ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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エンドロールを眺めながら涙が止まらない。
初日に観ました。感動してものすごく泣いたのに、悲しいだけでも嬉しいだけでもない涙の意味が自分でもわからず、2度目も観てきました。
個人的な話ですが、私は20代前半で、子供を見守ることが身近でもなければ、守られる子供の歳でもないので感情移入の方向がよく分からず、1度目観た時はものすごく感動したのに感想が全くまとまらなくなりました。
2度目は観る前に「一旦子供視点になりきってこの世界を見よう!」と思い観ましたが、途中からは「子供を見守る大人視点」になりました。
第二次世界大戦のナチスドイツといえば、圧倒的にタブー要素の多い歴史です。
しかしその時代のドイツ人であろうと、抵抗した人々や、当然全く無知な子供もいました。
そんな時代に、ただでさえ大変な子育てをしているジョジョの母親や見守る大人たちの、穏やかで寛大な様子は、いつの時代のどんな大人でも見習うべき姿です。
正しいと思うことをするのに、怒り狂って叫ぶ必要はない。頭がいい必要も無い。必ず生き延びる必要も、もしかしたら無いのかもしれない。
やるせないことをお酒を飲んでやり過ごし、冷静に見ること。かっこよくウインクをすること。笑うこと。ダンスすること。大切な人に大切だと伝えるために、必ず抱きしめること。
そんな大人たちの愛情深い姿がこの映画で見られる勇姿です。
寛大でありながら愛に溢れていることは、どんな暴力・支配・言論よりも、最強のメッセージです。
レビューなんか読んでないで、はやく観に行ってください。
宝物にしたい言葉や笑顔が、たくさん詰まった映画です。
Be a rabbit. 「愛は最強」
予告を観て「ナチス系のコメディかな」っと思っていたら全然違って、とっても愛情に満ちた作品でした。本作のポスターに「愛は最強」って考えたコピーライターの人スゴい!予告を作った人はコメディ色を強めてミスリードさせてる感じですが、コピーを考えた人は的を得てます。
主演のローマン・グリフィン・デービスくん、サム・ロックウェル、トーマシン・マッケンジー、レベル・ウィルソンにアルフィ・アレンと皆上手くって見所も多いのですが、個人的には本作ではなんと言ってもスカーレット・ヨハンソン。もう出ているシーン全部好き!クレンツェンドルフ大尉蹴りあげる所から、ジョジョとのキッチンで父親を演じるシーンも、エルサとの大人の会話も、川部でのジョジョとのやり取りも。息子に対する愛情をスゴく感じましたし、エルサに対しての大人としての責任感というかカッコいい母親だなぁっと惚れ惚れしました。スカーレット・ヨハンソンっていい俳優さんですよね。やたらと足から登場するなと思ってたら、まさかあのシーンに繋がるとは。監督のビジョンが巧すぎです。
タイカ・ワイティティ監督もジョジョのイマジナリーフレンドの「アドルフ」としてノリノリで演じてましたね。ヒットラーにビートルズを被せてくるこのセンス!当時ドイツでヒットラーがどれだけ人気だったかが一発でわかります。靴紐のシーンといい見せ方上手いですよね。名前が変わってるのでマオリ族の人かなっと思ったのですが、wiki で見たところマオリの父親とロシア系ユダヤ人の母親のハーフみたいです。監督自身ユダヤ人の血が流れているのでヒットラーをぶっ飛ばす本作を作りたかったんでしょうね。また母子家庭だったみたいなので、本人の経験も作品に活かされてるのかもしれません。
戦争映画なのでどれだけでも残酷描写ってできると思うんですけど、本作ではあえてそこは外してあるのが良かったです。例えリアルだとしても残酷描写って観た後しんどくなりますし。あくまでもジョジョからの視点で進む物語で、きっついシーンは暗示させるだけに留めてあったので助かりました。それでも吊るされた母親を見付けたジョジョのシーンにはググッときました。靴紐が結べないのが切ない。
でも最後は「アドルフ」をぶっ飛ばし、好きな女の子の靴紐を結んであげるれるようになって、解放されダンスで締めるという爽やかな終わり方で満足でした。戦時中のボーイ・ミーツ・ガール作品として秀作だったと思います。
私にとっては傑作でした
ジョジョ目線の胸響く演出に唸らされた、コメディタッチな戦争映画
戦争の悲惨な状況、命の尊さ、敵対する立場でも理解深め歩み寄る重要性を、心優しいジョジョ目線で描かれた考えさせられた
ジョジョに寄り添い支える、登場人物との関係がステキで心打たれた
笑いあり涙ありの展開で、戦争通し、いじめから立ち上がる姿も描かれ、現代社会にも通じる問題を分かりやすく説明しており、胸に響く演出に唸らされた
期待のハードルを上げすぎたせいか
果たしてナチス映画として評価できるのか?
