「愛情をもって育てられた人は、洗脳の歪みを自分で修正できる。」ジョジョ・ラビット ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
愛情をもって育てられた人は、洗脳の歪みを自分で修正できる。
子供の頃、靴紐のついたスニーカーが嫌いで、
いつもマジックテープ式の靴を好んで履いていた。
それでもスニーカーを履かなきゃ行けない時はあり、
そういう時は、母親に靴紐を縛ってもらっていた。
見覚えのある靴紐のついた靴を、蝶を追いかけた先で見た、
あの時の少年の気持ちたるや、どれほど悲しく辛かった事だろうか。
イマジナリーフレンドとして、コミカルなヒトラーが登場するぐらい、
物事の分別がつかぬ幼い少年なのに、
ユダヤ人への差別感情や、
ナチス&アーリア人の優位性や選民思想は、
しっかり根づいてる洗脳教育の行き届きぶり。
ただ、そんなヒトラーに崇拝し陶酔する子供でも、
実際にユダヤ人と接してみて、自分達と何ら変わらない人間である事には次第に気づく。
大人たちから受けてきた教育と、自分の感性とのギャップに葛藤し、苦しむ。
大人たちの教えを鵜呑みにする、純粋ゆえの危険性と、
子供ゆえの先入観や固定観念のない、学び方や吸収力の高さ。
子供は良く育つも悪く育つも、結局は大人次第。
主人公はまず、愛情を注ぐ母親に恵まれた。
キャプテンKもナチスではあったが、ナチスである以前にまともな人間だった。
キャプテンKがジョジョの家で、ユダヤ人であるエルサを見逃したのは、
彼自身もまた迫害対象である同性愛者だったから。
ジョジョと同じ、ナチスの教えと自分の感性とのギャップに苦しむ者だったから、
ジョジョの苦しみ揺れる心情を敏感に察する事ができたし、
憤りから酒に溺れるしかなかったのだろう。
周りの大人に恵まれたからこそ、主人公は生き延びる事ができたように思われた。
親友のヨーキー君も生き延びたので、登場はしなかったが、
きっと母親は善き人に違いない。
愛情たっぷりに育てられた子供は、たとえ、道半ばで歪んだ思想を植えつけられても、
自身の判断力や価値観で、その歪みを修正していけるんだなと、
希望が持てる内容に感じた。
あと、日本人は名誉アーリア人なんだけど、日ユ同祖論でいう所のユダヤ人でもあるので、
祖先がユダヤ人の名誉アーリア人という、ハイブリッドアジア民族デス。
(*´ڡ`●)