「タイムパトロールぼんへのオマージュ」映画ドラえもん のび太の新恐竜 モクズガ二さんの映画レビュー(感想・評価)
タイムパトロールぼんへのオマージュ
小学生の子供について観てきました。色々な制約の中、うまくバランスを取って作られた佳作だと思います。
まず、ありきたりでステロタイプで少し鼻につく(笑)感動展開については、メインターゲットの年齢層や時間の制約を考えれば上手に時間を節約したのかな?と。私は賛成。
絶対的な悪の親玉を作らなかったり、ひみつ道具が最小限なのも良いですね。あと、日常描写がドラえもんとしてはとても丁寧。
ピー助の登場方法や露出具合も、あれが限界ギリギリでしょうし絶妙でした。
ラストの危機が迫る感も、マンガ的演出とリアリティ演出が上手にミックスされていて迫力満点。
「ドラえもん」の世界観としてどうなの?と言うポイントは確かに散見されましたが、この映画が藤子不二雄の地味な傑作「タイムパトロールぼん」へのオマージュであれば納得です。
私は大ファンなので、例の二人が出てきてすぐの会話がぼんに出てくるタイムパトロールみたいだなとうっすら感じていたのですが、チェックカードの登場で確信。
この映画の真のテーマは、タイムパトロールぼんへのオマージュだと。
盛り沢山の歴史SF要素、SF部分の(ドラえもんとしては)違和感あるリアルな考察と描写、歴史の空白を独自解釈でこのマンガ世界に(少し強引に)取り込んでしまうところ等々、これはまさにタイムパトロールぼん。
あと、タイトルが「新のび太の恐竜」では無く「のび太の新恐竜」となのにもマンマと騙されました。途中までの展開は敢えてのび太の恐竜をトレースしておきながら、後半で一は気にオリジナル展開に。目でピーナッツの下りも伏線回収無し(笑)
昔のドラえもんが大好きだった(そしてタイムパトロールぼんを知らない)大人には違和感てんこ盛りだろうなと思いますが、小学生低学年あたりの子供なら絶対楽しく観れますよ。うちの子は大喜びでした。おすすめします。