オフィサー・アンド・スパイのレビュー・感想・評価
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映画としてはつまらない
史実なのだからつまらなくても仕方ないのだが、この内容なら再現ドラマで十分。上層部に逆らってまで真実を暴く動機が不明で、ラストも再審しても有罪。ピカールとドレフュスに関係が生まれるわけでもなく、淡々と事実を重厚な語り口で見せられるだけの映画。フランスの「反ユダヤ感情」が影響していることは見ていて重要なのだが殆ど説明されないのも不親切かな。
不倫してる清廉潔白でもないピカールがそこまでして真実を追い求める理由が不明だし、クライマックスの法廷シーンも消化不良で、敢えてカタルシスを感じないように演出してるとしか思えない。映画を見に来ているんだからせめてそこはスッキリして劇場を後にしたかった。自らのキャリアに重ねた結果だったのか?
偏りや演出めいたものを感じるけど─
過剰なドラマを多少感じるけど、歴史的な事柄を淡々と述べている印象も不思議と同時に感じたので、歴史的な出来事がこれほどまでに面白いとは!という感想です
酷い出来事であり、しかも偏見とか政治とかスキャンダルが複雑に絡んでいて、この事実を歴史として学ぼうとするとかなり難しく思うだろうし、正直嫌になってしまうところだろうけれど、これほどまでにドラマティックに描いてくれると、何の苦もなく歴史的事柄が頭の中に入ってくれるような気がしました。決闘とかスキャンダルとか暗殺とか、一つの事件であらゆる出来事があったからこれほどまでに面白いのだろうけど、それプラス愛の力が大きいのかも─。歴史の教科書には愛というものはなかなか盛り込みづらいと思うので─。
難しい出来事を、質の高い演出・演技、映像でもって非常に分かりやすく再構成してくれていて、かなり見やすい作品でした。
顔の見分けがつかねえ!
2022年劇場鑑賞130本目。
史実によって描かれているということで、不倫している人は実際にも不倫しているということでしょうか。
主人公だと思っていた人が投獄され、実はこの投獄はフェイクで、スパイとして活躍する話なのかなと思ったら主人公は別の人だったぜ!
みんな口髭に軍服なものですから、結構画面の中にいる主人公を見失う事があり、困りました。諜報部の部下たちは結構個性的なビジュアルをしていて分かりやすいのですが。
ポスターには大逆転劇!みたいな感じで書いてあったのですが、そこまでスカッとしなかったのでこれくらいの点にしておきます。
安倍ちゃん、見てみろよ
見ても忖度尽くしのこの国がより、大好きになるだけかな。
信条、思考に拘らず、真実を追う。
この話は良かったよ…
人として、かくあるべき、オレもこうやって生きていきたい。籠池、加計、厚労省、その他忖度まみれの連中はどう思う?
ポランスキーにとってはブーメラン
少女への淫行で米国に入国できないポランスキーにとってはブーメラン的作品。本作で良心と法律に従うことを主張するのであれば、ポランスキー本人も米国の裁判所に出頭すべきともいえる。
それはさておき、88歳の巨匠ポランスキーの手腕は衰えておらず、ドレフュス事件を描いた本作も法廷劇として秀逸。権力の欺瞞に立ち向かうピカール中佐を高い緊張感を維持しながら描き、語り口のうまさはさすが。
なんとなくしか知らなかったドレフュス事件について知れたのも良かった。
えっ?
86本目。
まあ、ざっくり言えば謎解き。
アナログな手法で、どう紐解いていくか楽しみではあった。
きっかけは分かるけど、なんかボヤけてる感じ?
