「明るいことが恐ろしい…不快な恋愛映画⁉」ミッドサマー だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
明るいことが恐ろしい…不快な恋愛映画⁉
この映画、アメリカでも日本でも話題となりヒットしたようですね。系統は、胸糞系といいますか後味が思いっきり悪くなります。ピッタリの言葉を選ぶと「不快感」でしょう。
私は、凹む映画が大好物という変り者なので耐性がありますし、『ウィッカーマン』を観ていたので内容はなんとなく理解してましたので、全く問題なかったのですが、評判だけで観た耐性が無い方は、気分を害されながら鑑賞したのでしょうね…。特にカップルとかお友達とかと一緒に鑑賞した後の帰り道はどれほど気まずかったでしょうか…(ひぃぃーー汗)
本作も『ウィッカーマン』もそうなのですが、両者の映画で一貫して言えることは、村人たちがどんなにおかしくても、残酷でも、その村では昔からの文化なんです。いわゆる、しきたりなのです。ある意味、それを外部の人間がどうこう言おうが、村人にとっては普通の事。ただ、それが外部の人間では想像がつかないような意味不明で、イカレタしきたりとしても…。
映画を観て、個人的に一番ヤバいと思ったのはラストシーンでも投身自殺で顔ぐちゃシーンでもなく、畸形児ルビンの存在でした。登場シーンが少なく詳細な説明はないのですが、近親相姦によって意図的に障害もつ子どもを生ませていたという事実は分かります。畸形児だけが、聖書「ルビ・ラダー」を書くことができるというしきたり。ルビンが死んだら、また近親相姦で畸形児を産み出すという、なんともぞ~っとしたルールなのでした…。
他にも、この映画のイカレっぷりをあげるとキリがないのですが、不思議なことになぜか村の文化に引き込まれる自分が居るのです。次はどんな突拍子なことがおこるのか、そしてどれほどイカレタしきたりがあるんだっていう妙な感覚です。何か村の魔術に観賞者も引き込まれるような。しかも、想像の斜め上を行ってくれるというご丁寧っぷりですから。
村が白夜ということもあり、終始明るいのです。村人も非常に明るい。でもやっていることが残酷で気持ち悪いという。これほどまでに明るく純白さが怖いものだとは、今まで想像もつかなかったのです。
最後にこの映画の注意事項!一人きりの鑑賞をお勧めします。一人じゃないと鑑賞後かなり気まずい雰囲気になると予想します…。