「こんな作風があるのかと感心」アルプススタンドのはしの方 零式五二型さんの映画レビュー(感想・評価)
こんな作風があるのかと感心
タイトル絶妙。
高校野球がテーマになると、野球する側や応援する側が中心となるものがほとんどで当たり前。
なぜかこれは、そのどちらでもない人たち、ここでは同校の女子生徒3人とたまたま居合わせたクラブを辞めた男子生徒が応援席の片隅でひたすら話す映画。
しかしこれがおもしろい。
高校野球の地方予選。
なのに終始グランドで野球をしているシーンは一切ない。
ひたすらスタンドしか映らない。
彼らの言葉、表情、リアクションが野球の状況を描写する。
そのキャスト
ぽぽ無名、代表作の出演経験もない、あってもどこの誰役が分かるような役者は一人もいない。
彼らにとっても試される作風だろう。
けれど、これが全てにおいてファインプレーだ。
野球知らない女子高生。
知らない人たちの会話ってこうだろう。
いかにもの熱血先生。
ウザすぎる。嫌悪感がしっかり伝わり、ある意味名演。
会話の全てがアオハルだ。
高校生とは悩んでなんぼ。
悩め悩め!
でも、高校野球野球というものが彼らの悩みを吹き飛ばし、気がつけば一体感を持ってグランドに叫んでいる。
これぞ高校野球の魅力。
そして社会人になったこの四人。
あの頃悩んだのなんだったのかと思うくらい大人の階段を登り始めた姿でジ・エンド。
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琥珀糖さんのコメント
2022年8月13日
はじめまして。
題名どおり、アルプススタンドがほとんどの映画でしたが、
とても青春を感じました。
〉彼らにとっても試される作風だろう。
〉けれど、これが全てにおいてファインプレイだ。
同感です。とても好きな映画でした。