死体語りのレビュー・感想・評価
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南米ホラーがきてるの?
冒頭のいきなりのおしゃべりタイムで「ああコレ面白いやつ」認定。理由とか原因とか大事じゃないことは、すっぱり削ぎ落とす潔さがよい。
死体さんたちはあんまり怖くない。むしろギャングが怖い。ゴア描写は解剖シーンを除けば(解剖は業務ですから)比較的マイルドかな。
がああなってこうなってからはターミネーターばりのしつこさで勝てる気がしない。
肉食系グイグイ熟女と草食系ひかえめ乙女の対比がいいです。
個人的には最後まで設定が生きるようなことがあればもっと良かったんですが。
ワケありの死者達がベラベラ喋る、因果応報がパンパンに詰まったブラジリアンホラー
サンパウロ市の遺体安置所に勤める監察医助手のステニオは死者と話すことができるという特殊能力を持っていた。次から次へと運び込まれるのはワケありの連中ばかり、彼らから最後の言葉を聞いてささやかな親切を施す毎日。ある日運び込まれた遺体から妻オデッチが近所のパン屋の主人ジャイミと不倫をしていることを知らされたステニオは怒りを募らせ、越えてはならない一線を越えてしまう。
原題を直訳すると”死体は語らず”。真逆の邦題を付けるっていうのは『ゼロ・グラビティ』以来じゃないでしょうか。しかし本作では邦題の方が正解、運び込まれるのは当然全員ブラジル人なので全員がまあよく喋ります。頭が割れていたり手足が千切れてたりするのに普通にペラペラ話すので正直ちっとも怖くないですし、正直これをホラーと呼んでいいのかどうかも疑わしいです。それでも本作が面白いのが主人公のステニオとお亡くなりになった人々がほぼ全員クズだということ。因果応報のミルフィーユを腹一杯食わされる感には岩塩多めのラテンフレイバーがパンパンに詰まっています。
メジャーな大作にはよく出てくるリオに対して、サンパウロは画面映えするランドマークがないからかいつもガン無視を食らっているわけですが、『ストリート・オーケストラ』や『狼チャイルド」がそうだったように、エゲツない人間ドラマの舞台には最適。最低の人間が散々な目に遭う様を目の当たりにしながら、死人と会話出来ない己の無能さに安堵を覚えます。全然万人受けしない作品ですが、これぞブラジルっていうあるあるはきっちり捉えているちゃんとした映画でした。あとこれに気づいている日本人はほとんどいないと思いますが、ノンクレジットで『ストリート・オーケストラ』の主演だったラザロ・ハモスが一瞬だけ出てきます。
死体とおしゃべりしたい
性悪妻の逆恨み大暴走!
しっかりできないステニオは大困惑!
「死者」ではなく、本当に「死体」と話す能力なのね。
死亡時の傷と解剖の跡でボロボロになった肉体のまま、お目々キョロキョロお口パクパクして喋る死体達のインパクトが好き。めちゃくちゃフィジカル。
遺体安置所という舞台ならではの様々な死体が見られるのも嬉しかった。
画力の強さはピカイチ。
死体の声に耳を傾きながら働くステニオ。
その特殊能力をバンバン活かして何かするわけでもなく、うだつの上がらない雰囲気が全身から出ていて、この後に起こる不吉を示唆しているようだった。
家では愛する妻に疎まれ行きつけのバーでも疎まれ、日々のフラストレーションがチクチクと身を刺してくる。
ダイナマイトボディに厚化粧の妻が本当に性格悪くてイライラした。
なんでこんな女に執着できるのか…。
子供なんてどうでも良いと言わんばかりの態度と、色に狂った様子が気持ち悪い。
しかしその憎悪と憤怒のパワーは絶大。
パワータイプの恐怖現象攻撃がどんどん起こって楽しかった。
もう何がしたいのか何を望んでいるのか、よく分からなかったけれど。
とにかくステニオを苦しめたい!の一心でめちゃくちゃやってくる嫌がらせ感よ。
地味に引きずる怖さがあって、家でシャワー浴びる時ちょっとビクビクしてしまった。
せっかく面白い能力の設定があるのに案外普通のオカルトホラーに収まってしまったのは少し残念。
だいぶ引っ張ったわりにラストも弱く、尻すぼみ感は否めない。
序盤はかなりワクワクしたんだけどな。
子育てと結婚についての難しさを実感するホラーだった。
好き合って一緒になったはずなのに、どうしてこうなってしまうのか。子供にとっての正しさとは何なのか。何が一番幸せなのか。
ひたすらに二人の子供がかわいそうだった。
ララの言葉を聞き取った人の見せ方がたまらなく好き。
ホルマリン漬けのシーンも好き。
能力は災いのもと
死体と会話出来る不思議な能力を持つ法医学研究所勤務のステニオが、死体から聞いた話が切っ掛けで行動を起こし巻き起こって行く話。
死体と会話という作品はいくつかあるけれど、妄想ではなく実際に会話が出来るという設定で話がスタート。
ギャングの弟の唐突な告白とか、呪いがどうとか、何だか怪しげな設定が載っかっていく。
性格もヴィジュアルも魅力がないのに(個人的見解ですw)、何故かモテモテ設定な嫁の浮気から上手く繫げて行ったと思ったら、突然超絶ホラーな展開に。超有能だったのねw
色々と出来る怨霊なのに、何故か直接やらなかったり回りクドく迫ってくるばかりだったり、思いのあるものって言ったら家そのものもそうだし子供だって…とツッコミどころ満載。
大きな音で驚かすところもなんかタイミングが変だし、本がおかしいのか、翻訳がおかしいのか、両方なのか、良くわからないけど言ってることもズレていたり支離滅裂だったりで受け入れられなかった。
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