真相に近づくにつれ高まっていく緊張感、組織の壁みたいなのが弱すぎて。
それぞれにドラマもそれ程感じないし、盛り上がる所でも、なんかイマイチ。
最後も、えっ、それはいるかなと思ったけど、あのシーンで彼の存在が軍では、目障りだったのでは思ってしまう。
うーん、理解するにはなかなか難しい作品のようです
ユダヤ人であることから無実の罪を着せられたドレフュス氏を、自分が属する軍組織からの迫害にかかわらず擁護し真実を明らかにした軍人(ピカール中佐)が主人公の物語です。
この作品を理解するためには、
・フランス革命を起源とする「自由・平等・博愛」という標題は単なるお題目に過ぎず、ユダヤ人差別が現存した(とういうか、一般庶民が積極的にユダヤ人を差別・迫害していた)という前提を知っておく必要がありますね。
・また、1870年のプロイセン(ドイツ)との戦争においてフランスは大敗していることも知っておいたほうが良さそうです
・ついでにいえば、陪審制とか決闘裁判?とか、フランス独自の法制度を知っていればさらに理解が深まるでしょう。
ドレフュス事件については、19世紀末のフランスでユダヤ人差別の事件があったことだけ知っている程度で予備知識なしにこの作品を見ましたが、時代背景を知らないとちょっとハードル高い感じがします。
ちなみに監督は少女への性的虐待で訴えられたポランスキー氏。それを理由に、この作品を批判する人もいるとのこと。
一方で、ポランスキー氏の家族もユダヤ人でナチスに殺された事実があるそうです。
監督がこの作品を作ろうとしたことに何か思惑があるのでしょうか・・・?
理解するにはなかなか難しい作品のようです。
世は変われど、人の本性は変わらず
『エミール・ゾラ』の評伝を読めば必ず触れられる
「ドレフュス事件」。
十九世紀末のフランスでの免罪事件に対し、
彼が新聞紙上に「J'accuse」と発表した公開状。
いみじくも劇中では「私は弾劾する」とも訳されているし、
「私は告発する」でも良いのだが、それが本作の原題。
それを〔オフィサー・アンド・スパイ〕などと翻案した、
日本の配給サイドは相変わらずセンスが無いと思ったけれど、
元ネタの小説のタイトルが〔An Officer and a Spy〕らしく、
そこから頂いたのね。
確かに『ヒッチコック』による〔私は告白する/I Confess(1953年)〕や
直近では〔私は確信する/Une intime conviction(2019年)〕もあったりで
それなりに苦肉の策とは失礼か、理由のあったことと思われ。
とは言え、今回の主人公は『ゾラ』ではなく
陸軍中佐の『ピカール(ジャン・デュジャルダン)』。
諜報機関長への就任を契機に、スパイ事件の調査を始めたところ、
件の事案に行き当たり,
どうやら『ドレフュス(ルイ・ガレル)』は犯人ではないのでは?と
疑念を持ち始める。
大尉は嘗ての教え子だったこともあり、その人となり、或いは
懐具合や、国への忠誠度についても該博な知識を持っていた背景もあり。
所謂、正義の人である『ピカール』は疑いを晴らすために動き出すのだが、
そのことが却って、自身に災厄をもたらしてしまう、との筋立て。
監督の『ロマン・ポランスキー』は、当年取って八十八歳。
が、その年齢をとても感じさせない、重厚な造り。
スリルありサスペンスあり、裁判や決闘シーンありと、
起伏のある描写とシチュエーションもテンコ盛り。
もっとも、その決闘については、「決闘裁判」なのだろうか
ことの次第が判らず、戸惑ってしまったのは正直なところ。
また、登場人物は皆々口髭を生やした類似の相貌のため、
人物の識別と関係性理解に苦労する、との
日本人らしい悩みもあったり。
本作での気づくべき点は三つほど。
ユダヤ人への偏見
官僚制の腐敗
愛国心を隠れ蓑にした欺瞞
ユダヤ人商店のウインドウに「ダビデの星」を書きなぐり
破壊するとは、その後の「水晶の夜」にも繋がるような所業。
監督もユダヤ人であることから、どうしてもこの種の描写は
熱めになるのかな。
権力が必ず腐敗するのは世の常。
保身に走り、その為には、善良な第三者の犠牲など
屁とも思わなくなる。
そして、愛国が居丈高に唱えられる際には、
その裏に自己の都合の良さが隠れていることを
