劇場公開日 2022年5月13日

「かつてウルトラマンにあこがれた人たちへ・・・」シン・ウルトラマン マルホランドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0かつてウルトラマンにあこがれた人たちへ・・・

2022年5月30日
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鑑賞方法:映画館

中盤まではこのフォーマットは映画よりもドラマのほうがあってるのでは?と思いながら鑑賞した。というのも怪獣が矢継ぎ早にでてきて落ち着く暇がなかった。だが鑑賞していくうちにこれは映画というフォーマットを選んで正解なのだと思った。

一体一体との戦闘や自衛隊との連携もじっくり読みたいなと思っていたがメフィラス成人が登場してからの会話を見るに、前半からのシーンはこのための伏線だったのかなと思った。今回のウルトラマンは人間がある意味で巨人化という生物兵器に適合できる可能性を持ってしまったがためにそのデモンストレーションとして怪獣が用意された、と解釈したのだがすべてはそのための予行演習だったのかなと中盤でようやく腑に落ちた。

今作は昔リアルタイムで見ていた少年少女向けだということは理解できたが映画を選んで正解だなと思った理由に「次世代のファンへの継承」という言葉が思い浮かんだ。昔見ていた子供たちは今や大人になって家族を作った人たちも多いのだと思う。年代を超えた人たちが一つの大きなスクリーンでウルトラマンに熱中する。それはかつての昭和の家庭でテレビという媒体にかじりついていた当時の楽しみ方を踏襲した形を再現したのではないだろうか?だからもしこれをドラマとして配信してしまったら個人個人が見るスタンスに矮小化してしまい結局は一つ一つの個として完結してしまう。今の子供たちにもウルトラマンを好きになってもらいたいという製作者の心境を考えるにあたって映画というツールで作ることはとても良かったと思う。

実際SNSなどでリアルタイムではまってた人たちが好印象の感想を述べていた。何十年も前はテレビしかなかったと思うが現代はSNSなどで感想を言い合い同じ趣味の人を見つけられる時代になった。思い出などを共有しまた劇場に足を運ぶ人もいるかもしれない。それが輪となりもしかしたら意気投合した人と映画館に行くかもしれない。そんな人たちへ向けた熱意を存分に感じた1作だったように感じた。

マルホランド