hisのレビュー・感想・評価
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この年になったら男も女も関係ない
美しい山と川に囲まれた白河の町に住む主人公と、娘を連れてきた元恋人を淡々と描きながらも、
同性愛者だけでなく、働く女性の生き方、シングルマザー、過疎化、高齢者、都会と田舎など様々に考えさせられる映画でした。
はっきりと解決できるような問題ではないけれど、
自分に正直に、悪いことしたら素直に謝ろう、それが一番大事なことなんじゃないかな。
人生、短いようで意外と長いし。
そして、男だ女だなんて関係ない。
温かい気持ちと小さな勇気をもらったそんな素敵な映画でした。
宮沢氷魚くんの透明感がすごい!今後も楽しみな俳優さんです。
誰かを大切だと思う気持ち
性的マイノリティとか関係なく、誰かを大切に思う気持ち、親を子を思う気持ちも全部愛。
ゲイだとしても、自分の子供を母性なのか父性なのか、心から大事にしたいって愛情が、季節くんの表情や行動で演じられてたと思います。
村の人達が優しくて、房子さんをはじめ、亡くなってしまった源さんの掛けてくれた言葉が暖かくて涙が溢れました。
どんな人も差別なく、自分らしく生きていける社会になってほしいと思った作品でした。
優しくなりたいと思った。
相手を思いやること、心を開いて人と接すること。ゲイのカップルを通して、大切なことを思い出させてくれる映画でした。
映画の中では、同性愛者だけでなく働く女性に対する偏見も描かれています。仕事もがんばりたい、でも子供との時間も大切にしたい。頼れる人もいない八方塞がりな状況のなかで、追い詰められていく母親の姿は心が痛みました。
苦しい時は周りに助けを求めたいし、困っている人がいたら支えてあげたい、もっと人と関わりながら生きていきたいと思いました。
☆☆☆★★★(ちょい甘) 映画の前半で、彼がフライパンを使った場面...
☆☆☆★★★(ちょい甘)
映画の前半で、彼がフライパンを使った場面で「もしや?」と思った。
映画の中盤で、もう1人の彼が同じ事をした時に「やっぱりそうなんじゃないか?」と、やはり思った。
映画の後半で裁判場面となり。このままでは、幼い娘が証言に立たなけれならない…可能性が出るに至り彼は決断する。
映画のラスト直前に、ある人物がフライパンを使い…。
ここに至り私は確信した。この作品は、今泉版による、新時代の『クレイマー、クレイマー』である…と。
『愛がなんだ』以降の今泉監督の勢いが止まらない。
どの作品でも、会話の面白さ。登場人物達の拗らせ感や、周囲の人を巻き込みながらストーリーが展開して行く世界観に魅了されて来ました。
そんな今泉ワールドを期待してスクリーンを眺め始めたところ。アレっ?何だかこれまでとはかなり違う…と、戸惑う事しきり。
最近の数作品に共通していた、登場人物達が話す会話の妙に引きずられる様に躍動していたと思える映画のリズム感が、いつまで経っても生まれずにいた気がする。
その様に、前半から中盤にかけては。なかなか映画の世界に没頭出来ずにいたのが、正直なところでした。
BL男子のちょっとだけ拗れた関係も、これまで今泉監督が描いて来た男女の恋愛模様とは少し違っている為に、ほんの少しの違和感を感じてしまったのも事実。映画本編自体もゆったりとした動きで。この辺りは、まだまだ同性愛に対する偏見とはしっかりと向き合えない2人の感情を反映させてはいた…とは言えるのでしょうが。
それだけに。カミングアウト後から後半に描かれる裁判劇以降は、やっと映画自体が走り始めた感を感じられ、段々と面白くなって来ました。
偏見と戦う…と言った側面と同時に、どこか《勧善懲悪》劇的な要素も重なった結果かもしれませんけど…。
初めに〝新時代の『クレイマー、クレイマー』〟と記しましたが。映画のラストは、観客に判断を委ねる終わり方になっていました。その辺りは、本家が描いていた。現実を直視させるかの様な!突き放すリアルな感覚とは異なり。映画としての説得力の弱さを感じてしまった…と言うところではありました。
2020年1月28日 TOHOシネマズ日本橋/スクリーン3
マイノリティとかじゃなくて
ソラちゃんのセリフ「何が悪いの?いけない事なの?(記憶ですが)」
が全て
何1つ悪い事なんてない
何でも多数決で流れていく世の中が悪いとは言わないけど、良くもないと思います
何らかんらと理由付けをしたがるけど、人はやっぱ生理的なモノに支配されてる
「女同士は平気だけど、男同士は気持ち悪くて生理的にダメだわ〜」等
親権争いの場面は凄く現実的で良かった。
同性愛者の人権や女性がキャリアを積みながら子育てをする難しさなど。悔しいと思いますが、納得しました
しかし根岸季衣さんや戸田恵子さんの役、ホント好っきやわ〜!
