劇場公開日 2022年5月13日

「宇宙人と地球人のヒューマンドラマなんですよね」シン・ウルトラマン バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0宇宙人と地球人のヒューマンドラマなんですよね

2022年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ちゃんと記憶に残っているウルトラマンシリーズはウルトラマンAあたり。だから、正義のヒーローというイメージが強いのです。今回の鑑賞にあたって初代ウルトラマンを数話見ましたが、ウルトラQの流れというのでしょうか?ヒーロー物というよりは宇宙人(または禍威獣)という異物を交えた人間ドラマ仕立てなんですよね。

宇宙人がいたらどんなことになるんだろう?地球にやってきたらどうなるんだろう?まさに空想の世界。映画アルマゲドンのような大味ではなく、宇宙人側にも事情がある。多々ある。その辺りを深掘りし、ある意味「地味」ではありますが、味のあるドラマに仕立てられていると思います。

ですから、禍威獣や宇宙人をやっつけるというのはあくまで手段の一つであり、ウルトラマンも多種ある宇宙人の1種類であるわけで、そこにとてても人間臭いエピソードを入れ込みドラマが作られているので、肌温度を感じる作品となっているような気がします。あと、光の星の掟に忠実なゾーフィがめちゃくちゃよかったぁ。ヒーロー感がなくって最高。

シンゴジラのような単純明快な目的ではない(駆除目的)ゆえに爽快感は足りないかもしれませんが、TVシリーズで描きたかった世界観を特撮っていうジャンルを尊重し今の時代で作り上げた秀作ではないでしょうか?TVシリーズの元ネタを何個か繋げた感はありますが、その点も一つの物語としてうまくまとめられたのではいでしょうか?

ですが、ツッコミどころはたっくさんあるんですよね。
ヒューマンドラマになっているのに、人間模様や心情の描き方が薄くて行動根拠がよくわからないってところが一番大きいかなぁ?「え?そーなの?」みたいなことが多くって。
あと、対禍威獣のシーンなどはもうちょいと力を入れられなかったかなぁ?と。シンゴジラの世界観を引き継いでいるなら、もうちょい熱くしてもらってもよかった気がします。
それと、全体的に・・・特撮部分以外・・・チープなんですよね。すごくこじんまり感が・・・・。なぜなのかな?あとはやっぱ、長澤まさみ関連ショットについては・・・センス悪いなぁと(笑)邪魔しちゃうんだよなぁ。アニメならありなんだろうけど、実写は生々しくて。

で・す・が。
良い作品だと思います。できれば、このテイストでセブンやってもらえないかなぁ?

バリカタ