ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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この悲しみは永遠と語り続けなければ
悲劇を笑い飛ばしてしまうような出だしに、正直、ものすごーく不安を覚える。これは単に史実をパロったコメディ映画に過ぎないのではと─。
結構笑えるけど、なんかお寒い・・・。これでは全然笑えない。それどころか、怒りさえ覚えるかもという危惧さえも・・・。
しかし、そんな心配が無用なくらい泣いた。これほどまでに悲しくて、戦うことが無意味に感じた戦争映画はない。
やったらやり返すような構図は全くない映画で、心のわだかまりが晴れることは全くないのだけれど、積み重なっていく不安や悲しみといった感情が何かのきっかけで決壊して、そこから最後まで自分の目からは涙があふれ続けた。
映像の美しさやコミカルさは、この悲しみを中和するためのものだと勝手に解釈。
こうやって風化させることなく過ちや悲劇といったことを語り継ぐことが重要なんだとつくづく思うと同時に、この作品の志みたいなものを強く感じた。
映像と音楽の調和度も素晴らしくて、そのせいで余計に涙が出た気がする。
色んな知識や工夫でもって、戦争を愚弄してくれた、素晴らしい映画だった。
良かったです。
ストーリーが凄く良かったです。
ローマン・グリフィン・デイビスの可愛い演技が、魅力的でとても良かったです。
監督のヒトラーも笑えて良かったし、母役のスカーレット・ヨハンソンの演技も素晴らしくて、流石アカデミー賞にノミネートされているだけあった。
心温まる映画だった。
良かった👏
冒頭からジョジョとジョジョの想像上の友達アドルフ・ヒトラーの鼓舞の掛け合い?に楽しい気持ちになり、家から飛び出した途端に流れてくるビートルズの曲にウキウキしました!
街並みや可愛らしい男の子2人に癒される。
ママ役の方演技がお上手です。いいキャラ出してる
泣けるし笑えるしとても面白かったです!
観て良かった
スカーレット・ヨハンソンにベストマザー賞を🏆
JOKERと同時期にトロント国際映画祭で観客賞を取った時に、先ずストーリーから、これは見たいと期待していた作品!
10歳の主人公ジョジョの目を通し戦争と人間の本来の在り方を考えさせられた気がした。戦争ものなら普通は重く悲しいテーマやストーリーになるところなのだが、監督は「シェアハウスウィズバンパイア」「マイティ・ソー バトルロイヤル」等で独自の世界観とユーモラスを得意とする。タイカ・ワイティティ監督ならでわの手腕がピカイチに光っており!頭から妄想の親友ヒトラーと対話するシーンは、かなりぶっ飛んで!しかもヒトラーを監督自身で演じてるから尚面白い(笑)
ユダヤ人に対するかなーり濃いめのブラックコーヒー並のジョーク💦やなんかも目立って、バックではビートルズの曲が流れたりと時代背景を感じさせないところも、また斬新で冒頭から前半は脳内麻薬か葉っぱやってるんじゃないかと言うような勢いから、ユダヤ人の女の子や母親との関係、特にスカーレット・ヨハンソン演じる母親にはベストマザー賞があるなら贈りたいほど一人の母、そして父親代わりと息子を愛する気持ちがとてもよく表されて良かった。
ジョジョの子供なら誰しも幼少期の妄想に狂うかのようなナチ狂から本来の心優しい子供という一時の成長を微笑ましくも切なくユーモラスに描きラストあたりはウルっと来てしまったが、そこは泣かさず気持ちいい締め方で終わらせてくれたタイカ・ワイティティ監督の才能とセンスを感じざる得なかった。タイトルともなっている、ジョジョラビット、冒頭でヒトラーがジョジョに言った言葉もラストでは対になって愉快痛快で本当に気持ちのいい作品であった。
どんなに悲しみを背負っていたとしても、自分を支えてくれる物、自分を包んでくれた人や思い出、心を寄せる宿り木になれる場所があるから人は前へ歩き出せる。一歩一歩踏みしめて歩いていく事ができる。
悲劇的な話題を少年の目を通して