常に疑ってかかることの必要性。
しかし、この何れもが、今でも
世界中で或いは身近で起きていることではないか。
百十余年の時を経ても、社会は、或いは人間は
何も変わっていない。
原作者の『ロバート・ハリス』は、〔The Ghost〕との小説も書いており、
『ポランスキー』はこれも〔ゴーストライター(2010年)〕として映画化している。
俳優や脚本家とは勿論のこと、
小説家との相性についても
改めて思った次第。
ユダヤ人の迫害ってナチスだけじゃなかった事をあらためて学んだ
1894年、ユダヤ人のフランス陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を漏洩した容疑で終身刑を言い渡された。対敵情報活動を率いるピカール中佐はドレフュスの無実を示す証拠を発見し上官に対処を迫ったが隠蔽を図ろうとする上層部により左遷されてしまった。ピカールはゾラらに支援を求め、権力や反ユダヤ勢力との闘い、ついにドレフィスは無罪となる話。
観てて面白くはないが、この事件もイスラエル建国のきっかけとなったらしく、ユダヤ人にとっては重要な事件だった事を知れて良かった。
真実はいつもひとつ、だが語られるとは限らない
ドレフュス事件を下地に《明かされない真実》に対して焦点を当てた作品。
さすがはポランスキー作品。相変わらずの映像美ですね。当時の環境を最大限に活かしたセットにキャスト一同の佇まい。もはや絵画と言っても過言ではないです。その一方で『開かない窓』や『探すことすら面倒くさい鍵の束』など、ビジュアル重視すぎておよそ実用性に欠けた小道具(花形であるはずの陸軍の怠惰な生活が垣間見える)との落差がなかなかに笑えましたが。
これまでのポランスキー作品に比べ、非常に観やすかったと思います。基本は一本道。ヤマはエミール・ゾラ登場の場面でしょうか。
この場にコ◯ンくんがいたら「蘭姉ちゃん、この時代っていろいろと面倒くさいね」とぼやいていたかもしれません。物証もアナログであれば提示もアナログ。そこに偉い人達の胸先三寸が加わるので、もうどうしようもない。
単調ではありますが、ラストの内容を含めていろいろと考えさせられる良い作品でした。
J'accuse!
J'accuse!
この邦題を考えた者を。
なぜ、国内上映するときにこのように作家の渾身の語句を無惨なまでに切り刻むのか!
J'accuse!
その邦題に無批判に乗ってしまう配給会社を。
これではかえって映画の価値が下がってしまう。今となってはもはや手遅れではないか!
J'accuse!
そんな映画に予習せずに臨んだ者たちを。
なぜ、諸君は、この後、慌てて世界史の教科者やWikipediaを今更ながらに読まずにはいられなかったのか!
ー Moi aussi...Vous devez vous préparer avant de regarder ce film!
J'accuse!
映画が始まって20分でいびきをかき始めた前列の男性を。
開始直前に入場し、気になるほど背もたれから頭を出し、すぐ後ろの老年の男性が見にくいそぶりをしていたことに気づかなかったのか!
そして、ずるっと、座席に沈み込んで間も無くすぐさま撃沈のいびきをかき、近隣の観客がその音にが気になったことを気にしなかったのか!
J'accuse!
自分が次回上映予告作品のパンフをもらおうとしてラックの前に行こうとしているにもかかわらず、その前に立ち塞がっていた若きカップルたちを。
諸君らは、何を求めて映画館に集うのか。君らの目的は岡田健史なのか!チケットを求めるにせよ、オヤジの楽しむを奪うな!そんな君たちは、こんな映画ばかりか今上映している『教育と愛国』さえ関心がないだろう!共演ついでの阿部サダヲでも見て『シン・ウルトラマン』にでも行ってくれ!
という愚痴をこぼしているナラバ・・・Je m'accuse!
ここまでSuivez les mots d'Émile Zola!
J'accuse à ce pays d'avoir ignoré les activités criminelles de l'ancien premier ministre!
きな臭いものにはJ'accuse!
