「ワイティティ監督は、ヒーロー映画を撮っている場合ではない。」ジョジョ・ラビット image_taroさんの映画レビュー(感想・評価)
ワイティティ監督は、ヒーロー映画を撮っている場合ではない。
これまでワイティティ監督をあまり意識することはなかった(それでもマイティ・ソー・シリーズは楽しんで観た)のだが、Netflixがおすすめしてくれた『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』がとても良かったので、それに引き続いての本作の鑑賞となった。
結論から言うと、とても素晴らしかった。ユーモアとアイロニーで彩りながら、人が生きていくことの悲哀と希望を浮かび上がらせていくこの人の手腕は、扱っているモチーフ(今作はナチズム)の割には重くなりすぎずに、むしろ鑑賞後は爽やかな気持ちにすらさせてくれる。
そして、『ハント・フォー…』の方でも思ったが、子どもを撮るのがとても上手い。自然な演技を引き出しつつ、内面の葛藤をさりげなく薫らせることに成功している。きっと演技指導が巧みなのだろう。
ワイティティ監督は、マーベルのヒーロー映画を撮っている場合ではない。こういうドラマ作品でこそ、持ち味が活きると思う。
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