「カットの数は邦画史上屈指で……」シン・ウルトラマン emanonさんの映画レビュー(感想・評価)
カットの数は邦画史上屈指で……
最初は斬新なショットの連続に魅了されました。然し、カット割りのタイミングが、登場人物達が台詞を喋る度であることが多いことに気づくと、微笑ましい気持ちになりました。アニメみたい。
そして、カットが割られる度に視線の移動を強いられ、(実写版キャシャーンかよ)と心の中でツッコミを入れてしまいました。
幼児の時、再放送されたウルトラマンのエピソードで、巨大化したフジ隊員に何故か性的興奮を覚えた老人としては、長澤まさみさんが巨大化したシーンが観れて大変、うれしかったです。ブルーシートに覆われてる長澤さん、ウルトラマンに蹴り上げられて手足をバタバタさせ、びっくり顔でカメラに迫って来る長澤さん。とてもチャーミングに撮られており、印象に残りました。
いろんなカイジュウや星人が登場して、ストーリーもスピーディーに進んで行き、CGも巧く出来ていたと感じました(担当したのが『白組』だとエンドロールで知り、描画の独特なクセが無くなっているのに感心しました)。
では、なんでこの評価なのかと云うと、クライマックスシーンの盛り上がりの欠如!!これに付きます。エモくないのです。ちっとも。エンドロールで流れるJPOPも、ファンの方には申し訳ないのですが、扇情的要素が一切無く、ありきたりなリリックで紡がれるメロディラインには、魂を鼓舞されませんでした。まぁ、老人の感想なので多めに見てください。
最後に、台詞の中にやたらと理論物理学のジャーゴンが出てきますが、ブレーンワールドもマルチバースも現時点では仮説に過ぎませんのでアナクロ化する可能性が高いと思いました。
因みに、匂いは数値化出来ます!
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