戦争映画は見られない。本当に辛くなって怖いから。ジョニー・デップの大ファンの私は「プラトーン」をずーっと見られなかった。戦争映画で見てみたいのは「グッドモーニングベトナム」でもそれも怖かったらと思ってみていない。でもこの映画、ナチスドイツを崇拝する10歳の少年の物語。
兎に角、その少年が可愛い。金髪巻き毛の白人少年。オーディションで一発合格したのもうなずけます。そしてその少年がヒトラーを崇拝し、頭の中に彼を描き、いつも一緒にいる。(私が今、フレディマーキュリーとジムハットン、ディライラといるみたいに・・・)その幻想を描く姿に、私そっくりと思い映画を見ようと思った次第です。
その少年が子供たちを集めた少年兵の訓練に参加し、ナチス軍の兵士を目指します。ところがまだ10歳の少年の彼は・・・。
少年たちのやんちゃな日常に暗い影を落とし、ヒタヒタと迫りくる戦争。そんな中、ジョジョ少年は自宅で凄いものと遭遇。そしてそれが彼を次第に大人へと導いていきます。現代でも世界中の様々な場所で起きている戦争、その戦いの被害者はやはり、弱気者。特に子供たちは、これからの未来を生き、新しい世界を作っていく存在。その彼らをどうか幸せにしてあげて欲しい。そして大人たちも。やはり戦いのない世界をと思う作品でした。
これがオスカー作品賞だといいな
ものすごく笑いました。ヒトラーが出てくるんだけどコメディ映画並みに笑えます。楽しめます。
そしてヒトラーが出てくるからやっぱりコメディではないんです。ここが重要です。
娯楽作品でありながら、しっかりとテーマがある。みんなに観てほしいと思います。
明るいけどずっしりくるさ。
ヒトラーを楽しくディスりながら人生はなんでも経験して成長して自分の進む道を見つけるんだ、って。10歳でこんな経験自分にはできないなー、と。明るいけどずっしり気持ちにくるさ。子役達も魅力的で共感できる。意外に自分の意志持ってるし。スカヨハ始め大人達も魅力的。現実を見つめたときのなんと子供達のすがすがしい表情か。
全編英語だけど言葉は通じないってさ
第2次大戦末期、ヒトラーユーゲントに参加したばかりの10歳の少年ジョジョが、母親によって匿われていた17歳のユダヤ人少女をみつけて巻き起こる話。
良く判らない軍人のおっさんアドルフを頭に住まわせ、幼いながらナチズム全開(風味)の主人公がユダヤ人少女と交流していく様子をコミカルに描いてはいるけれど、いくらコメディとはいえ設定や時代背景がめちゃくちゃで、ユダヤ人の悲壮感が伝わって来ずメインストーリーが響かない。
空気感は楽しいものの、主人公だけじゃなくみんな吞気で戦時下らしさもなく、バカ騒ぎしているだけで大して笑えるところもないし。
ボチボチ面白かったのはゲシュタポの件から荒れる前ぐらいかな。
話が話だけに、コメディじゃないと難しかったり重過ぎる内容だからこうした?
まあ、ストーリーの拘りどころが良く判らないアメリカ映画らしいドタバタ感といえばそうなんだけどね。
ストーリーは嫌いじゃないけど、コメディにしてももうちょいちゃんと作られていたら、若しくは、もう少しシリアスにつくられていたら、と勿体なく感じた。
重いテーマをコミカルに
かなり深刻なシチュエーションを、絶妙な塩梅で、コミカルなタッチで描いた珠玉作。まともに描かれたら、残酷過ぎてまあ観れなかったかも。
タイカ・ワイティティ監督、このバランス感覚天才かも。
大戦末期、ナチに心酔する10歳の男の子が主人公。これだけで深刻な設定なのに、作りが楽しく、すぐに世界に入れる。
冒頭、ヒトラーに歓声をあげるモノクロフィルムの女性たち。その映像のバックにビートルズの曲が。この時点でコメディとしてほっとさせられて、物語が始まる。これこそ映画の魔法だ。
ジョジョ役の子の可愛さはもとより、監督扮する想像上のヒトラーや、彼を取り巻く大人たちが魅力的。スカヨハ演ずるジョジョの母親、ヒトラーユーゲント教育係のK大尉、重要な役所のトーマシー・マッケンジーなどなど。
そういえば、評価の高かった「僕はイエス様が嫌い」に似ていて、神様の替わりにヒトラーとなった体裁だ。メッセージもありながら、楽しく見れる素晴らしい作品だと思う。
