hisのレビュー・感想・評価
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目立たない映画ですが、良かった
ゲイを題材にした話が多く、ひとつのブームなんでしょうか?どれもカミングアウトの苦悩に関連したところが多く少しお腹いっぱいなところがあります。ドラマ「きのう何食べた?」と対比させるわけではありませんが、陰と陽なら陰の部類。若いゲイカップルの苦悩がパートナーの親権問題と絡めているところが新鮮でした。静かなストーリー展開でしたが、宮澤氷魚の気持ちの動きがとても良かったです。子どもの奪い合いの展開は上映時間の関係か少々雑な感じがしましたが、最後はホッとできるラストで安心しました。
深いけどシンプルな美しい映画
同性愛者に対する社会の偏見や、普通とは何か幸せとは何かたくさんのことを考えさせられる映画でした。
この映画には悪い人は誰もいなくて、それぞれ違っているけど間違いも正解もない価値観が出てきます。
難しい話だけど、でも実際は「好きだから一緒にいたい」という
男女の恋愛よりもずっとシンプルかもしれない、美しくて純粋な愛がありました。
心から1人でも多くの人に観てもらいたい作品です。
今泉力哉の優しさには分け隔てがない
今泉力哉がゲイの迅(宮沢氷魚)と渚(藤原季節)の『愛』を優しく描いた。
大学卒業前に別れ、それぞれの道を歩んだ二人。迅はサラリーマンになるも上手くいかず、岐阜県白川町に移住し自給自足の生活を送っていた。渚は結婚し子供ができたが、迅への思いを絶てず6歳の娘を連れて白川町を訪れた。8年ぶりの再会だった。
白川町の穏やかな空気が、そしてそこで暮らす人々が三人を包み込んだ。ゲイの彼らに優しかった。
親権を争う裁判では渚の妻(松本若菜)に優しかった。迅に告白した白川町移住サポートセンターの美里(松本穂香)に優しかった。
そう、この優しさこそが今泉力哉作品の真骨頂!観る我々も優しくなれるっちゅうもんだ。
俺はゲイです。当事者も感動できました。
久しぶりに、心に残る映画でした。
当事者として、
「そうだよね。そうなんだよね。どうすれば良いんだろうね・・・。」
共感ポイントが非常に多かったです。
一切、無駄がない内容でした。
映画のテンポは、のほほん♪とした感じですが、
まるで、自分自身を見ているような感覚を覚えました。
例えば、
◆飲み会で、「ゲイだろ?」と、面白がられる辛さ。
◆バイの方を愛した時の葛藤。
◆女性から告白をされて、「ありがとう。ごめんね。」しか言えない自分。
映画館では泣いている方々が多かったですが、
俺自身は、上記の3シーンは、自分の過去を思い出すきっかけになり、
辛かったし、切ないし、苦しい感情が沸いて、泣いてしまいました。
映画の内容とは関係ありませんが、
俺は、好きな人(=男性)と結婚がしたいですし、
好きな男性と、大切な子供を育てたい気持ちがあります。
今の日本は、「同性婚」はNGです。※今現在、全国各地で裁判してます。
映画だけでなく、今後、「愛」に溢れた日本を期待したいです!
そして、
将来、「his 2」の公開を期待したいし、是非、いつの日か、
「地上波」で放送して欲しい映画です。
ゲイの悩みや苦しさ。
レズビアンの悩みや苦しさ。
バイセクシャルの悩みや苦しさ。
トランスジェンダーの悩みや苦しさ。
クエスチョンの悩みや苦しさ。
は、それぞれ違います。
例えば、トランスジェンダーの方々にとって、
「同性婚」は関係なかったりします。
なぜなら、
彼ら彼女達は、「戸籍」を変えられるようにして欲しい!が、
希望だったりするからです。
「LGBTQ」と一括りにされてしまいますが、
それぞれ、違う課題や葛藤がある所まで、多くの方々に知って欲しいです。
偏見と差別は、もし、「無知」と「想像力の弱さ」が原因なのであれば、
是非、観て欲しいです。
「ゲイ」を少しでもご理解いただきたいので、
是非、多くの方々に、「his」を観て欲しいです。
そして、もし、自分の子供がゲイだったら?
