「靴紐をしっかり結べました」ジョジョ・ラビット bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
靴紐をしっかり結べました
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世界大戦時のヒトラーが統治するドイツを舞台に、当時の市民生活を焦点を当てた作品。
しかし、これまでの戦争映画のような悲惨さや苦悩を前面に描くのではなく、ヒトラーユーゲントに所属し、自分の靴紐も結べない10歳の男の子・ジョジョの目線で、その当時の世界観を描いています。
ジョジョの気持ちが揺れ動く時、自分の分身として現れる、ヒトラー君との心の会話を所々に入れ込むことで、マインドコントロールされたナチスヒトラーに憧れた少年の、ヒトラーへの崇拝心を、ユーモラスに描いています。
そして、ジョジョの母が、家の隠し部屋に匿っていたユダヤ人の娘の登場場面から、ジョジョの気持ちの中で、ナチスへの崇拝とユダヤの娘への恋心との間に、葛藤が生まれます。戦争を背景に、1人の少年の心の成長こそが、テーマになっていると思います。
今回、ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスは、愛らしい少年らしい表情が印象的で、この役柄をよく理解した、見事な演技であったと思いました。
また、最近はSF戦士の印象が強いスカーレット・ヨハンソンが、ジョジョの母親役というのは、意外でしたが、子供を包み込む優しさと強さを兼ね備えた母親役を演じていました。
ただ、一つだけ❓を感じたのは、ドイツが舞台なのに、英会話というのは、どうなんだろう…。
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