〈耽美〉という言葉を調べ直してみた!
ただ、恋愛映画を多く手掛けてきたからといって
今泉監督が「恋愛映画の名手」とは言われていなかったでしょう。
なぜならば、恋愛を通して、わたしたちのこころを打つから。
作品群の根底に、性別を越えた
人間性や人生論を見るから…
その最たる作品だと、本作『his 』を観て思いました。
同姓愛者は世の中で声を上げづらい弱い立場ではありますが
本作での、その後ろめたい感情をむやみに拡大して美化したりせず
純粋に、まっすぐに、真正面に立ち向かっていった姿勢に、
こころを打たれました。
世間一般で言う〈普通なこと〉と〈特別なこと〉などは
極論かもしれないが、主観と客観に過ぎないんだと思う。
仕事や子育てをする中で
これは男の役割、それは女の役割と決めつけず
性別の枠に収めることなく、役割を担うことができる。
どの時代にも新しい価値観は生まれる。
昔は特別なことでも、
その様々な価値観を認めてきたから
今は普通な環境の世の中になっている。
~ヒトは認め合って、はじめてヒトになれるんだと、
愛し合い助け合って生きることこそ、ヒトの美徳なのだと~
観賞後、そんな哲学的な感傷にひたってしまう自分がいる…
いつの間にか恋愛とは別の、もっと大きくて深い部分で
こころを打たれている自分がいる…
そこが、今泉監督が「恋愛映画の名手」
だけでは収まらない、
皆さんに支持されている理由なのだろうと思います。
もう1回観たい!
とてもとても素敵な映画でした。
田舎の美しい景色、かわいいわんこ、卵料理、自転車、渚の赤い服、迅の薪割り。
閉鎖的ではあるけどよそ者を受け入れる器があってみんな優しい町の人達。
主演のお二人がとにかく素敵です!
難しい役だったと思いますが見事に演じきってます!
なによりお二人とも美しい。
実年齢より少し上の設定ですが落ち着いて見えるので違和感ないです。
本当にカップルみたいに見えました。
そして娘の空ちゃんがめちゃめちゃ愛くるしいです。
娘を心から愛しているからこそ親権を争う両親。裁判所の外で泣き崩れる渚を受け止める迅。二人の背中にじーんときました。
ゲイのカップルに子供を育てることができるのか?