冒頭数分は、当時の少年たちが生き生きと生活していた中の話が描かれるのかと期待した。この世界の片隅に、や、ライフイズビューティフルのような、小さな主観を通し、悲惨な歴史を映し出すことで、時代を超えた共感を呼ぶような、そんな作品の予感がしたからだ。
しかし、映画が進むにつれ、少年の主観を描いているようには思えないシーンが続き、次第に乗れなくなった。特に妄想のヒトラーのシーンにがっかりした。ジョジョにとってヒトラーはスーパースターであり、憧れのヒーロー。おどけキャラに描くことが効果的だったのか?ヒトラーをギャグで描くには、本作のように毒の少ないおどけた内容では、現在の右翼が台頭しようとしている世界には物足りない。ドイツ人の少年の目線から見たドイツとしてのリアリティラインがグラグラするので、戦禍を生き抜いた少年少女の悲哀と解放の喜びを感じず、結局、何がやりたかったのかなと。監督の視点を、ヒトラーユーゲントのドイツ少年に重ねているようにも見え、当時のナチスに憧れる少年の葛藤がみえず、しっくりこない。
史実を忠実に描くことが全てではなく作品内のキャラクターのリアリティがあまり感じない点に乗り切れなかった。徹底的にナチスに制裁を喰らわすイングロリアスバスターズの方がよっぽどメッセージ性と作品内のリアリティを感じる。
処刑されたお母さんを見つけるシーンは素晴らしい。足下しか映さないことが子供の視点を見事に描いていた。
笑えないコメディー
子どもの目線だからこそ見える戦争
トロント映画祭で話題になり、アカデミー賞でも6部門でノミネートされている、タイカ・ワイティティ監督作を、渋谷シネクイントで鑑賞。
平日なのにほぼ満席。シネフィルっぽいお一人様が7割でしたが、カップルもちらほらと言った感じでした。
本作は、予告編くらいしか予備知識がなく鑑賞したのですが、予告編の印象と全く違う作品でした!
ハチャメチャ戦争コメディかと思ったら、こんなに泣かされるなんて!!!
まあ、「アレのことは隠しておきたい」ってゆうネタバレ注意案件なので、あんな感じの予告編になるのも納得です。
(…っと思っていましたが、いま予告編を見返してみたら、予告の段階から出てきてましたね。。。)
第二次世界大戦末期のドイツを、10歳のジョジョくんの目を通して描いていて、
(陳腐な言い方しかできませんが)いかに戦争が悲惨で無意味かをあざあざと見せつけます。
それはまるで、妹尾河童さんの「少年H」のよう!!
本作の白眉は、スカーレット・ヨハンソン演じるジョジョくんの母親と、ジョジョくんとのやりとりではないでしょうか。
どのシーンも印象深く、より一層映画の中に引き込まれます。
自転車・靴ひも・ダンス・食卓…、それら全てが物語をより一層色濃いものにします。
いままで演技派路線ではイマイチ当たり役に恵まれなかったスカーレット・ヨハンソンですが、本作を筆頭に2019年度は当たり役のオンパレードで、今後が楽しみな女優さんです。
また、監督タイカ・ワイティティ演じるヒトラー(!)とジョジョくんの掛け合いも、この映画を特異なものにしています。
心の中の代弁者として現れるのがヒトラーという歪さと、現れるヒトラー像がナチスの忌み嫌う黄色人種であるという歪さ。
それこそがジョジョくんの心のうちを象徴的に反映しています。
そして、なんといっても、アレ!!
