ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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監督がダニーに投影されているとしたら他の登場人物もモデルがいるのだろうか?
監督が来日したときに受けたインタビューで、ミッドサマーはホラーではないと言っていた。ダークコメディなのだそうだ。私もそう思う。ホラーの要素には、イノセンスが襲われるというか、とりあえず襲われる段階では、襲われる理由が分からないというところがあるが(あとで判明したりする場合もあるけれど)、この作品では基本的にそんなことはない。なるべくして全てが起きてゆく。そういう意味では始めの5分くらいはホラーだ。
その後は脚本のかねる監督の復讐劇な気がした。舞台がスェーデンなのは完璧にトラップだと思う。おびき寄せられればそれでいいのだ。ニシンはオランダだし。
一体何を見せたかったんだろう。
自分にしか描けない世界観? アートのような美しいサイコ映画? 監督が届けたいことがさっぱり入ってこない映画だった。美術を頑張ってるのも、作りたい絵があるのも分かるが、それだけで120分はのめり込めない。なにより、その世界観というのが、どこかでみたことがあるような、なんとなく既視感があるものばかりだったし、話にドラッグを登場させることで、都合よく撮ってみたい絵を撮っているようにしか感じられなかった(妹の死についても、ありがちな一家心中で、妹と家族とのつながりも何も分からぬまま死だけ描かれるので、ただかわいそうな経験をした鬱気味の主人公、程度にしかパーソナルを掘り下げられてなかった)
儀式のありよう、恋人とのうわべだけの関係性、馬鹿な男友達、集団による強迫観念、喜びや悲しみのない生と死。どれもがステレオタイプの描き方。一見、ステレオタイプに見えないのは撮り方や美術をすこーし凝ってるから。ただ、それだけだった。
冒頭20分、村に着くまではそのすこーし凝ってる、だけで楽しめた。これから先、本質が出てくるんだろう、、、と思って。でも、村に着いてから、凝るだけ凝って、中身はスカスカ。踊って、人殺して、裸写したり、セックス映せば、なんかすごい映画!ってなると思うなよ!
時間の無駄でした。
生命のループの美しさ
個人評価:3.8
こういったジャンルでは良作であり、作品性も高いと感じる。生命のループを描いていると感じ、草木や花など動植物では当たり前の理を、人間に当てはめ描いている。生命の引き継ぎの美しさが根底に流れているので、草木・花や自然の素晴らしさを同時に描くのはテーマと一致し、映像の美しさと恐怖がリンクしている。
また最後に主人公が生命のループに加わる事で、苦悩や恐怖から解放され、単なる恐怖映画ではない想いを受け取る事ができる。
しかしながら生贄を外部から連れてくる事と、この村での鉄の掟が一致せず、その部分の掘り下げが足りない。これでは生贄系の量産型ホラーと変わらない構図になってしまう。他にも表面的なグロテスク描写や、意味の無いホラー要素が作品性を低くしてしまってるのも残念。そのマイナス評価の違和感があるシーンを、完全版で説明してくれれば、そちらも是非見たい。
マイノリティをどこまで認められるか?
昨今世界ではアイデンティティの尊重や、マイノリティを否定しないことを美学とする風潮がある。とくに欧米ではその傾向が強いように思う。
本作はまさにそれらをどこまで認められるか?を問われていたように感じた。
主人公たちは、スウェーデン人の友人から「地元で90年に一度の由緒あるお祭りがあるから行こう」と誘われる。
人間というのは不思議なもので、'お祭り'というだけで奇妙な催しを受け入れてしまう。ここはこういう文化だから尊重しよう、と勝手に納得してしまうのだ。作中であきらかに常軌を逸した儀式が行われるのだけど、主人公たちはそれを戸惑いながらも受け入れる。
もしこれが、「うちの宗教団体で90年に一度の儀式があるんだけど」って誘いだったら即通報してると思う。(そもそも行かなかった可能性が高い。)それだけ'お祭り'というのは世界的にパワーワードであり、人間の警戒心が薄れる言葉なのだと感じた。
いくら他人のアイデンティティに関わる事でも、時には「それってどうなの?」と反発(≠否定)することも必要なのではないか。最近は反発=悪という風潮が強すぎる。この作品は、何でもかんでも受け入れるのが常に善となるわけではない、と言っているように思う。
作中では常時理解しがたい催しが起こり、細かい経緯が描かれていないものも多々あるが、この映画はそこを自分なりに想像したり、理解できないモヤモヤだったりを楽しむ映画だ。観たあとに自分の想像力が膨らむ体験を、ぜひ味わってほしい。
まるでサウナ
