「しゃ〜」サヨナラまでの30分 Appleさんの映画レビュー(感想・評価)
しゃ〜
ようやく観れました。よかった、劇場で観れて。オチは弱いような気がしたが、中身は十二分だった。
最初にアキと颯太が入れ替わる瞬間を見たときに震えた。本当に北村君にまっけんが憑依したのかと思った。北村君は相当まっけんのことを研究したのだと思う。入れ替わって歌を歌ってる時は、北村君の声に少しだけまっけんの声が混ざっているような気がした。
にしても、出てる役者さんが皆さん歌がお上手で。ちょっとしか歌ってない葉村君だけど凄く上手だった。北村君は本業?みたいなところがあるのでもちろんのところなのだが、まっけんの声が甘すぎて大変でした。というかまっけんは全てにおいて美しすぎて目が痛かったです。
北村君の演技を観ててなんだか既視感があるなぁと思ったら、颯太のキャラといい、立場的にも「君の膵臓をたべたい(2017)」に似ていだからだなぁと後から思いました。
最初に颯太が入れ替わることなくECHOLLのみんなとピアノでセッションした時、今まで入れ替わっている時に抜け殻のような様子で立ち尽くしていた颯太とまるで入れ替わったようにアキが立ち尽くしていたのがとても印象的だった。嬉しさ、悲しみ、寂しさ、様々な感情が混ざり合っていたんだろうなと思う。そういった面で物語を観進めていると、思い出の記録であるアキが颯太によって上書き保存されていって、記録が無くなっていってるようにも見えた。それでも、カセットテープが上書き保存されたとしても何層にも重なっていくことのように、アキの意志、気持ちは颯太を始め、カナ、ECHOLLの音楽を聴いた人たちに受け継がれていくんだと思うととても感慨深いものがあった。
アキが死んでから1度も泣いた事がなかったカナが初めて泣いたのがよりによってアキの前で、そしてその場面の最後のシーンで寄っかかっていたはずの場所にアキがいないのがとても深かった。それら全てを思い出にしてアキが消えていくことを示唆しているようで。
フェスの前日、アキと颯太が言い合うシーンがワンカットで行われていたのが凄まじい緊迫感を持たせた演出が圧巻だなと思った。
個人的に1番印象に残ったのは、最後に颯太が大事な話をすると言ってアキと入れ替わった時だ。アキは多分颯太や、ECHOLLのみんなに悲しい思いをさせないように、あんなことを言ったんだろうな。最後の最後までアキはスーパースターだった。
みんな観に行こう。
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君が迷い彷徨った時も
立ち止まってしまった瞬間も
僕がその手を引いて導くよ
ずっとずっと
1人きりじゃ叶えられないって
君が僕に教えてくれたんだ
あの日思い描いてた未来へ
行こう行こう
この声をこの言葉を
この歌をずっと
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