きっとできます。でも周りがそれを認めないんですよね。
当たり前に認められる社会にならなくてはならないですよね。
10年後、夏休み。空ちゃんが一人で町までやって来ます。
迅が車で駅まで迎えに来てくれて、それから二人で渚の元へ向かいます。
できたばかりのパイプオルガンの音色が山に吸い込まれていって、三人は並んで耳を澄ませている。
そんな未来を思わず想像してしまいました。
本当に良い映画でした。タイミングが合えばもう1回観たいし円盤もきっと買うと思います。
【追記】2月3日、2回目鑑賞& 2月10日、3回目鑑賞
本当に余韻がずっと残る映画です。
ここ数日hisのことをよく考えています。
好きなように生きたらええ
緒方さんの言葉。「好きなように生きたらええ」この言葉が全て。
誰を好きになろうとその人の勝手。
世間の当たり前という思い込みや、偏見のせいで好きなように生きれない人、言えない人、自分を押し殺して生きる人がいる中で、そんな人達の背中を押してくれる映画ではないだろうか。
この映画は同性愛者をテーマにしているが、専業主夫、地方移住、女性活躍、シングルの子育て など近年話題になっている社会的テーマが多く盛り込まれている。
何が幸で不幸か、世間の大多数がそうであるから「幸せ 」というのは洗脳であって、幸せは自分が決めること。
裁判のシーンでは、まさかの展開でしたが、これは子どもにとっては後々良かったのかもしれない。世間が変われば話は別だけど…。
レナのようにバリバリ働くお母さんも現代は多く、ただ子育てと仕事との両立は容易いことではない。
そういった背景も描かれていて良かった。
令和の時代にあった素晴らしい映画です。より多くの人たちに観てほしい。多様性を受け入れられるような時代になってほしいと強く思う。
本当に弱いのは誰なのか、
同性愛者の生きにくい世の中を
今泉監督はまっすぐに描いてくれた。
だが、それだけじゃない。
「普通ではない」と言われてしまう彼らの周りで
傷付いている人がいるということ。
彼らが1番弱い立場ではない。
守るべき存在は彼らだけではない。
子供を想ったり誰かを愛するのは
異性同性関係なく平等であるべきだ。
自分の願望だけでなく、
相手の気持ちをも自分の中に取り込んだ時に、
本当の愛が生まれる気がした。
ひたむきな演技が心に響く
繊細なテーマだが、宮沢氷魚さん、藤原季節さんをはじめ、映画製作に関わった人々の、この映画に対する真剣さが伝わってくる。
さりげなく、でも心に響く言葉があちこちにあり、人を好きになること、大切にすることについて気づかされ、静かなエネルギーをもらえた。
今回は運良く、出張先で夜に鑑賞できたが、今後、もし地方公演があれば、もう一度観たいと思える作品。
この映画のために何かしたいと思い、今まで書いたことのないレビューを初めて書こうと思った。
宮沢氷魚さんが、良い❗ヒットの予感!
宮沢氷魚さん、若いのに、こんなに難しい役を良くやったなぁと思いました。スクリーンの中から宮沢氷魚さんの美しさと透明感が溢れ出ていて、素敵な役者さんだと思いました。何だか、宮沢氷魚さんのまとっている空気だけ特別に美しくキラキラしてました。映画は、もう愛に溢れた映画でした。静かで良い空気が流れていて、温かさの中にも感情を揺さぶられる何かかがあり、気付くと涙でぐちゃぐちゃでした。沢山の方に観てほしいです。
生きること
都会から離れたところで自給自足の生活をしたいと思っても、生きるということはなかなかそれを許さない。生きるということは人と関わることなのだと再認識しながら、映画を観た。人との関わりが静かで、温かいので、救われる。
井川迅のようにイケメンでゲイの男性には、あるあるなんだろうね。きっと泣いたりしちゃうのかも。
宮沢氷魚さん当たり役‼️
LGBT作品は、なるべく劇場鑑賞するようにしてます!ポスターから想像するに、ゲイ同士の苦しい恋愛模様というよりかは、ゲイカップルの生き方を問う作品でした。都会から離れて岐阜白川の人々との交流を通じて最初はゲイという事を隠していたものの、知れ渡った時にどんな行動にでるのか!人としての選択は?
