「感性で楽しむことそして共感もできず…」ベイビーティース KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
感性で楽しむことそして共感もできず…
予告でうたっている通り主人公の16歳の少女ミラが大病(多分白血病)を患ってるところから作品は始まる。
そして作品が始まると同時に後の恋人となるモーゼスと出会う。
ミラの父は精神科医であり家も大きく、学校や習い事の背景などから育ちの良さが分かる。
一方モーゼスは実の母に勘当され、決まった住まいもなさそうであり、その場凌ぎの生活を送るいわゆるアウトローな生活をしている。
モーゼスが当初ミラに近づいたのもお金を借りる事や、家にある数ある薬を盗みそれを不当に売り捌くのが目的であった。
もちろんミラの両親はモーゼスがミラに近づくことを許さない。だがミラは残り少ない人生を彼と過ごすことを
強く望みその攻防が序盤から中盤にかけて続く。
体感で多分ラスト40分切ったくらいで両親がミラの願いを聞く決断をしモーゼスを自宅に招き入れ一緒に過ごす。時が経つに連れミラへの愛情は強まり、そしてミラの家族との間にも信頼や愛が芽生え、ミラの最後まで共に過ごす事となる。
主人公が大病を患い残りの人生を恋人というパターンの多くの作品とこの作品が異なるのは、主人公のミラが病気になるまでの背景や回顧するシーンが少ない。
病気だから、残りの時間が限られてるからといって時間を逆算して過ごすのではなく一瞬一瞬を本能的に生きる美しさは描かれている。本能的に生きる事をミラ自身が大切だと望んだからこそ、後先考えず野生的に生きるモーゼスに惹かれたのではないか。
その為決してドラマ性の濃い作品ではない。アートチックな描写が多かったり感性で楽しむような作品に感じた。
あまりアート系だったりこのタイプの感性を持ち合わせてない未熟な僕にはあまり楽しむ事はできなかった。
またミラの気持ちや意思なんかは理解できたつもりでいるが、どうもモーゼスの存在が共感できず。
その辺は主観性をなくしいかにミラの気持ち視線で見れれば共感に繋がるんだろうけどダメであった。
色彩や音楽なんかも綺麗で美しい作品ではあった。
それとミラ役のE.スカンレンの恋愛経験が少なくあの初々しい演技はとても魅了される。親目線のような視線で時には可愛らしい気持ちに、時に切ない気持ちにさせられる。