もし、家族や親戚、友人、職場に当事者がいたら?
どんなセクシャリティでも良いじゃないか!と思いながら、
接し合える日本社会にしたいです。まさに、多様性からの協調性ですね!
※長々と失礼しました。
カップル部分は頑張ってるんだけど、奥さん部分も同じくらい頑張って欲しかった
田舎のシーンはよかった。若い身空でほぼ隠居生活みたいなのしているところに昔自分を捨てた男が子供連れてのうのうとやってきて、ぎこちない感じから始まって、ごまかしショットではなく、きちんとカップルのラブシーンを演じてくれていた。また二人はそれぞれに物語があり、丁寧に描かれていたと思う。
過疎化した村は登場人物も少ないこともあり、脇を固めてくれる俳優さんも安心だった。特に住んでいる家が正直あまり居心地がよくなさそうでよい。移住者用に村が提供してくれたのか、ちょっと場所不便そうだし寒そうだし簡素だし、かわりに村の集会所や緒方さんの家なんかの狭くてごちゃっとした居心地の良さとの対比がよかった。
でも離婚・親権問題、奥さんの周辺がかなりひどかった。奥さんを表現する上でとても重要な仕事の様子があまりにもリアルさにかける(英語わかるスタッフいなかったのか?)。彼女はどれくらい稼ぎがある設定なのかあの仕事ぶりでは疑問が残る。もう一つ重要なシーンである裁判でかなり不満が残った。比べるなといわれそうだが、最近とてもいい離婚映画を見ただけにあれは厳しい。話の半分は東京で進行しているので、その辺がしょぼい感じだと半分の満足しか得られない。
こういう作品こそ地上波で流して欲しい
LGBTQ作品だけれど、それだけではない、偏見の中にあるたくさんの優しさが胸を熱くさせてくれます。台詞がどれもこれが最良で最高で、とぴたりはまる感じで余韻もあって、大好きです。
あたたかさに包み込まれる
完成披露試写会、先行上映を含めて5回鑑賞した。
主人公の迅の日常生活を軸に、元カレやその家族、町の人達との関わりを丁寧に描いていて、1人1人にリアリティがあり、そこに存在するかのようだった。
私は性的マイノリティでもないし、シングルマザーでもない。
でも、心の奥深くに閉じ込めていた弱さ、葛藤をさらけ出させられて心が痛くなったけど、各人が優しさを持てるようになった時、それぞれにちゃんと癒しや救いをくれる人がいて、ラストではあたたかく、幸せな涙が溢れた。
そして、この映画の凄いところは、何度観ても新たな視点で観ることができて、新たな疑問と発見を得ること。
感じた疑問を深く深く考えると、登場人物への感情も変化し、また観え方が違い、その度に涙腺が崩壊してしまう。
また新たな視点が出てきたので、6回目を観に行こうと思います。
あちこちにあふれる差別と排除、そして子育てに悩む人必見
何より、この映画のラストが好きだ。一番遠かったはずの2人が、ふっと秘密を共有する。穏やかな幸せが、じわじわと伝わってくる。一方で、彼らの着地点は、あやういバランスの上に成り立っている。だからこそ、かけがえがない。だからこそ、大切にしたい、と感じた。
同性愛者を真正面から描いた作品、として注目される本作。確かに、中心となる2人は同性愛者だ。けれども、彼らが向き合い、乗り越えようとするハードルは、誰しもが抱える、普遍的なものに思えた。いわれのない差別、普通じゃない、当たり前から程遠い、と排除されることへの恐れ。そんな諸々は、世の中の至るところに転がっている。
2人の過去は、冒頭のシーンと再会後の会話で語られる程度だ。けれども、中盤に挿入される迅の会社員時代のワンシーンに、彼の孤独がにじむ。逃げるように縁のない田舎へ移住し、他との関わりを最小限にしてきた迅。一方渚は、開放的でせつな的な生き方を楽しんできたように見えるが、むしろ満たされなさは埋められず、行き詰まっている。立ち止まり進むのをやめた迅と、立ち止まるのを怖れるように駆け抜けてきた渚。再び出会った2人が、渚の娘や村の人々との関わりを重ねながら、それぞれに葛藤し、仕切り直しを試みていく。
