「色々と足りない」シン・ウルトラマン tanmyaさんの映画レビュー(感想・評価)
色々と足りない
リアルタイムで夢中で見ていた世代なので当然思い入れがあります。ウルトラマンとしての部分はそれなりにできているので楽しめなくはないですが、あまりにも個人や組織に対するストーリーテリングが不足しており深彫もされないので話が進むにつれオープニングの高揚感が無くなって行きます。最終兵器であるはずの〇ッ〇〇もその脅威を感じさせる演出、シーンが一切ないため盛り上がりにかけラストが大変弱く鑑賞後の満足感はもう一つです。長澤まさみと山本耕史の演技がなかったらちょっとつらい作品だったかもしれません。
以下ネタバレ追記
ウルトラマンとは言っているがセブンまでのウルトラシリーズのハイブリッドといった内容。禍特対(ないわ〜)設立までがQダイジェスト、ガボラまでが怪獣(面倒くさいので一般語で)との闘いが主軸のウルトラマン、メフィラス失脚までが異星人からの脅威を描いたセブン。ラストは新解釈のウルトラマンの最終回。なのでバルタン星人とのイカしたナイトバトルシーンを現代技術で堪能させてもらえるかもと期待していた人は大いに肩透かしを喰らうことになります。なんといっても禍特対に全く組織感がなく人員もゴジラの廉価版のような人物ばかりでビートルやスパイダーショットのようなメカやガジェットも登場しない。地球上ではウルトラマンが「シュワッチ」と言わないのに宇宙空間で「ゼットーン、ピポポポポポ」とやってしまうちぐはぐさ。人類の叡智集めて(VRで一人芝居しているだけ)勝つ方法がベーターカプセルを2連続で使うという安直さ。年齢的に厳しいかもしれませんが往年の俳優陣の出演がないファンサービスの無さ。怪獣と闘う予算が足りないので少なくしたところもオマージュなのかもしれないが正直いったい何に時間使ってたの?というのが本音です。