公開前の評判がすさまじかったこの映画。ふたを開けてみれば、期待以上にえぐかったとか、期待しすぎて拍子抜けだったとか、いろいろな感想がネットを駆け巡っていた。
私には正直、映画のほとんどが退屈でつらいもののように感じられた。それはまさに「サウナで整うってことを教えてやるよ」と先輩に言われて嫌々交互浴に付き合う後輩社員の気持であった。しかし、私はミッドサマーでしっかりと「整う」ことができた。
まず、ホルガに行くまでが長い。カメラワークも独特で、これから観客を不安な気持ちにさせてやるぞ、という製作者の気持ちが見えるようであった。その状態でおそらく30分…しかもカメラワークだけでなく、内容も面倒くさいダニーとうじうじしているクリスチャンのグダグダ喧嘩がほとんどで、スウェーデンの明るい青空と緑が現れた時にはホッとした。
そしてそこからがまた長い。前振りとして人物紹介をし、コミューンの明るさの中にある不気味さを醸し出していく。特に儀式で命を落とす2人を待っての食事シーンにはイライラした。マークの気持ちもわかるというものだ。
そしてやっと最初のグロシーン。老人2人が崖から飛び降りて顔面や脚をぐちゃぐちゃに破壊する。あとから飛び降りた死に損ないの顔を若者たちがハンマーで砕くシーンは中々。だが、それほどグロくはない。アイアムアヒーローやロボコップが平気なら大丈夫なレベル。
ここまででたぶん、90分くらい。つまり、最初の山場までですでに上映時間の半分以上を使っている。正直、しんどい。しかもここからめくるめく邪悪な儀式に邁進するでもなく、じっとりとした不穏な空気をじわじわと醸し出していくのみ。
しかし、今思い起こすと、不穏な空気の作り方が非常に優れていた。誰かと誰かが険悪な雰囲気になるだけではなく、画に映る全員が各々の目的を基に、一丸となって、”観客に”ストレスを与えるために行動していたのではないかと思わせるほどに、事情が複雑であり、それでいて理解の及ぶものでもあった。大変すばらしい。
ただ、”お客さま”たちをグロテスクな方法で殺害したのは、正直意味が分からなかった。禁忌を犯したマークやジョシュはわからないでもないが、サイモンとコニーは何かしたのか?お客様たちは儀式的な方法で殺さなければならないが、コミューンのメンバーは自分らの自由に死なせていいってのはムシが良すぎないか?
と、コミューンの面々が何を考えているのか全くわからずに、ダニーとクリスチャンの仲もまったくよくならなかったので、いったいこれでどんな着地をするつもりなのだろうとずっと不安だった。クリスチャンが生贄として炎の中で死にゆくときも、考えていたのは「おいおい、あと数分しかないぞ!これで本当に終われるのか!?」だった。
だからこそ、最後のダニーの微笑みで衝撃を受けた。これはコミューンに囚われた哀れな観光客の話でも破局寸前のカップルに起こった悲劇でもない。ダニーの心が救われて”家族”を得る話なのだと。
そこに気が付いた瞬間、私は整ったのでした。
…この整いを大事にしたまま終わればよかったのだが、公式HPで観た人用の解説ページを読んでしまったので、ちょっともやった。簡潔にまとめると、「アリ・アスター監督はこんなにディティールに凝っているよ」という話が延々と続いているのだけど、正直どうでもいい。
もう一度観れば新しい発見もあるだろうが、それはダニーとシンクロして得られる「整い」を上回るものなのか?ダニーはコミューンで共感してもらうことで救われた。ならば我々もダニーに共感して整うことを重要視するべきなのでは?
ルーン文字の意味や儀式的な殺害方法の意図、「隠された顔」など、分解すれば面白いものがたくさん出てくる映画だとは思う。しかし、観るときは無心になって、ぜひ「整う」ことを優先してもらいたい。
2020年ベストムービー!⭐️✨
なんともBad Tripな映画でした…(笑)
仲間が行方不明になり始めてからは、もう最後までただただ悪夢を見せられている…そんな作品でした。
この作品に解釈なんて必要なんでしょうか?(笑)
異文化の中の、アメリカ人の節操の無い感じとか、その不快さとか、分かりやすかったですね…演出だったのかどうかは知りませんが(笑)
この作品、大好きですわ!(笑)
宗教映画
割とありがちな話
この世で一番デートムービーにしてはいけない映画。
私を映画に連れて行かないで❗️
さて皆様、この映画とは全然関係ない話から始めます。
2011年の3月、私は新宿に映画を観に生きました。ホラー映画です。劇場はテアトル新宿。
園子温監督の「冷たい熱帯魚」と言う映画です。とんでもなく血塗れの映画です。何故年月を記憶しているかと言うと数日後に東日本大地震があったからです。
映画が終わり、エンドロールが流れ始まりました。私の並びに居た女性が、そそくさと立ち上がり退出しました。その表情が完全に無表情!