オフィサー・アンド・スパイを見て感じたこと
1 スパイ行為により投獄された男を巡り、上層部に抗いながら真実を追求する軍人の姿を描く。
2 映画は、スパイ容疑で有罪となったドレフュスの軍籍剥奪の公開披露の場面から始まる。とても絵画的で重厚な場面づくりとなっている。そしてその雰囲気は最後まで崩れず史実の映画化としてやや重たいものの格調高く進んでいく。
3 事実を隠蔽し、証拠を捏造していく軍部上層部の憎々しい醜悪な姿。それに対するピカ−ルの高潔な姿は、絵柄としての対比は明確すぎるほど戯画的となっていた。そして軍部という組織の人間でありながら信念に基づき対峙する中佐の心意気やカッコ良さ、知識層の後ろ盾を得て司法に舞台を移す賢明さに感情移入してしまった。
4 中佐は、ユダヤ人を好まずドレフュスの逮捕に職務上関わっていた。その一方、ドレフュスの無実を信じ、妥協することなく組織に徹底的に楯突き、投獄までされる。それでも挫けない。何故にそこまでするのか?行動原理は全くもって理解し難い人物である。私生活では、未婚で政府高官の妻と不倫関係にある。ポランスキーは、この人物を史実にそってあるがままに捉えていたように思う。そして、映画的にはラストの中佐と不倫関係にあった女性との会話は、味のあるシ−ンであった。
5 本作は、終局に向けて急転直下のあっけなさではあったが、ポランスキーは途中のダレることのないドラマ仕立てや巧みな人物造形、サスペンスの醸成に冴えを見せた。
隅々まで丁寧に描かれた硬派映画。想定外、ラストの1分で泣かされた。
決して親ユダヤではない、けれどもおかしいことはおかしい。真実を追求するその純粋さを貫くだけのことの困難さ。これは過去のこと、、、ではないのだろうなとに思わされる。
19世紀末のフランスの町並みが美しい。「太秦」のような人工的なロケ地を設けなくても、ロケ地には困らないのだろうな?と思われる国が羨ましい。
一番びっくりしたのは、急に中世かよ!?の決闘シーン。当時の法体系?慣習を学びたい
。そもそも私はドレフュス事件を理解していなかったのだ。近現代史、学び直そう!
ところでラストのシーケンス。決して人間同士ウエットなつながりはなかった二人、であるがゆえドライに互いをリスペクトしつつも、主張は曲げず物別れした男二人の筋の通し方。ラストの字幕にグッときた。
ラストシーンいいですね!
127年前の実話 ドレフェス事件、長い裁判で結局有罪。7年後に無罪判決!
ピエールの行動は、素晴らしい!想像を絶する困難だったと思います。
弁護士を打った若者は、将軍の指示?
恐ろしい現実
強い。。
釘付けとはこういうことなのかと。
実話なので抑揚もなく淡々と過ぎていくのだけど。。
正義、信念が、ピカール、ドレフュスどちらも揺るがない。。
誰のためとかではない、真実を突き止めるには強靭な精神、そして何より恐れず卑屈にならないこと、わかるけど大変だよ😅
ふざけたこと言わして頂くと 登場人物のほとんどがフランス軍人で 時...
