「鯉のバカンス?」私のちいさなお葬式 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
鯉のバカンス?
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タイトルから、生前葬を企てる老婦人のブラック・コメディかと思ったら、小津映画のような人情ドラマでした。
主人公は田舎の小学校の元国語の教師、夫は先立ち、一人息子は都会で仕事に追われる日々、この辺の設定も小津映画っぽいですよね。心臓病を患い余命宣告された主人公が自ら葬式の支度にとりかかります・・。
本人が出した死亡診断書を受けるお役所なんて、可笑しいし、冷蔵庫に入れられた鯉が生き返ったり車の鍵を飲み込むなんて突飛な脚本、原題Karp otmorozhennyy(凍傷の鯉)なので鯉が息子を引き留める重要な役割は端から確信的だったのですね。釣り人に釣られ主人公に助けられ、また、息子に池に戻されますが、またしても釣り人の影、この鯉は神の使いだったのでしょうか・・。
そして何より驚いたのはエンドロールで流れる曲、なんとザ・ピーナツの「恋のバカンス」じゃありませんか、調べてみたら当時のゴステレラジオ(ソ連国営放送局)東京特派員のヴラジーミル・ツヴェートフ氏がこの曲をいたく気に入って本国へ持ち帰り、1965年にソ連でレコード化、大ヒットしたそうです。
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