全ての感情が無い。能面。
二人の男性が残っています。やっちまったなあ!多分職場の同僚でしょう。
しかし私は女の人の瞳を見て感情が分かってしまった。こう言ってました。
私を映画に連れて行かないで❗️
そりゃあそうだよなあ。こんなド外道映画、無理矢理連れてこられてかわいそう。
男の方はいわゆる【吊り橋効果】を考えたんだろうな。わかるよ。わかる。でもね程度ってものがあるんだよ。この映画は劇薬だからね。しかも実話ベース。
私はアサヒ芸能の連載から読んでるし、もちろん書籍も読んでる。殆ど馬鹿だけどね。だから逆に緩く感じた。本物の関根元はもっと鬼畜だよ。なにしろボディを透明にしちゃうんだからね。
さて余り面白くもない枕が終わりました。この先はネタバレが含まれている可能性が有ります。読まない方が良いですよ。
まずはTOHOシネマズ市川コルトンプラザさん。パンフレットが完売ってなに?割高な値段なのは上映中は欠品できないからでしょ?本八幡から15分も歩いて行ってるんだよ。だめでしょうが!
物語はアメリカ人の学生たちが北欧のスウェーデンに行く所から始まります。主人公の女性ダニーは心を病んでます。家族全員が不慮の事故により亡くなっているからです。
ストックホルムからさらに車で進みます。カメラは後方から車を追いそのまま真上に、そして前方に回り天地が逆転します。足元には空が広がり、いわば深い穴のようです。底が見えない穴。
不安感を増幅させる演出です。
やがて車はスウェーデンの奥地の村に着きます。90年ごとに行われる祝祭。白夜ですので画面は明るく、村人は白い服を着ています。まるで上九一色村のあの宗教団体のようです。
ここの住民はフレンドリーなのですが何かがおかしい。
そしてあるショッキングな出来事が・・・
不快感を煽る演出が続きます。どこからかずっと聞こえる赤ちゃんの泣き声、野外の食事にハエ、不吉なタペストリー。唐突にインサートされる奇妙な人間。
どこか「悪魔のいけにえ」の狂人一家を思わせます。と言うより間違いなく影響を受けています。
彼等には独自の教義があるようです。掟と言い換えてもいいでしょう。それに背くと不幸な事が起こります。ある意味連合赤軍のおぞましさにも通じます。
食事は屋外で村人みんなで取ります。ある日の事、ダニーの彼氏クリスティンの食事に信じられないものが入ってました。それは書けません。
そうして衝撃のエンディングへ・・・
この映画は万人にはお勧め出来ません。「冷たい熱帯魚」「悪魔のいけにえ」そしてアリ・アスター監督の前作「ヘレディタリー 継承」など不快な映画を楽しめる方なら大丈夫でしょう。
くれぐれも職場の同僚の女性を連れて行ってはいけませんよ。バーンって実弾を発射されますよ。あなたがお魚ちゃんのご飯になるかも知れませんよ。チェーンソウで切られますよ。
新型コロナウイルス禍が早く収まる事を祈って。皆さま国難に耐えて下さい。
予想どうりの展開
脳破壊ムービー
コメディ映画
SNSの前評判にて「アメリカではカップルが観た後に別れてしまった時のためのセラピーが用意されている」とか「途中退出続出」とか「白いドレスにトラウマが残る」とかとか、話題性が話題性だったので、怖いの観れない映画好きに頼まれた&自分の精神力を試す目的で見に行った。
今回はネタバレなどの予習なしで鑑賞。
コロナ自粛モードの平日昼間なのに場内はほぼ満席。若い人たち沢山。たぶん彼らもSNS流入に違いない。
で、普通にカップルも来てる。口コミ知ってるよな?自分たちを試そうという儀式的な役割がこの映画に生まれているのか?どんな思考回路で一緒に観に行くことにしたのか、そこが気になって仕方なくなる。
そわそわしつつも、映画が始まっていく。
冒頭題名表示でなんでsummerじゃなくてsommerなのかが気になって仕方なくなる。
後から調べて解決
主人公の女の子は、ちょっとメンヘラでヒステリックな感じ。
双極性障害の妹の話とか、両親+妹の死とか、伏線としてどこまでの意味があったのか結局よくわからんしもはやどこからどこまで彼女の妄想なのかわからない。
ペレ怖すぎやろペレ。
序盤からサイコ感ある表情がすごい。
