最初の晩餐のレビュー・感想・評価
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暖かくなる映画
通夜ぶるまいは、親父がはじめてつくってくれた
目玉焼きでした。
映画は通夜から葬式にかけての1日を描いている。
通夜ぶるまいに出てくるのは親父がかつて作ってくれた料理たち。
目玉焼き、お味噌汁、ピザ、餃子、ラーメン、お魚…。
その料理を食べながら昔の父親との記憶が蘇る。
現在と過去がリンクしていてひとつひとつの
エピソードがわかりやすい。
父親 東日登志の永瀬正敏さんの作る料理ひとつ
ひとつがとても美味しそうで。
母親東アキコの斉藤由貴さんの子どもたちへの
愛情も画面から伝わってきた。
この二人の子どもが東麟太郎の染谷将太さん、
東美也子の戸田恵梨香さん、
東シュンの窪塚洋介さんの三人なんだけど
ある事情があり家族なんだけど違うような
複雑な関係性。でもあの父親と過ごした時間
確かに家族だったんだ。
父親の葬儀が終わったあとに母から聞く
はじめての父親のこと。
家族って何なんだろう?
血が繋がっていたら家族なのだろうか。
「家族」をテーマにした作品はたくさんあるけど
その中でもすごい雰囲気良くて好きです。
泣けるエピソードもあり、
家族って改めてどんな存在なのか考えさせられます。
出てくる登場人物、美味しそうな料理、美しい風景、心地良い音楽。
派手なシーンは一切ないしどんでん返しもない
作品だけど映画が終わったあとにすごい心が洗われて「いい映画観たな」と思えました。
11月1日に公開したばかりなので近くの映画館で
上映されていたら観てください!
家族が何かって?わかるわけないじゃない、説明できないんだから。でも私ね、あなたたちと家族になれたこと、後悔してないの。
スロースタートでじんわりじんわり物語は進んでいき、佳境に入ってもギヤはトップに入らない。時々ドタバタはあるが、総じて淡々と物語は進んでいく。その過不足のない匙加減が見事で、気が付くと琴線を刺激されていて、こちらはとめどなく涙がこぼれ出てこらえきれない。それはひとえに、役者陣の技量のたしかさゆえの心地よさ。そして出しゃばらないカメラの絶妙なるアシスト。演者とストーリーのみならず、制作側もいい仕事をしているゆえだろう。
ゆっくりゆっくりと明かされていくエピソード。最後に特大なのがいくつも。そのたびに、静かに静かに、役者同士の激しくも見えない火花がバチバチいっている。そのひた隠しの闘志のような熱意が、びんびんとこちらに伝わってくる。彼らが父の葬儀のわずかな時間に、大人のくせに急激に人間としての成長を見せる。特に、美也子と凛太郎が。美也子は夫と、凛太郎は恋人と、その関係が自分の心の持ちようによってかけがえのない絆で結ばれていくのが目に見えるようだ。
久しぶりにやって来たシュンは、演じる窪塚洋介が画面に出て来ただけで泣けてきた。そこまでストーリーを積み上げた監督がすごいのか、窪塚のその存在自体がすごいのか、もうなんだかわからないくらいに逞しく見えた。この時の窪塚は、全部持って行っちゃった感じだった。彼も二人の弟妹同様に嫁との距離は微妙なのかも知れない。妻が同行しないことで、この夫婦にも何がしかの問題を抱えていることが想像できるからだ。しかしシュンは、台所に立つ姿が父にかぶったり、病弱の父に穏やかに寄り添ったりなど、見事に長兄としての確かな役回りで仕切ってみせるのだから頼り甲斐がある。
アキコは、懺悔するように二人に過去を告白する。彼女が今までずっとその罪悪感を背負ってこの家で暮らしてきたと思うとたまらなかった。彼女の言動は、性格的な慎ましさではなくて、子供たちに対する背徳感からだったのだと思うと苦しくなった。「全部の責任をあの人が負ってくれた。」と言うが、いやあなたも一緒に背負ってきたでしょうに、って弁護したくて仕方がなかった。「でも私ね、あなたたちと家族になれたこと、後悔してないの。」と笑顔を見せる彼女に涙が止まらない。ああ、斉藤由貴を起用したわけは間違いなくここだなって思えた。
「俺たちは互いに知らないことだらけだ。」と凛太郎は独白する。そう、誰しも家族にさえ隠していることはある。むしろ、家族だからこそ隠してきたことがある。それは、自分を削ってまで守ろうとするからだ。それに気づいた凛太郎と美也子は、自分を見つめ直していく。素直な気持ちで。そうか、シュンはすでにその境地を乗り越えてここに来たのだ。だから達観したような振る舞いでいられるのだ。
この家族を演じた四人の役者はみな、バケモノだった。
最後まで何とも言えない感情が心の中を押し寄せる。すべてが世間に顔向けできることばかりではない。だけどこの、壊れかけながらも何とか取り繕うことのできたラストの清涼感はなんだ?そうだ、「鈴木家の嘘」と同質のやつだ。
美也子が、母さん、なんで?と問い詰めながらも、今のわが身と重ねると、その身勝手さに気付き、母の人生を思い返したときに感謝しか湧いてこない。そう、”あとみよそわか”を思い出したときに。これは幸田露伴が娘の躾の際に教えた呪文。アヤコもそれと同じくらい愛おしく美也子を見つめていたのだ。そう知った時に美也子が流したように、僕の頬にもまた涙がこぼれてきた。
家族のことを見つめ直すきっかけに
淡々としたストーリーに、ナチュラルな演技と音楽。序盤からじわじわと涙がこぼれる感動的な映画です。家族のことを見つめ直す、とても良いきっかけになりました。
子役からベテランまで、みなさんの演技が素晴らしかった!