最高のラストカット
第二次世界大戦下のドイツ、過酷な時代と国を舞台に、10歳の少年が成長する様を描いた良作。
イマジナリーフレンド「アドルフ」の複雑な存在感、シャレにならない戦時の出来事、色々と詰め込まれているけれど、本筋はシンプルなボーイミーツガールの酸っぱくて強い物語。
人が人を想うことの喜び、自由であることの喜びを改めて感じられた。
アドルフのコミカルな振る舞いや少年兵たちの日常など、脚本にはブラックな笑いが多く込められている。
フフッと笑いつつも、時折ふと恐ろしくなった。
ナチスの所業はもちろん知っているので、「これ、笑ってもいいの?」という不安感は常に消えない。
臆病で可愛い子供がナチスの思想にがんじがらめになっている様は、どうしたってゾッと来るものがある。
そうなるしかない環境。
長く帰ってこない父への寂しさや姉の死への悲しみが、優しいジョジョにナチ信仰を植え付けたのかもしれない。
ヨーキーの「僕は中身もデブの子供だよ」という言葉は救いだった。ほっぺをポョポョとさせておくれ。
ずっと信じていたものがエルサとの出会いによって揺らいでくる不安感、一気に崩れ落ちた時の虚無の表現がとても良かった。
乗り越え切り捨てるシーンは、「ヒトラーがイマジナリーフレンド」という突飛な設定でしか描けない、唯一無二のシーンだったと思う。
剥がれかけたビラを交互に押さえるシーンが印象的。
エルサの気持ちとナチスへの忠誠、どちらも両立させるのは不可能であることの象徴のようだった。
二つの間で揺れ動きもがいてみるジョジョ。
二兎を追うもの一兎も得ずでしょう。
この映画の中で、キャプテン・Kことクレンツェンドルフ大尉が一番好きだった。
ゲシュタポによる家宅調査の際、インゲに扮したエルサを見逃した彼。
敗戦の際、ジョジョを逃した彼。
おそらく、部下のフィンケルと愛し合っていた彼。
ナチスは同性愛者も厳しく迫害していた。
ドイツ軍に勤めて少年兵を教育する反面、自らのアイデンティティとナチスの所業とのギャップに苦しんでいたのかな、と思う。
だから酒浸りでなんだか地に足着いてない雰囲気がずっとあったのかも。
ジョジョを逃す際、わざと突き離す言葉を放った彼に涙がこぼれて堪らなかった。
母親の突然の死には流石に唖然としてしまった。
密かな反戦運動がバレたんだろうけど、あまりにも唐突かつあっさりしていて。
最初はジョジョの悪い夢か何かかと思った。
彼女のファッション、すごく好きだったな。
臨機応変のぽっちゃり少年ヨーキーが好き。
エルサの立ち回り方、言葉のチョイスが好き。
ナチナチ少年ジョジョに語る言葉の一つ一つに切実な想いが込められているようで。
外は危険?とても危険だ!ガチャ!のフラッシュバックが好き。
しっかりとした重みのあるストーリーをポップに真っ直ぐに描き、多くを語りすぎない構成が好き。
エルサとジョジョ、二人で姉弟のように生きていくのだろうか。そうだろうな。そうじゃないと!
とりあえず踊ってみる二人、その表情のなんと愛らしく素敵なことだろう。
最高のラストカットだった。
全体を通して、ほがらかな気持ちになれる癒し効果のある作品。 満足度...
全体を通して、ほがらかな気持ちになれる癒し効果のある作品。
満足度は高い。
第二次世界対戦時代の残虐さや苦悩などもきっちり表現されているのだけれど、重苦しさを感じさせないのが、この作品の良さだと思う。
(ジョジョ、可愛い❣️)
伝えたいことは一つ
ナチスヒットラーが残した疵痕がいかに深く深刻なものだったかを感じる。監督の情熱はラスト間近で表出しリアルで情熱的な戦闘シーンを構築。ひねりの効いたストーリーとシニカルな展開は制作者の想いを伝える。
ダンスと音楽 ➡ どちらも最高!
Today,
you become a man.
........................................
Now, Jojo Betzler, what is your mind?
-Snake mind.
And Jojo Betzler, what is your body?
-Wolf body.
