「現代にも、日本にもはびこる巨大勢力の闇と隠蔽、文書改竄…。本作からたっぷりと学べる!」オフィサー・アンド・スパイ あささんの映画レビュー(感想・評価)
現代にも、日本にもはびこる巨大勢力の闇と隠蔽、文書改竄…。本作からたっぷりと学べる!
歴史的冤罪事件“ドレフュス事件”を映画化した本作の見どころは、歴史的背景を感じる衣装や芸術はもちろん、腐った巨大権力に果敢に戦う男の生き様、“正義”が描かれている。
ユダヤ系のフランス陸軍大尉ドレフュス(ルイ・ガレル)はドイツに軍事機密を漏らしたスパイ容疑で逮捕されが、その背景には、権力にしがみつく軍人や、反ユダヤ勢力の影響が。
ピカール(ジャン・デュジャルダン)がドレファスの無罪の証拠を見つけて、上に報告するも、文書改竄、証拠隠蔽する上層部たち。その非人道的な対応や不条理さにジリジリと強い憤りを感じる。
本作のロマン・ポランスキー監督は自身がフランスで生まれた後に3歳の時にポーランドに移住。第二次世界大戦中にナチのユダヤ人狩りで両親を収容所に送られ、自身も逃亡生活を送るなど壮絶な経験をしている。そんな彼だからこその作品、力強いメッセージがひしひしと伝わってくる。
※以下ネタバレ
あの手この手で証拠を隠蔽しようとする哀れな上層部とその下僕たち。最後の大逆転には嬉しいものの、イマイチすっきりしない描き方。あとは、アンリ少佐は自死だったのか?ラストのラボリ弁護士を射殺した男は何者?雑木林で追いかけてどうなった?
などなど謎がたくさん残るところが少し残念。
とはいえ、サスペンスとしては見応えのある作品。ドレフュス演じたルイ・ガレルの普段のイケメンっぷりが見られないことにも驚きと、彼の役者魂に感服!あの頭は特殊メイクなのかしら?
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