天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒントのレビュー・感想・評価
全3件を表示
邦題は間違い。 また、民主主義ゆえ、政治家はCreativeでは無い
邦題はそもそも間違い。
政治家をクリエイティブと表現すべきでない。マンデラ、アラファトがクリエイティブだから、今がある理由ではない。勿論、ダライ・ラマにしても同じ。宗教家に哲学を語らせるべきではない。勿論、物理学者がクリエイティブだとすれば、アインシュタインを超えたかで決まる。
クリエイティブな天才は一人もインタビューされていないと思ったが。
インタビューされたクリエイティブな人の名前は知っていても、彼らが作った作品は一つも知らない。
デビット・ボウイは知っていても、彼の作曲した曲って知っていますか?
スタンダードとして残っている曲ってなんですか?
膨大な奇天烈インタビュー集
ハーマン・バスケ監督がこれまでの映画作りで知り合った人脈、著名人たちを中心に30年の歳月を費やし、延べ千人を超える人々に「Why Are You Creative?」とインタビュー、その内107人を紹介したドキュメンタリー。その根気と情熱に釣られて面白く鑑賞。
なぜあなたはクリエイテイブかと聞かれて否定する人は殆どいない、インタビューを受ける人は自他とも認める人生の成功者たちだからでしょう、ビルゲイツ以外は快く答えていた。
日本人ではデザイナーの山本耀司、ポルノ写真家の荒木経惟、北野武が出ていたが、たけしへの質問はアラーキーの後でもあり映画製作のモチベーションは性欲に依るかという陳腐なもの、たけしさんは性欲も食欲も関係ないと全否定。大概の答えは無難で予測可能なものでしたが、印象に残ったのはスロベニアの哲学者スラヴォイ・ジジェクさんが、保険会社に勤めていたカフカが書いた報告書(カフカの法文書集)は小説より優れていたというエピソード、読んでみたくなりました。
『ナポレオン・ヒル』
中学・高校と通っていた美容室の店長に貰った本がある。いわゆる自己啓発本だ。その作者は鉄鋼王アンドリュー・カーネギーにインタビューをした事をきっかけに、他の金持ち達のインタビューを繰り返し、その中から共通項を見出し、それを元に自分も金持ちになったという話である。今、wikiで調べると相当な作り話ということだそうだ。確かに今作を観て、改めて共通項なぞ殆ど存在しないことが理解出来る。そんな千差万別の成功体験の羅列を観ても正直何もインスピレーションなど湧かないし、そもそも『クリエイティヴ』なんていう抽象概念の代表みたいなモノを聞いたとて、凡人の自分じゃさっぱり解らない。ま、言ってる本人達も尤もらしい事を言って煙に巻いてるんだから、解答など見いだせる訳もない。ラストのミヒャエル・ハネケ監督の言う喩え話が一番しっくり心に残る。「作曲家マーラーが精神分析をフロイトに頼んだら、断られた。理由は、分析によってマーラーのクリエイティビティが失われることになるから」と・・・ 何か少しでも人生のヒントを得たいと思って鑑賞した自分の浅はかさを痛感するばかりである。。。
全3件を表示