キッチン
劇場公開日:1989年10月29日
解説・あらすじ
祖母を亡くし、天涯孤独の身となったみかげは、生前に祖母の知り合いだったという雄一の誘いで、彼のマンションに住むことになる。そこには、雄一の母・絵里子(実はゲイの父親)も同居しており、女ふたり(?)と青年との奇妙な共同生活が始まるが……。映画初出演のスーパー・モデル、川原亜矢子の透明感がハマっている。橋爪功の好演、松田ケイジの不思議な存在感も印象的。
1989年製作/106分/日本
劇場公開日:1989年10月29日
劇場公開日:1989年10月29日
祖母を亡くし、天涯孤独の身となったみかげは、生前に祖母の知り合いだったという雄一の誘いで、彼のマンションに住むことになる。そこには、雄一の母・絵里子(実はゲイの父親)も同居しており、女ふたり(?)と青年との奇妙な共同生活が始まるが……。映画初出演のスーパー・モデル、川原亜矢子の透明感がハマっている。橋爪功の好演、松田ケイジの不思議な存在感も印象的。
1989年製作/106分/日本
劇場公開日:1989年10月29日

フランスで初めての森田芳光監督特集開催、快調なスタート切る【パリ発コラム】
2023年7月1日
韓国人気俳優チュ・ジフン、麻薬使用で書類送検。主演作「キッチン」公開延期
2009年4月30日国立映画アーカイブの特集上映「映画監督 森田芳光」にて鑑賞。本作は、およそ生活臭が払拭された居住空間を主な舞台に、若い女性が無印良品のように「丁寧な暮らし」を送ることによって喪失感から癒されていく話だ。
今観ても浮世離れした設定の主人公を演じる川原亜矢子は、そもそも身体性が無味無臭なので、ズブの素人丸出し演技でもそれが「一種の味」になっていると言えなくもない。
が、しかし彼女と同じくモデル出身で相手役に抜擢された松田ケイジの方はイケナイ。ギクシャクした表情が無自覚に貼りついた身体性、ベタベタしたせりふ回し。これがどうも鼻について物語に集中できない。「俳優」としては同じく素人の入船亭扇橋が大家の役で出てきても、普段から寄席の高座で客の視線に晒されているから、違和感など微塵も感じさせないのとは対照的だ。
一方、「づめさん」こと橋爪功はさすがに堂々と演じ切り、自然体を表出させている。加えて、そのどこかに「小川真由美っぽさ」がうかがえた、と言ったら勘ぐり過ぎだろうか。
そのほか気になったのは、橋爪功の彼氏さん役で出演していた四谷シモン。どこかでも書かれていたが、その風貌がどうも森本レオか寺門ジモンを連想させて仕方ない(3人そろって名前もカタカナ表記だし…笑)。
それはともかく、なんでもない日常の部分だけを切り取ってダラダラ見せるドラマというのは、当時のトレンドの一つだったのだろうか。本作を観て、1988年から91年まで放送していたテレビドラマ『やっぱり猫が好き』を思い浮べたりしたのもそのせいだ。
また、本作で食卓にのぼる料理が物語上、重要な要素となっているところなどは、『きのう何食べた?』に代表される今日の「料理ドラマ」の先駆けなのでは、とも思った。なんでも、当時としては珍しくテーブルコーディネーターや料理担当の専門家(今で言うフードスタイリストのことか?)が本格導入された1本らしい。今ほど、調理する手の動きや料理そのものが大写しに抜かれたりはしないけれど。
ー 主演のみかげを演じた、川原亜矢子さんの事は今作で初めて知ったが、透明感ある化粧っ気のない姿が印象に残った。
この方は、ファッション・モデルとしてトップランナーとして活躍されているそうである。
成程。
”一時に通じる人は万事に通じる”を実践している方なのだなあ。ー
■幼い頃に両親を亡くして以来、祖母に育てられたみかげ。
その祖母も亡くなり、天涯孤独になった彼女は、祖母の友人であった雄一の好意で彼のマンションに住むことになり、雄一の母親で実はゲイの父親(橋爪功)を合わせた3人での共同生活が始まる。
◆感想
・今作は、今から30年以上前の作品であるが、雄一の高級マンションの内装など、あまり時代を感じさせない。
・森田監督の脚本は、原作の要素を残しつつ、大きく改編している。故に、ややバブル時代の要素を感じつつも、品性あるラブ・ストーリーとして屹立している。
ー みかげと雄一は、恋人になるまでは、丁寧語で会話を交わしている。ー
・橋爪功さんのゲイの姿も、「家族はつらいよ」の頑固なお爺さんの姿をやや想起させつつも、違和感がない。
<天涯孤独になってしまった少女を、自然に受け入れる親子の姿や、ピカピカに磨かれたキッチンで、みかげが作る料理の美味しそうなこと。
キッチンが綺麗で清潔な家で暮らす人は、キチンとした生活を過ごす、優しき心を持つ人なのである、と思った作品である。>