アレ以降、「わあ!そうゆー話しだったんだ!!」って映画の方向性がドドドーッと変わっていきます。
ドタバタコメディかと舐めて観てたらエライことになりますので、
もうこれ以上情報収集はせずに、ぜひハンカチを忍ばせて観に行ってください。
普通・・・ハードル上げすぎたな~
『ジョジョ・ラビット』鑑賞。
*主演*
ローマン・グリフィン・デイビス
*感想*
久しぶりの映画館鑑賞。評判が良かったので、観ました。
ヒトラーの為に訓練をする少年ジョジョは、ウサギを殺すことが出来なかったことで、周囲から「ジョジョラビット」と呼ばれ、からかわれてしまう。確かにあんな可愛いウサギはさすがにね、、、
そんなある日、自分の家の屋根裏部屋でユダヤ人の少女を発見したことにより、物語が加速するというおはなし。
最初は戦争映画かなっと思いきやユーモア溢れてて、ヒトラー万歳や、空想上の友達ヒトラーがぶっ飛んでて、ジョジョに優しい助言を言ったり、戦争モノなのにちょっとクスッとしました。
笑いもあって、戦争の残酷さを描いてて、とてもバランスが良くて良かったんですが、個人的には普通だったかなぁ~(^^;
ただ、ジョジョとヨーキーが可愛かった。特にハグのシーンがお気に入りww
凄く良かった!
とにかくキャラが良い。MVPはサム・ロックウェル
ジョジョを中心にナチスをディスりまくっている世界観が最高。ソー・バトルロイヤルもこんなノリだった記憶が蘇った。
とにかくジョジョを取り巻くキャラがそれぞれしっかり構築されていて良い。スカヨハも良いし、監督自ら演じた心のヒトラーもとても良い。
世界を代表するバイプレイヤー(と個人的に思っている)サム・ロックウェルはユダヤ寄りであるジョジョファミリーに気づきながらも良い大人へとしっかり導く役柄は感涙者。キャプテンKの金魚の糞と化してるスカルスガルドもほぼ喋らないのに存在感ありすぎ!
ナチスのホロコーストは人類の歴史でも最も暗い過去ではあるものの、1個人にフォーカスすれば明るい日常もあっただろうし(ドイツ人が主役というのもあるけど)ポップに歌える平和があれば現代の分断もどうにかなるような気がした楽しい映画だった。
オープニングでビートルズというのも意図あるな!と感じる始まりだったのを思いだしました
構成と演出の妙
序盤はジョジョの空想のヒトラーが出てきたり、実際にあったとは思えないような少年少女に対する洗脳?訓練シーンがあり、半分ファンタジーのような展開が続くため、気楽な気持ちで純粋に楽しめますが、後半ナチの実態や戦争の現実を観客につきつけてきます。この構成、演出が素晴らしく、いわゆる「ナチ映画」とは一線を画しています。
蝶を追いかけたその先でジョジョがある現実を目の当たりにしますが、見ているこちら側も思い込んでいた世界が反転するような気持ちになりました。
最後には希望も見せてくれます。
素晴らしい映画でした。
死せる者は最早死なず!シオンの笑顔尊い
アルフィーアレン出てるって知ってヒェェまたクズな役だったらどうしよう〜!って思ってました。
何も考えてなさそうな平和そうなシオンって感じで良かった。キャプテンKとの関係性も良かった。
WW2のドイツが舞台、ワイティティだからコメディあり、ライフイズビューティみたいなやつかな〜と思ってたらそれより軽くサクッと観れる内容で良かった。
学校の人権の授業とかでやるのに丁度いい重さというか。人に薦めやすい。
ローマンくんマジでかわいい。子どもながらの残酷さと純粋さ、優しさが滲みました。ヨーキーもかわいかった。
ナチスあるある
童話
子供に向けての作品に思えた。
