劇場公開日 2020年10月9日

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「時に目を背けたくなるような残虐・暴力描写が映し出すのは人間の業、戦...」異端の鳥 よしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時に目を背けたくなるような残虐・暴力描写が映し出すのは人間の業、戦...

2020年10月11日
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時に目を背けたくなるような残虐・暴力描写が映し出すのは人間の業、戦時中に顕になる大人の野蛮な歪み。そんな中で主人公の少年は酷い目に遭いながらも行く先々で健気に生きようとする……と思いきや。彼もまたそうした一種"狂気"的なや闇に飲まれ変わっていくよう。タイトル(原題)が深い。
35mmフィルムのモノクロによる見事な撮影。正直、(戦時中)子供や主人公が酷い目に遭いながら様々な場所や人の元を渡り歩いていくというプロット自体を追いかけたとき、それ自体にすこぶる目新しさがあるというわけではないかもしれない。ただ、それでも主人公の少年が次々に遭う生き地獄的所業はじめ熱量がすごいし、監督・脚本・製作すべてを自らで務めたヴァーツラフ・マルホウの表現者としての逃げない姿勢に感服。
セリフ少なくとも、だからこそ際立つ役者陣の熱演。ヨーロッパが誇る名バイプレーヤー安定のステラン・スカルスガルドに、すっかり作家主義な映画に出まくる姿勢がひたすら好感な名優ハーヴェイ・カイテル。この二人は、自らの保身や猜疑心・嫉妬と欲に忠実な大人達ばかり出てくる中で数少ないまともな良心のキャラクター。バリー・ペッパーは『プライベート・ライアン』の頃から狙撃手がよく似合う。

JOSKA

今年映画館鑑賞56本目たぶん

今回のクソ客:ビニール袋で食べ物やら飲み物やら持ち込んでいる男性が隣で、箱のチョコか何かだと思うけど何度も開けては閉めて繰り返していて、「ずっと開けておけよ!」と思った。しかもめちゃくちゃ嫌いな、定期的「ふぅ〜〜〜」みたいな息吐くタイプに、欠伸まで!欠伸くらい音殺してできるだろうが(気持ちは若干分からなくもないが)

とぽとぽ