互いを思うからこそ、新たに前進しようとする2人。彼らの背中をそっと押す、村の老人たちの卓見が素晴らしい。普段は無口でぶっきらぼうだからこそ、ここぞ、の一言がまっすぐに届き、心に響く。日々の子育てで何かと口煩くなってしまう自身を思うと、身が縮むばかり…。いつかは自分もこんなふうに、と凝り固まった心のひだが伸びる気がした。
自然光が眩しい村で広がっていく2人の物語から一転、後半は、光が届かない室内での息詰まる法廷劇に至る。偏見にさらされるのは、2人だけではなかった。仕事に追われてきた若い母親は、親権争いで思わぬ窮地に立たされてしまう。仕事が出来るだけでは許容されない、頑張りが空回りしてしまう彼女の姿が、人ごととは思えず、身につまされ切なかった。だからこそ、あたたかなラストには心洗われた。
どっぷり映画にのめりこみ、じっくりと浸った2時間。いつもより優しい気持ちに満たされながら、いそいそと子らのお迎えに向かった。
妻の物語の方が魅力的だ。
ゲイの物語でよく引き合いに出される女性の存在、今回の妻の扱いは最悪だった。
3人の生活を脅かす妻、そんな登場でいかにも気の強い、憎たらしい存在に描くけど、実は家族の為に気丈に外で働いているではないか!
お金を稼ぐ大変さをよそに、3人が呑気に楽しそうに暮らしてる風にしか見えない私は捻くれているのか?
妻の背景にさりげなく触れ深みが増す後半はグッときた。
#09 白川町の風景と主人公がマッチしてて
ゲイということを隠さず生きる苦しさを白川町の人と風景が癒してくれる。
実際は田舎だからスンナリ受け入れてくれることはないだろうけどこんな世界があったらいいな。
子供と愛とどっちを選ぶか、どっちも手に入れようと頑張るもう1人の主人公も健気。
本当にみんなで一緒に暮らせるといいのにね。
生きる希望を感じた…
ドラマ版hisを何度も観返し、江ノ島へ聖地巡礼をし、その足で映画を観ました。ドラマ版から13年後の2人と周りの人々の物語。
バイアスが相当かかっているのはご容赦ください。というのも俺は男性同性愛当事者。今のパートナーと出会ってちょうど13年、それも映画の舞台である白川町のすぐ近隣で、男2人&愛犬と共に生きています。
このような、ほんわか余韻を残すドラマと映画に出逢えたことを幸せに思います。子供の頃に周りからからかわれたり、親から否定されたり、自己の存在に悩み、消えてしまいたい死んでしまいたいと悩んだ同性愛者は俺だけではないでしょう。そんな苦さを思い出しながらも、この映画の素晴らしい所は誰も悪者ではない所。同性愛をテーマにしながらも、ゲイと結婚してしまった女性に対しても慈しみの目線を向けられた事、脇役と呼ばれる方々の秀逸な存在感。
映画の舞台近隣に住む者としては、現実はこうは行かないよなぁと思う部分はありますが(笑)見馴れたはずの風景を愛しいと感じられました。
同性愛を気持ち悪いと感じることも真実だと思います。生理的にどうしても無理という方々の存在も俺は認めています。同性愛者の俺からしても、決して美しいといえないガチムチカップルを見ると興醒めしてしまう感情があるのは事実です。でも、みんな幸せであって欲しい。どんな人でも認め合おうよ。そう優しく思わせてくれた映画です。
LGBTの中にも様々なタイプがいて、世の中に積極的に自分たちを認めて欲しいと主張する方々もいますが、俺のように社会の中でひっそりと誰の迷惑にもならずに生きていきたいと願う同性愛者もいます。この映画はただ単に同性愛を認めて欲しいという一方的なメッセージでは無く、世の中にはそれぞれがそれぞれの事情を抱えている人々がいて、みんなが尊重されるべき、その中に同性愛で苦しんでいる人もいるんだよ。という柔らかなメッセージが含まれているように感じました。