Jojo Betzler, what is your courage?
-Panther courage.
And Jojo Betzler, what is your soul?
-A German soul.
いきなりジョジョとアドルフによるドリフのコントなんてそうお目にかかることはないと思うほどそれほど意表を突くお話。それが終わると突然、外にジョジョは飛び出して、♪Oh, komm doch, komm zu MIr...... Komm, gib Mir deine Hand♪ 聞きなれた?ビートルズのいつもの音楽に乗りながらオープニングクレジットが始まるって⁉ 何…この始まりかたは、二度目のハンブルグ公演ででビートルズが本格的始動・・・オマージュなの、えッ!?
ヒトラーユーゲントの教育は徹底していて嫌味に感じる。ジョジョ。トラウマ人間となる。
キバ✙蛇のペロペロ✙ウロコ➡魚と交尾➡ユダヤ人の一丁出来上がり
なんてイメージをベッドタイムでヨーキーとおしゃべり、とその時
♪When I'm lyin' in my bed at night……♪で始まるトム・ウエイツの ”I don't wanna grow up” いいタイミングにピッタリに
ただの靴紐の結べない子供の成長を描いたものだけではない。このタグを見た方はそんなこと本当にしていたのかとあまりの惨さに非道という言葉を信じてしまう。
BEFREIT DEUTSCHLAND
BEKÄMPFT DIE PARTEI
妖精の森から出てきたような年上の少女エルサとの出会いは彼女のこんな言葉から
I'm far too hungry, and you know how much we love the taste of blood.
人の優しさ・・・・・一番のシーン!このシーンは説明するより映画館で
May 7th. What?
She was born on the 7th. わたし、涙腺の蛇口が解放状態となる。
"Jew and Nazi are not friends." 歴史の中では当然の言葉で嫌な言葉
映画が進むとJojoの街も戦火に巻き込まれていく。けど...いい感じのジョジョとエルサのお二人さん。
What's the first thing you'll do when you're free?
"Dance."
窓から見る夜空に爆弾が破裂する様子は、少し大きめな花火のよう。二人は肩を寄せ合います。そしてLOVEの♪Everybody's gotta live And everybody's gonna die なんて自然にサウンドスケープが.....そしてその後
明くる朝、夢が覚めたようにプロットポイントの展開がJojoを追うようにカメラがパーンするとそこには瓦礫の山と化した町が突然現れる。そして彼のことを心配になっている間もなく、次の瞬間砲撃音が一発。その爆撃音や敵の連合国軍の総攻撃に対して怯むこともなく、町の住民が皆それぞれ銃や武器を持ち戦いに臨む。そのラスト。本来なら惨たらしいシーンになるはずが、スローモーションで撮影されたものがあまりにも美しすぎるほど美しすぎて罪を感じてしまう。
リルケの言葉がエンドロール・クレジットとで紹介されているなんて意味があるのはわかるけれどもこの映画監督はただ者ではない。
Let everything happened to you
Beauty and terror
Just keep going
No feeling is final.
それは信じられないほどの映画のインスピレーションと慰めの引用として、 私たちは人生の極限として最高と最低を経験することがある。しかし、私たち自身が経験することを許している人はほとんどいないと同じように 恐怖と同じくらい美を恐れることがあるのだろうか? おそらく、一方を他方から区別できない場合や両方から目をそらしたりした場合、自分自身を葬ってしまうこととなる。
敗北、迷い、無力感を感じるかもしれませんが、永続的なものは存在しないことを言いたい。
二人の自由な会話が、この映画の締めくくりとして幕を閉じます。
Is it dangerous out there?
"Extremely"
..............................................
What do we do now? そして……
デヴィッド・ボウイの “Helden”
♪Du, könntest du schwimmen Wie Delphine, Delphine es tun......
