「ナイナイなれ」フェアウェル marさんの映画レビュー(感想・評価)
ナイナイなれ
余命わずかな家族に、その事実を告知するか否か。
社会の最小単位でもある”家族”の葛藤を通して描くのは
アメリカと中国の文化の違い、そしてその葛藤に揺れ動くビリーのアイデンティティだ。
美しい画面構成と滑らかな語り口のストーリー進行で、割と淡泊な表現。
詰め込みすぎず、常にこちらへ考える余白を与えてくれるような作品で
今後のこと、家族のこと、自分自身のことなど、鑑賞中にはいろんな事が頭をよぎった。
きっと誰にとっても自分を全肯定してくれるナイナイは必要で
それは同時に、自分も誰かのナイナイになれるということでもあるんだと気づかせてくれた。
地味だけど、それこそ人生を豊かにしてくれるような示唆を含んだ名作だと思う。
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