圧倒的な映像美だとか、驚きの展開などはないかも知れませんが、じんわり心に沁みる素敵な映画。周りの人にも、そして自分自身にも優しくなろう。そういう想いを胸に抱きつつ劇場を後にした瞬間、温かな空が目の前に広がっていました…
2回目も観に行きました。主題歌のマリアロードもとても良く、涙しました。ドラマ版の渚からすると、映画版の渚は感情や言葉が多い気がしてキャラ変?とも感じましたが、藤原季節さんの憎めない演技に引き込まれました。宮沢氷魚さんは迅のイメージにぴったり。その他登場人物みんな好きです。
美しく儚い素敵な映画をありがとうございました。同性愛者も生きていて良いんだ。「長生きせぃ」根岸季衣さんの台詞が胸に突き刺さりました。
本人たちの問題
内容は、わりと普通というか、同性愛を扱う作品においてはもうやりつくされたネタ。最初から最後までその詰め合わせ。だからなんだと言う以外にない。
本質は偏見というよりも、本人たちの問題で、
本人たちがどう捉えているかが問題だと気付くのはいいが、その気持ちを描写していないのが残念だった。(しているつもりなのかもしれないがあれでは足りない)
そしてこれは余談たが、こういう映画を見て大きく感情を揺さぶられる人は普段から圧倒的に人を見ていないと思うのでまずは自分の身の回りを見る目から変えていって欲しいと思う。
#his
この手の作品はあんまり見たことがないので、
どんなものか心配でしたが…
役者さんがとても自然体で、優しくて、
映像もゆっくりと進んでいくので、
力まずに見ることができました。
あと、考えさせられましたねー
ネタバレに入るかもしれないので
あまり言いませんが、
恋人や家族や子どもとか、
パートナーや片思いの相手とか、
元カレや前の妻とか、
「好き」にはいろいろな形があるんですね。
そんなことに気がつかせてくれました。
エモすぎる宮沢氷魚と藤原季節
BLというジャンルの映画作品は何度かみさせていただきましたが、その中でもダントツいいです。宮沢氷魚くんの役は口数の少ない同性愛者という役だったのですが、そのような難しい役の中で宮沢氷魚くんの表現の仕方が素晴らしかったです。エモ散らかしてました。
BLというと、ありえない設定のストーリーやネタに走ることもあるのですが、hisという作品は現時代において同性愛者への偏見にどう向き合うのかというしっかりしたコンセプトがあり、その中で起こる離婚裁判、子育てという問題が起こるたびに人を愛すだけでは済まされないこともあるのだなと考えさせられました。
とりあえず見てほしいです。藤原季節と宮沢氷魚のタッグは強過ぎた。
この年になったら男も女も関係ない
美しい山と川に囲まれた白河の町に住む主人公と、娘を連れてきた元恋人を淡々と描きながらも、
同性愛者だけでなく、働く女性の生き方、シングルマザー、過疎化、高齢者、都会と田舎など様々に考えさせられる映画でした。
はっきりと解決できるような問題ではないけれど、
自分に正直に、悪いことしたら素直に謝ろう、それが一番大事なことなんじゃないかな。
人生、短いようで意外と長いし。
そして、男だ女だなんて関係ない。
温かい気持ちと小さな勇気をもらったそんな素敵な映画でした。
宮沢氷魚くんの透明感がすごい!今後も楽しみな俳優さんです。
誰かを大切だと思う気持ち
性的マイノリティとか関係なく、誰かを大切に思う気持ち、親を子を思う気持ちも全部愛。
ゲイだとしても、自分の子供を母性なのか父性なのか、心から大事にしたいって愛情が、季節くんの表情や行動で演じられてたと思います。
村の人達が優しくて、房子さんをはじめ、亡くなってしまった源さんの掛けてくれた言葉が暖かくて涙が溢れました。
どんな人も差別なく、自分らしく生きていける社会になってほしいと思った作品でした。
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