他の4人を上手くはめて連れてきてる時点で、自分たちの共同体の異質さがわかってるんじゃねーか。
村の常識を疑わない姿勢を貫いて欲しいのに、村のおっさんたちは自分たちが罪を犯した人を殺したことを隠そうと残りの仲間の仕業にしようとする所とかよくわかんなかったんだよなあ。
最初はホルガきれー、みたいな感じだったのが、72歳の男女の儀式で急にグロに路線変更。
グロを随所で強調してくるところとか、もはや何がしたいの?って思った。そゆことしてるとメッセージ(あるのかは知らんが)が滲むと思うぜ。
ロンドンの男女は騒ぎまくって逃げようとしたけど結局生贄になっちゃってたね。そこもおっさんたちが嘘ついてたの悪意しかないじゃんよくわからん。
近親交配をわざとさせて障害者≒賢者を生み出し、外部からの血を混ぜることによって種の存続を図ろうというロジックはよく分かったのだが、だったらそんなすぐ皆殺ししちゃう意味がわからない。90年に1度なのに、よくわかんない年の偉い感じのおばちゃんが「私もいつかは喜んで差し出すのよ」的なこと言ってたの、毎年72歳の人はいるだろうから結局この祭り毎年やってんじゃね?ってことなのかな計算が合わなくてモヤモヤした。
笑っちゃったポイントが多くあって、まず子供作りの小屋の中ww
さすがにあれは狙ってるでしょ。小屋からクリスチャンが逃げてくシーンも笑わざるを得なかった。
生贄の目に花が刺されてるのも一緒に行った人が笑ってた。
フューチャーされない、背景の中でなんか村人が儀式っぽいことしながら踊ってるのとかもギャグかよってなったし。
あとは音の不快感と劇中幾度となく出てくるヤクな。
あの村の中には絶対的なリーダーがいるわけではなく、共同体の信仰心として狂気が充満してる。それがわかっているからこそのヤクなのか、良心がどこに存在しているのかわからない。
総じて、何を見せられとるんやという感じの映画でした。
SNSに踊らされたなあ。長い時間を費やしてしまった、、
ラストについてだが、9人を数えるのに必死だった。洋画において顔が一致しない相貌失認の傾向があるので、同じ顔のやつ3人いるぞって思っちゃって混乱した。
最後のダニーの微笑みは理解できるものだったが、彼女はあの後共同体に吸収されてしまったのだろうか。なんで母親を見たのだろうか。。。
冒頭で触れたSNSの前評判は信用できないということが大いにわかった。冷静に見ればツッコミどころ多すぎてトラウマとかになりようがない。カップルでみて別れるくらいなら別れとけ。
でも、マヤがクリスチャンのベッドの下に木の札を置いてくシーンだけは好きだった。殴り書き失礼しました。おしまい。
クスリ、ダメ、絶対。
牧歌的な美しい映像とはうらはらにグロ・エロ・グロですが、グロについては特殊メイクや人形がチープなおかげで、★★★★☆くらいです。
(ただしショッキングなシーンもあるので、ダメな人はダメだと思いますが)
エロについてはR15+でここまで良いの?というくらい直球です。
エロの終盤だけ強めのモザイクがかかっていますが、それでもよくR18+にならなかったなぁと思います。
基本的には協調性のない主人公たちが、自分勝手に行動して結果として死んでいく、ありがちなB級映画の展開ですが、「クスリ」がいたる場面で登場するため、あながち非現実とは言い切れないような、不思議な脚本だと思います。
人それぞれの考え方によってこのような習慣や儀式もしょせん価値観の違いに過ぎないのかもしれないですし、メンタルを損なったり薬物中毒になったりすれば、抗えなくなることも当然かもしれないですしね。
とはいえ、そんなことはいってもやはりB級映画。 わかりやすい伏線は想定の範囲内であっさり回収されるのでストーリーの意外性はほとんどありませんし、逆に何か意味ありげな伏線を張ってありそうなシーンはB級映画なので148分もある上映時間でことごとく回収されません。
個人的にはクマちゃんの扱いがあまりにもぞんざいすぎて、逆にツボにはまりました。
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