「最高の音楽映画」サヨナラまでの30分 あさみんさんの映画レビュー(感想・評価)
最高の音楽映画
聴いてほしい映画がある、というキャッチがとても好きだ。劇場で鑑賞したい作品。爽太とアキが小刻みにくるくると入れ替わる。初回はストーリーについていくのに精一杯。2回目に北村匠海さんが目線や口調の違いを本当に繊細に演じわけていてひたすら引き込まれる。2回目に観に行くまでに時間があったので音楽を聞き込んで、楽曲提供者の想いを特番で知ったりなんかして観ると、これまた感情がぐっと入る。歌声や歌詞の意味や涙腺を刺激されてしまう。若者の葛藤を包み込むような柔らかな夏の緑、風。時に強い日差しに光る汗。大切な人を失い時が止まったようなヒロインを囲む古本とカセットとレトロな街並み。寂れたプール。キラキラと輝き見守るような夜空。全てが美しい。本当に。冒頭の始まりを告げる『瞬間』と、最後のエンドロールの『瞬間』。自分が作品に溶け込んだようで心地よいのは、オリジナルストーリーであることも一因しているだろう。
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