あなたって、イルカのように泳げますか?イルカが泳ぐように
誰もチャンスをくれないけどね
しかし、永遠に私たちは勝つことができます
そして、一日だけなら私たちはヒーロー
余談。あくまでも余談。ひつこすぎる? 監督の名前からニュージーランドの先住民マオリ族の出身だとすぐに気が付いたが...オークランドのダウンタウンをマウントイーデンの方に上っていくといかがわしい通りに出てくる。その通りを少し行くとY.M.C.A.があり、その2階から覗くと小学校があって、警備員が門の前に常駐していた。その学校は、ベンツ・ポルシェ・BMWの最高級車が狭い道路に学校が終わるころには、ひしめき合っていた。日本車って、ありません悪しからず。
多くの人に見てもらえたら素敵だなぁと思います
。。。数日たったのに感想がまとまりません。
ただ素晴らしいものを見た、と。
戦争という恐ろしい世界を描いているのに時折くすりと笑ってしまう愛らしさがあり、テンポが良く軽やかで。こんなにいとおしさが前面に来る戦争映画は初めてでした。
信念と愛をもった母が本当に偉大で。母と父双方を懸命に担って子どもを守り、時代に洗脳されず自身の信念もつらぬいて、本当に強く美しく偉大な愛を注いではぐくんで。。愛は最強というキャッチには泣いてしまいます。
母の愛のほかにも、親友の友愛、淡い初恋、守ってくれた大人の支え、苦しい世界なのにたくさんの愛にあふれた作品で。大人も子供も、多くの人に見てもらえたら素敵だなぁと思います。
自由の素晴らしさを
日経ホールにて試写会鑑賞。
日本人の殆どが生まれた時から自由を持って存在するわけだからどうしても当たり前になってしまうが、こういう作品を見ると改めて自由って素晴らしいことなんだと思わされる。
主人公のジョジョはヒトラーに憧れて軍に入隊することを夢見る少年。ただ本質はウサギも殺せないとても優しい少年。ただヒトラーは偉い、軍に入隊し国に尽くすことがかっこよく正しいんだと生まれた時から国全体でそう育ってしまうわけだ。同時にユダヤ人も悪だと擦り込まれる。
家の中にユダヤ人のエルサがいて彼女との会話の際に洗脳されるという言葉をジョジョは発していたが、すでに国家に洗脳されているジョジョが発言したのはとても印象に残った。
ジョジョはエルサと会話を重ね、時を過ごすとともにユダヤ人への理解を通り越し彼女に恋をした。恋をすると同時にジョジョはエルサに優しく接するようにとても温かい時間を過ごす事になる。
最後はドイツが敗れた。その際はもうユダヤ人がどうだとか周りも関係なくなり自分の事で一杯になる。それと同時にヒトラーへの忠誠心なんかも全くなくなる描写もあった。
洗脳や決められたレールで生きることはとても窮屈であり、同時に簡単に壊れやすいものである。
ジョジョは母から考える自由を与えてもらった。
その自由の先には愛や優しさが待っていた。あのままヒトラー政権が続いていたらジョジョは愛や優しさに触れることなく戦場で死ぬこともあったかもしれない。
そう考えると改めて自由って素晴らしい事だと思わさせれる。縛られた環境の先には限られた可能性しかないが、自由には無限の可能性がある。非常に温かい気持ちで鑑賞し終得ることができた。
「愛は最強」
試写会にて。
どこまでも純粋ゆえにナチズムに染まりきっているジョジョのイマジナリー・フレンドは、極めて分かりやすくアドルフ・ヒトラーである(タイカ・ワイティティのなりきりぶり...あとちょっと腹が出ている...)。時は第二次世界大戦末期、ヒトラーユーゲントの子どもたちも戦闘員として駆り出される時代。
合宿でイマジナリー・フレンドに鼓舞されて手榴弾をぶん投げるジョジョ。どこまでも本当に考えが真っ直ぐすぎる故に、まだまだ機微の分からないジョジョ。怪我の為に戦うこともできず、顔にはフランケンシュタインみたいな傷ができて不満顔のジョジョの家に隠れていたのはユダヤ人の少女...。
子どもゆえに視野が狭く、とにかくなんでも信じ込んでいるジョジョと、様々な経験を重ねたエルサのおかしくも不毛なやり取り。イマジナリー・フレンドたるアドルフの頓珍漢な鼓舞。なんでこんなこと信じてるのかしら...と逆に微笑ましくなってしまったり。
スカーレット・ヨハンソン演じる母がどこまでも格好良い。子どもを愛し、信念を貫き、愛を教える。母の言葉を鬱陶しがるジョジョも、結局のところこの母の心根を受け継いでいることで成長する。ナチズムに染まってしまった息子を母は嘆くが、彼女の愛はきちんと息子に届いているのだ。
ジョジョが少しずつエルサに見せる、ぎこちなく幼い気遣いは本当にかわいい。
前半は戦争、ナチズムを背景にしているが、くすりと笑える展開に仕上がっている。アドルフだってコメディ要員だ。
しかし後半は大変にシリアスな、戦争の描写が続く。
無邪気でただ純粋に、ナチズムを、ヒトラーを信奉していたジョジョの前に突きつけられる現実。子どもも銃を持たされ、殺されていく人びと。前半が穏やかな分、非常にこの描写が効いてくる。
そしてコメディリリーフ要員ながら重要な役割を果たす親友ヨーキーとキャプテン・K。素直さがジョジョとは別のベクトルで発露されるヨーキーの台詞と、ただの面白いひとかと思いきや、大変な思慮と気遣いでジョジョを救うキャプテン・K。サム・ロックウェルで泣くとは...(すみません)。
純粋すぎるが故に視野が狭いジョジョの視界を広げるのは、周りの優しい人びと。ものすごい「愛」の強さ。「愛は最強」。これだ!
