「映画はエンタメ」海辺の映画館 キネマの玉手箱 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
映画はエンタメ
2019年、尾道の小さな映画館「瀬戸内キネマ」が閉館になる日、オールナイトで上映された戦争映画特集に訪れた観客が映画の世界に入り込んでしまい巻き起こる話。
戦争映画といいつつ歌謡ショーの様なシチュエーションから劇中劇が始まって、現実と映画の世界が一緒くたになり、3人の青年がスクリーンの中に入って、劇中劇の登場人物となっていく。
中原中也を引用しつつ、戊辰戦争から始まり太平洋戦争まで、沢山のシチュエーションと時間軸を行ったり来たりしながら寸劇を繰り返していく流れで、コミカルさと若干の重さが常に同居し、ブラックな表現もチョイチョイはさんでくる。何故か巌流島もw
基本ファンタジーなところに戦争の無情さや虚しさを織り込んでいる感じで、面白いといえば面白いけれど、似た様な題材の寸劇の積み重ねだし、抽象的なところもあって、果たして自分はちゃんと読み取れているのか…。
あらすじに記されている桜隊が登場するのは2時間過ぎてからw
桜隊が登場してからは結構巻き返した感じだけど、やっぱり長過ぎた。
コロナで延期になってしまったけれど、この作品が当初封切りされる予定だった2020年4月10日に亡くなった大林宣彦監督。
オープニングとエンディングのナレーションに一言ずつだけど監督の声が入っていたり、劇中でも二役ぐらいやってたり、なんか色々と感慨深い。
見たいな、と思いつつ、よくあるパターンかな、と思いつつ、大林監督だし、と思いつつ、の状態です。なぜなら、いきなり香港映画(今でもこういう名称でいいのでしょうか?)にはまってしまい、見たい映画が別の方向に広がってしまいました。これがとても嬉しいんです、実は。生きてると色んなことに、ヒョイと出会うんだな、と実感してます。