家族とは
家族っていったいなんなのか
それを考えるための映画ですね
大きなストーリーの山みたいなのはなく淡々と
してるので好き嫌いはあるかもしれないですが
自分を見つめ直すのにはいいかもしれないです。
家族という一見一番近くて、でも遠い存在。
家族の不安定さ、家族だからこそ言えないこと、
家族なのに知らないこと、家族になった後の大変さ、
家族になる前の不安定な気持ち、さまざまな家族
とは、が垣間見える、そんな作品だったなと
思います。
美味しそうな料理とともに積み上がっていく
思い出は、優しさや辛さや寂しさやいろんな
ものが詰まっている感じがして、やはりこういう
思い出を積み重ねられる家族がいるっていうのは
いいなと思いました。同時に父親、母親、兄弟、
まだまだ知らない部分をもっと聞いてみたいな
という気持ちにもなりました。
俳優のみなさまがたもいい味出してるので、
不自然さがなく、素直に見れましたね。
素敵な作品です。
本当は淡々とした平凡な日常の中にある。
初監督作品とのことで、稚拙な部分が垣間見えるのではと思ったが、良く練られた完成度の高い作品。
家族はこうだとかの結論や、わざと感動させようとする演出はないが、その分平凡な日常の中に真実は隠れている。
役者が皆とても良い。
カメラワークや音楽も良い。
自分の中で近年1番です。
食い物は美味そうだが森七菜のほうが断然美味い…
子役の演技によってさらに奥深い物語
家族のあり方について、温かな食事とともに描写されているなと感じました。
染谷さんをはじめベテラン俳優さんたちのさすがの演技に負けず、子役さんたちの演技にとても感動しました。特に染谷さんの少年時代を演じた牧純矢くん、とてもよかった‼︎しゅん兄が家を出るときの「嘘つき」というセリフの部分の表情や間が素晴らしく、思わず感情移入してしまい涙が溢れました。
家族の再生の物語?うーん。それだけでは無いような気がします。
映画のタイトルが気になったのと、
今の朝ドラヒロイン・戸田恵梨香が出ているので鑑賞しました。
父の死をきっかけに、ばらばらになっていた家族が再生する
そんな話かなと最初は単純に思いました。
作中、染谷将太がシンプルに問いかける場面があります。
「家族って、何スか?」
これ、実はすごく深い問いかけかなと。
子連れ同士の再婚から始まる話なのですが、話が進むにつれ、
家族一人一人が問題を抱えていたことや
今もそれぞれが問題をかかえていること。
それが次第に見えてきます。が、
・母斉藤由貴は前のダンナさんと何時離婚していたのか、とか
・父永瀬正敏は前の奥さんとどうして別居していたのか、とか
・姉戸田恵梨香は今のダンナと上手くいっていない感じだが何故か、とか
・兄が家を出て行った本当の理由は何なのでしょう、とか
そういったことは、はっきりとは明かされること無く、エンディングを迎えます。
それが何となく物足りない感じがして、もやもやしています。
もちろん、それを描写していたら、間違いなく
人間関係ドロドロのドラマになりそうで、それはそれで、とても嫌です。。
けど、それでいいのかな。どうなのかな、と頭の中で考えがぐるぐる回っています。 あれー。
最後に
森七菜ちゃん
小学生くらいから高校生くらいまでを演じてました(ですよね?)けど
自然に小学生に見えました。18歳が小学生をって
これはこれですごいなと。
で、この話の舞台ってどこなんでしょう?