相手役の藤原季節さんの妻役を演じた松本若菜さん。娘の親権を争う母親役が良かったです。
偏見とは何か、繊細に描かれている
同性愛映画に抵抗がある人こそ観るべき映画です。個人的には打ちのめされるほどよかった。
今泉監督作品が2週続けて見られるとは。
とはいえ、、、正直、男性である私は男性の同性愛には抵抗があります。少し嫌な思い出もあるので。女性同士の同棲愛にはまったく抵抗はないのですが。
今週末は色々と見たい映画が多いので、色々タイミングを考えると、この映画を公開日のレイトショーで観るのがベストだったのですが、果たして、公開日のレイトショーを男1人で観て良いものか、、他の順番でみる方がいいのか考えてしまった。
結果、映画館には女性の方が多かった。そりゃそうだ。氷魚さん目当てと、もしかしたらBL好きかもと妙に納得。
(これも偏見ですが)
映画には男性同士のラブシーンがあります。素直に、気持ちが良いものでは無い。それは変わらない。
同時に、同性愛のキャラが、真っ直ぐに気持ちを言うシーンが何度かあって、涙が止まらなかった。
自分にはどれだけ、偏見や差別があるのか、気が付かされた上で、「偏見をなくそう」とか「差別が悪い」という一方的な押し付けではないような気がして、とても良いメッセージだと思います。
「同性愛者の自分たちが1番傷ついて弱いと思っていたけど、実は、、」という所がとても良い。
いじめも差別も偏見も、加害者が一方的に悪いと思ってしまったら解決しない、本当の相互理解という意味が分かったような気がします。
あと、もし、女性同士同性愛で、男性1女性2の話だったら、みえかたがまったく違うな、、、とも思った。結果、自分には偏見があるのだと気付かされた。
これを見て、気持ちが悪いとか、理解できないという人がいても、それはそれで理解出来る。万人受けするとは到底思えないし、周りの人に素直に勧められないけど、とても良い映画だった。
派手さはないし、とても淡々と描かれているけど、テーマやメーセージは重い。これを普通に描かれている繊細さが今泉監督っぽい。
不思議な映画。
愛について考えた
どうも主人公が寡黙過ぎて、周囲の状況から受身に回っているのがどうも気になった。
一転中盤で理解者のおじいさん(鈴木慶一さん。嬉しい登場!)の通夜での告白が山場で、ここまででも相当な作劇上の山場になるものを、後半親権を争う裁判までもつれ込むものだから・・
全くの焦点ボケとなってしまった。地域でのカミングアウト等
必要なのかと思ってしまいましたが、いかにも日本社会のブラックホールにボールを投げ込んだ勇気は買えるという程度の評価しか考えられない。
親権の裁判については、外国の方には理解しがたい、日本的決着でこれも評価は高くは出来ないなぁ。ああ残念!
日本映画の進化なる
前半の、素人と見間違う演技で進むストーリー。
ここは依然と進化せず…
特にキスシーンは、相変わらず恥ずかしい場面となっていた、、、
しかしながら後半から、ギュっと心を掴んでくる!
ここにこの映画の意味がある!!
欧米のLGBTQテーマの映画は、社会も含めてどんどんアップデートしているのに、
日本の社会は未だにここか??!と腹が立つ。
ここが日本映画の進化だ。よくぞテーマに選んでくれた。
ありがとう
(キスシーンだけの演技指導したくなりました)
単純なはずなのに、複雑になってしまうこと
単純なはずなのだ。
お互いが好き同士で、一緒にいれたらそれで幸せなはずなのだ。
だけどこんなにも複雑になってしまうのは、当事者ではない第三者からの無神経な一言だったり、自分が大切にしていることを押し付けてしまう気持ちだったり…。
人の恋愛なんだから、放っておけばいいのに!と思うのもまた、浅はかな考えなのかもしれない。
特に、子どもや結婚という制度になると。
この映画を観た方は分かるかもしれないけれど、たぶん、「子どもにあんなシーンを!」と偉ぶったような批判がもしかすると、あるかもしれない。
だけど、間違いなく、必要なシーンだと思うし、空の素直さは渚の真っ直ぐさなのだと思う。
レイの弁護士のような人、たくさんいるんだろうなあ…。
生々しさだったり、社会の中で過ごすリアルさだったり、今出会ってよかったと思える映画でした。
PS.ドラマをやっていたこと、レビュー読んで初めて知りました。ドラマも観たい!
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