ものすごく重い題材を軽やかに、そして繊細に描いたタイカ・ワイティティ監督。そして自らが扮するアドルフ・ヒトラーをイマジナリー・フレンドに設定することで、その考えの歪さを巧妙に物語に組み込む手法は素晴らしかった。そして靴紐と、母の言葉の回収。素敵だった。
ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビス君の表情演技は最高でした。あとヨーキーね...。アーチー・イェーツ君...。彼はくるね...。ホーム・アローンのリブートも彼で決まったらしいしね...。
生きるって素晴らしい!心がダンスする映画
子供の目線から戦争を描くことで、戦争の愚かさや無意味さを伝える映画はよくあるけれど、
この映画を見終わって一番強く感じたのは「生きる」ってことの素晴らしさでした。
素敵なラストシーンに感動(T ^ T)
戦渦にいる人々からしたら贅沢な悩みだと思われるでしょうが、それでも日々を生きていくということは、楽しい事ばかりではない。
平和ボケした日本に暮らす私ですら、辛く悲しいことや理不尽な出来事に、生きていくのが嫌になる時もある。
そんな現代を生きる私達一人一人に、全部飲み込んで生きていく勇気をくれる。
心がダンスしたくなる映画でした。
良くも悪くも純粋なジョジョがとにかく可愛い!
まだ10才なので、強くてカッコ良い大人の男に憧れて、背伸びしたいお年頃…。
父親が不在なこともあり、彼の憧れの対象は立派な兵士。夢はアドルフの側近。
男らしさや勇気をはき違えている狂気な時代にあって、繊細で優しい彼は、心の辻褄を合わす為に妄想のアドルフに叱咤激励してもらいながら、一人前の男として成長すべく奮闘する。
前半に見せる子供らしくてとびきりキュートな表情と
後半に見せる大人びた表情とのギャップ萌え〜(≧∀≦)
覚悟を決めた男の顔にグッときます。
スカーレット・ヨハンソン演じる母親が魅力的!
ミステリアスな美女で、独特なセンスの持ち主。
息子に対しての愛情が深くて、驚くような行動に出ることもありますが、決して過保護ではない。
戦時下においても自分の中に確固とした価値観を持ち続ける強さもさることながら、どんな時でもユーモアを忘れないところが、何より最強だと思えます。
ジョジョの友達のヨーキーが良い味出してます。まるで戦争ごっこのノリ。
実際、社会全体がアイドルに心酔して熱に浮かされたような、リアリティが無い時代だったのかもしれません。
いや、そもそもリアルに考えたら人殺しなんて出来ないですし。
巻き込まれ型に見えるヨーキーですが、どんな状況にあっても意外と腹が座っているので
なんだかんだで生き残って、店とか出して成功してほしいww
監督、はしゃぎすぎ!
冒頭の音楽と映像のモンタージュが映画の世界観をびしっと現す。洗脳からの生還。クライマックスの音楽と演出が、壮絶な悲劇を乗り越えたのちの、素晴らしい未来を予感させる。トロント映画祭で観客賞受賞。ということはオスカーの有力候補である。演劇的なメリハリが心地よいリズム感で物語を進めていく。「意思」がしっかり感じられる作品だ。
全502件中、481~500件目を表示