谷川岳とか名前がでていたので関東かなと思ったのですが、
戸田恵梨香さんは関西弁で会話していたので。
あ、ロケ地は長野か。
いずれにしても田舎の風景。いいですね。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
モヤモヤ感が残る!何故?
役者陣に👏
時が止まってしまった家族、料理の思い出はとてつもなく切なかった。
じわっとくる映画です。上映館数少な過ぎます!
私は、ラスト5秒でやられました。
おはぎ。
まさかのオチに、まんまとです。
家族だから何でも知ってるなんてことはないです。
故人を偲んで、思い出の食事。
最後の最後に、本当に好きだったもの、、。
こんな映画が評価されたらいいなぁと思います。
私は、これは人に勧めたくなる映画です。
窪塚洋介さんが、めっちゃかっこ良かったですね。
20年ぶりに映画のパンフレットを買ってしまいました!
ジワジワくるスルメ映画
例えば、10年間一緒に過ごしたらいったいどれくらいの食事を共するのだろう。私たちの体は食べたものできている。同じご飯を食べることで、体の中からなにか絆が生まれるじゃないかなぁ。と映画を見ながら思った。
誰にでもある日常。ちょっとした心の傷。言い出せない思い。家族だからこそわかり合えて、わかり合えない。そんな心のヒダをとても丁寧に描いている作品だ。主演は染谷将太演じる麟太郎だが、彼が中心のようであって中心でない描き方をしているので、自分に近しい人に思わず感情が入ってしまう。私は戸田さんと森七菜さんが演じる美也子が主人公のように思えてしまった。家族映画にありがちな、こんな家族っていいよね。的な押しつけもない。新人監督が脚本まで手がけ、その脚本に見せられたて、これだけのキャストが集まったというのもうなずける、良質なスルメ映画だと思う。
ジワジワくる! が、しかし…。
良かったですよ! 葬式の一夜に凝縮させて、食べ物から過去の思い出が溢れ出してくる、というのは素敵なアイデアだし、オチもほっこりさせてくれる。
しかし、ですよ。
この家族は、もっと早くこの問題を解決できたんじゃないかな〜とか、子供心にだって何か気づくだろう、とも思ってしまい、ずっと気になってしまった。
あと、設定として、スペシャルな山男じゃなくて、もっと普通のお父さんの方が良かったんじゃないかなぁ、とも。
過度な寡黙が、グッとくる人もいるんでしょうが、私には、納得できなかったのでした。
創作目玉焼きは焼きうどんにONしよう
65歳になる年に亡くなった父親の通夜振る舞いに、故人の意向と言って母親が目玉焼きを出してきたところから、家族の過去を振り返る話。
父親とその連れ子の小学生の姉弟と、母親とその連れ子の高校生の息子、という5人が家族となっていく様子や想いを、食べ物に纏わるエピソードと絡めつつ振り返ると共に、現在に至るストーリー。
設定から、ご飯を食べて「美味し~い」なんてホッコリほんわかな話なのかと思っていたけど、家族を題材にしたドップリなヒューマンドラマ。
家族の様子が突然変化した出来事の後、黙するよりも方便はなかったのかと、子供の立場になって考えたら少し苛立ちを覚えたけど、物語としてはそれによって長男のリアクションがそうなったとも言えなくもないし、その足りなさがこの夫婦にはリアルなのかも…なんてハマってるね。
すき焼きからの長男と父親の関係は胸アツだし、それを知る前後での姉弟の家族観にも話が繋がって行くのも良かったし、キレイに締めてからのエピローグの明るさと優しさが又素晴らしかった。
静かな感動・・☆
一言で言ったら 家族の物語。
でも、配役の5人がすごく良かった。
染谷将太、戸田恵梨香は、朝ドラとはまったく違った顔をみせていたし、
残りの三人(窪塚洋介、斉藤由貴、長瀬正敏)のそれぞれの雰囲気が
物語を運んで行ったように思った。
長瀬正敏は、いつもながら本当に上手くて 彼が出ているだけで期待してしまう。
斉藤由貴も、頑張って役になりきっていて 全く違和感がなかった。
何より、久しぶりに見た窪塚洋介が登場してから、話が一気に佳境に
進み すごく面白くなっていった。
前半は、料理がらみの亡くなった父親役の長瀬正敏の思い出が続き、
どうかな・・と思っていたが後半、窪塚洋介が帰ってから、染谷将太から発せられる
「家族って メンドウなだけじゃん!?」という言葉。
自分にも、家族の意味を問われているように感じました。
正直、地味な映画でヒットはしないと思うのですが、とても良い映画。
今年 見て良かった・・と思う作品です。
ほんのり
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