大人が楽しむというよりは、子供が見て考えられる作品。日本でいう所の文部省推薦枠のような。戦争の愚かさや悲惨さ、人種差別の理不尽さとか迫害…ドイツに狂気が蔓延してた時代を背景にそんな道徳的な事を説いたような感じだった。
と、そうは言っても堅苦しいわけじゃない。ちゃんとコメディしてるし間口は広い。子供達が楽しめるような作りになってる。
そして大人も楽しくないわけじゃない。
ジョジョの仕草や言動は可愛いし、それなりに戦争の悲惨さも描いてる。
ジョジョ=群衆と捉えたら深みまで出る。
世論に懐柔される大人たち。
事実は知らされない、探求する術もない。右向け右が美徳かのように振る舞う人々。
ジョジョは10歳の子供だ。
社会通念に染まってない彼は、まさにその通念に染まっていこうとしてる。
でも、だからこそ彼は気付く。
自分の中の素朴な疑問にちゃんと向き合った。
「どおして?」「なんで?」
幼い彼は、社会を担う大人達よりも、よっぽど善良な人間だった。
とまぁ、そんなとても意義のある作品だったのだけど、「フォードvsフェラーリ」の後で見たもんだから、若干疲れてた。
俺の欲が満たされてたような状態で申し訳なかった。
少年よ!その愛で、性善説を否定しろ!
国策による煽動、吹聴と
実際に見て、触れ合って、経験し感じたこととの
矛盾に揺れる少年のこころ模様を機微にとらえた傑作!
戦争をユーモラスに、滑稽に描くことで
戦争の無意味さ、馬鹿々しさに変換して
作品に込めたメッセージを際立たせていることに感激しました!
ヒトは、知らない他者に恐怖する。
だから、優位な立場をとろうとして高圧的に
ときに、非情なほどの暴力で抗おうとする。
無知である自分を肯定するためだけに…
盲目的に何かを信じることは、けして悪いこととは思わない。
それがヒトのちからになり得るのだから…
でも、一方で危ういちからにもなってしまう…
強要され偏った思想が、ヒトを盲目にさせるのだと思う。
世界で名の知れた著名人の多くが
ユダヤ系人種であることから
どれだけ聡明で優秀な人種であったか
今やわたしたちの知るところでしょう。
そのことに、恐怖心と劣等感にかられ
アドルフ・ヒトラーはユダヤ人を悪意をもって
弾圧、迫害したのかもしれない…
ユダヤ人に限らず、今の国が国として成り立っている
その背景には、かつて他民族との紛争の歴史があります。
その歴史の陰には、失なわれた民族と文化があります。
悲しいけど、これが現実なのです。
情報で溢れる今のこの世界で
今のわたしたちは、他国のことをどれだけ知っているのだろう…
当時のヒトは、他国のことをどれだけ知っていたのだろう…
自分が知らないことを棚にあげ、偏見と悪意に変えて
他人のことをみてしまってはいないだろうか?
戦争も差別も、要約すれば
他人を知ろうとしないことから始まっているのではないだろうか?
無知であることを恥じることはない。
だが、知ろうともせず無知であり続けることこそ
恥じるべきである。 …と、わたしは思うのです。
情報を選び取り、経験し、見分ける目を、
リテラシーを身に付けることが
今の世界で、わたしたちができる、最善のことだと
わたしは思います。そう願います。
あと、大人の子供との接し方の大切さも感じました。
〈子供のこころは白いキャンパス〉
大人がより良く導いて、
自分の手でちゃんと絵を描かせてあげたいですね。
今回、一際わたしの注目を惹いた俳優、
〈トム・ロックウェル〉さん!
同じ日に『リチャード・ジュエル』を先に観賞しましたが
本作の役が一段と増して、男前に見えた!
超絶カッコよす!!
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