「高潔であっても清廉とは限らない」オフィサー・アンド・スパイ lynx09bさんの映画レビュー(感想・評価)
高潔であっても清廉とは限らない
フランスの軍事裁判で起こった冤罪事件と内部告発の映画化。実際の事件なので、劇的な展開や終局があるわけではないのだが、ロマン・ポランスキー監督(色々と有名)の手腕により、見事なサスペンスに仕上がっていました。
アンリ少佐(中佐)。わかりやすく演出されていたので、皆が自業自得と捉えそうなのだが少し物悲しさが漂う。「ああいう存在」として組織に作り上げられてしまった側面は否めないし、その点に於いて現代日本社会でもよく見受ける存在な気がする。主人公の様な、「有能だが面倒くさい人」の方が取り込まれない強さを持っているというのも寂しい皮肉か。
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