「「しょうがない。」から始まる、大逆転の青春。響き渡る、吹奏楽の人生賛歌が心揺さぶる」アルプススタンドのはしの方 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
「しょうがない。」から始まる、大逆転の青春。響き渡る、吹奏楽の人生賛歌が心揺さぶる
弟が今、最後の高校野球をしている。保護者は二人までしか入れないため、大学生の私がアルプススタンドに入れることはない。「しょうがない。」けど。そんな思いも渦巻きながら、観賞した。
東入間高校は、久々の甲子園出場を決め、全校生徒で応援させることに。はしの方に集まったのは、「しょうがない。」と大会を不完全燃焼で諦めた演劇部ふたり。報われない努力に蹴りをつけた元野球部。友達がいなくてもいいと思っている元学年一位。はしの方で繰り広げられる軽妙な会話。野球のことなんか…と思っていた4人が、最後の大逆転を信じたときに生まれる奇跡とは。先生の暑苦しさも、淀みのないまっすぐな思いと重なり、心を震わせる。また、すっかり遠くなってしまった吹奏楽部の演奏が、彼女たちの人生賛歌のように響き渡る時、大きなエネルギーをもらえてくる。
一生懸命やることをどこかで諦めた自分へ。今こそ、大逆転を信じてみるべきだ。エールは、誰かに、そして自分に届くのだから。最後に、弟の素敵な報告が聞けることを祈りながら、僕は心でこう叫ぶ。「頑張れ!!!」と。
追記
2020/11/28 2回目@川越スカラ座
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