戦争で見方のイタリアが負けたそうだ。ヒトラーも自殺している。ジョジョの街もいよいよ銃撃戦が始まった。銃撃戦が終わると、ジョジョは捕虜となるが、隣には隊長がいる。隊長の気転でジョジョはその場から解放された。隊長たち捕虜はその場で射殺される。
自宅に戻るとエルサに戦争はドイツが勝ったと嘘を言う。ジョジョはエルサが家を出ていかれたくないようだ。ジョジョとエルサは外に出ると、アメリカの国旗を掲げた車が走り、ドイツが負けたことが確実視される。エルサはジョジョの頬をビンタすると、二人は踊り出してエンディングを迎える。
これは、観た方がいい
国が違えば戦争描写も違う。
どんなにコミカルに描いても、戦争そのものの残酷さ、
そしてその時代を生きて、すべて受け入れなくてはならなかった子どもたちの痛々しさは、
共通なのだろう。
気が狂うことすら許されない。
ちょっとだけ気が弱かった。
ちょっとだけ人より優しかった。
そんな10才の子供が、
国レベルで制裁しているものから、たったひとつを守り、
そして果敢に戦った。
偉かった、偉かったよジョジョ。
母のレースアップシューズを一生懸命結ぼうとする場面で、
覚悟を決めなくてはならなかった。
虚構のアドルフと決別しなくてはならなかった意思も偉かったよ。
たった10才の子供を主軸に描く戦争という時代。
キャプテンKの英断に胸が締め付けられた。
サム・ロックウェル、スリービルボードの時も同様のイイヤツだったから、
もう今後彼が悪役やっても、
どこかでひっくり返ることを期待してしまうwww.
しかしスカヨハの使い方が乱暴でなんだかポカーンとしてしまったw
この作品のラストカットがとにかく良かった。
あまりにナチュラルで、少しずつファニーな二人に、
私も踊り出したくなった。
リルケの詩がすべて...
愛おしい
愛おしいと思わせてくれるキャラがたくさん。ジョジョはもちろん、ヨーキーもママもエルサもキャプテンKも。劇中でジョジョも言っていたが、ヨーキーは死んだと思ってた。生きてて良かったよ。
冒頭のビートルズでいきなり掴まれた。
ジョジョが「ヒトラー、万歳!」状態からエルサとの交流によって段々と変わっていく姿を描いているが、最終的にジョジョが変われたのはママの教育あってのことだったのではないだろうか。自分の思想を押しつけることなく、ジョジョを尊重して自らで考える余地を与えるような教育をしたおかげで、ユダヤ人のエルサと共生する事への転換をうまくすることができたのだと思う。そうでなく、思想を押しつけるような教育をしていたとしたら、あのように素直に状況を受け入れてエルサと共生していくという決断は難しかったのではないかな。
成長して行くにつれ、ママが言っていたことが分かるようになる。そうなれば、ジョジョは温かみのある素晴らしい大人になれる。
ママの息子への愛ある教育が新たな愛を生んだ。そして、愛は受け継がれていく。
『愛は最強。』
とても良かった。
P.S.
キャプテンKは同性愛者なのでは、というレビューを読んでハッとした。確かにそう考えればエルサを見逃したことやジョジョを導いたこともよりすんなりと頷ける。自分の拙い感性では気がつかなかった...
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