ふざけたこと言わして頂くと
登場人物のほとんどがフランス軍人で
時代のせいかほぼ皆が同じような口髭だったので
顔の見分け方が難しかった。
映画は良かった。
〝誰か〟ではなく、自分の職務に忠実であることの強さ
ピカール中佐。
この人の本質的な強さ、それは人間性に目覚めたとか、反権力とか、思想・信条が強いとか。
たぶん、そういうことではないのです。
公僕として、とことん仕事と職務に忠実なのです。
だから、少し想像力を働かせれば、〝上〟がなんらかの関与をしているはずだ、証拠だって握り潰されてしまうのではないか、などとわかるはずなのに、それほど深く考えずにラインの上司に報告してしまうのです。馬鹿正直なほど真っ当なのです。
彼にとっての優先事項は、真犯人放置によって、彼の務める国家への損害が拡大するのを防ぐために、真犯人を早く逮捕することであって、冤罪を晴らすのはその結果に過ぎないのです。
たぶん左遷された後も、現地での仕事は淡々と責任感を持ってキチンとこなしてたと想像できます。
仕事のスタイルにブレのない人への信頼…これって結構強いのです。
プライベートな付き合いが無くても、この人は信頼できる❗️と思うことは実際の仕事の中でもあります。
ウエットな人間関係から生まれる信頼は、時には、〝裏切られた〟というように反転することもあって、実は脆いし、そもそも本当の意味での信頼関係なのかも疑わしい。
事件に関する歴史的な背景などの知識がなくても、自分の仕事、自分の職務、自分の役割をしっかりとやり続ける人がいることが、どれだけその社会にとって得難いことなのかを勉強できます。
つまらなかった。私の期待が大きすぎた。
ドレフィス事件は、無実のユダヤ人が犯罪者に仕立て上げられて、フランスで大事件になったことは知っていた。その内実が分かる映画かと思っていたら、ドレフィスの冤罪を晴らそうとする軍内部の将校の物語だった。ポランスキー監督も90歳近くとなり、かっての鋭さはもうなくなっている。テンポもゆっくりで退屈してしまう。
主人公がショーン・コネリーに似ていた。昔、日本で活躍していたモデル兼女優のジュリー・ドレフィスというフランス人がいた。彼女は親戚なのだろうか。
テーマは、不正の追及ではなく、ユダヤ人差別の方か?
所属している組織の不正を知った時、自分ならどうするだろう。この映画の主人公のように、ことを荒立ててまで正義を貫こうとするだろうか?もしかしたら、波風の立たぬよう見て見ぬふりをして、丸く納めてしまうのではないか?フランスの歴史的な事件が題材ではあるが、日本でも同じような事件は起きており、どうしても自分に当てはめて考えてしまう。
ところが、ラスト近くになって、これは、そうした正義を貫いた人間を称える映画ではないらしいということが分かってくる。裁判としては敗訴の連続で、冤罪の確定は字幕で説明されるのみ。軍の上層部が失脚したという描写はなく、不正を追及した主人公は栄進するものの、ドレフュスの昇任の願い出は却下されてしまうのである。歴史的事実を正確に描いただけなのかもしれないが、それにしても、劇映画として、勧善懲悪のカタルシスがなさ過ぎる。
結局、監督が本当に描きたかったのは、ユダヤ人差別の根深さと、社会の分断の深刻さだったのではないか?そんなことを考えさせられるラストだった。
後味の悪さ
実際の事件通りに話が進むので、モヤモヤイライラ。
軍がでっち上げた証拠の捏造クオリティが低すぎて、そりゃ騙せないだろうと何度もツッコミたくなる一方で、権力者側が口裏を合わせて押し通す恐ろしさはリアリティたっぷりでありました。
ただ、軍部とカトリック教会の反ユダヤ主義と反共和制・右翼国粋主義者の台頭により、国家が再審派と軍肯定派の二つに分断されたことが事件の背景でありながら、軍だけにフォーカスして教会や政党の関与が、わずかしか描かれなかったのが不満だったことと。
主人公のピカール中佐は、自身の潔白のためと、軍の風紀を正すために裁判で戦うので、最後までユダヤ人のドレフュスが差別されることについては当たり前だと肯定的な態度なのがつらかったです(史実通りなのかもしれませんけれども)。
個人への差別に集約した見せ方が、テーマ(ユダヤ人差別の悪質さ)は伝わるという判断だったのかもしれませんが、まぁ、後味の悪い作品でした。
これが狙い通りだったとしたら、とても「映画賞で好まれる」作りなんだなと思いました。
ちなみにこの事件がきっかけで、フランスでは政教分離政策が進んだことと。
欧州のユダヤ人差別の酷さが露呈し、ユダヤ人国家建設を目的とするシオニズムが提唱され、イスラエル建国に繋がっていったこととが歴史的意義ではあったのですが、そのあたりには触れられていませんでしたね。
全109件中、81~100件目を表示