キューブリックに愛された男のレビュー・感想・評価
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映画関連のエピソードが少なくて退屈
本作はキューブリックが雑用などを頼んだ男のドキュメンタリーで映画関連のエピソードが少なく、退屈だった😵
自動車が好きでF1レーサーを目指していた男が、タクシー運転手をしていた時に「あるオブジェを運んで欲しい」という依頼を引き受けたが、何を運べばよいのか分からなかった。
指定された場所に行くと、そのオブジェは『時計じかけのオレンジ』でアレックスが猫オバサンを撲殺する時に使った「あの個性的なオブジェ」だった。
アレを運んだことをきっかけにして、男はキューブリックに好かれて、身の回りの様々な雑用などを頼まれる事となり、キューブリックが亡くなるまでほとんど一緒だった……というものだが、やはり映画に関係のある話は少なくて、興味ないエピソードが多かった。
ただ、この男の人が『アイズワイドシャット』にチラリと登場しているようなので、次に観る時は注意して観たいと思う。
【”無私の奉公” スタンリー・キューブリックとイタリアの車好きな男との深き友情を数々の映画製作のエピソードを絡めて描いたドキュメンタリー作品】
ースタンリー・キューブリックに作品制作にこれほどまでに献身的に使えてきた人物がいることをこの作品で初めて知った。彼の名はエミリオ・ダレッサンドロ。
この作品で、スタンリーとの思い出を語る彼は、とても優しい目をした好々爺である・・。
だが、この作品では、彼が如何に真面目にスタンリーからの実に膨大で、繊細な依頼をこなしていたかが描かれている・・。-
・スタンリー・キューブリック監督作品を見れば、異常なまでの完璧主義者であり、繊細な心を持っていた人物であっただろうなあ・・、とは思ってはいたが、ここまでとは思わなかった。
・エミリオとスタンリーとの最初の出会いのきっかけが面白く”「時計じかけのオレンジ」のアレを運ばされたのね・・。
そして、彼の運転のスキルを見込み、運転手として雇用したはずのエミリオへのスタンリーの依頼は、「キューブリックのルール 12か条」から始まり、車以外の事にまで及んでいく。
そして、その依頼は実に細かい。
だが、エミリオは家族との関係を一部犠牲にしてまで、彼の要求に答えていく。
・当然、スタンリーにとって、エミリオは必要不可欠な存在になる。が、スタンリーは
エミリオを只の便利屋として扱っているわけではないことが、膨大なメモのあちらこちらに遺されている・・。
・又、スタンリーが、いかに不安定で、甘えん坊だったことも描かれる。何とか、エミリオを自分の傍に引き止めておきたいがための、数々の”仕掛け”。
微笑ましい・・。エミリオの奥さんは怒っていたけれどね・・。
<エミリオの真面目な性格と、スタンリー・キューブリック監督の完璧主義で繊細な性格との相性が、とても良かった事は、今作品を見れば良くわかる。
そして、スタンリー・キューブリック監督の数々の名作の隠れた立役者が誰であったのかも・・。
素晴らしき、ドキュメンタリー作品である。>
■蛇足
・忙しかったのだろうが、エミリオがスタンリー・キューブリック監督の作品を彼の死まで見たことがなかった・・と言う事実も微笑ましい・・。
最初はパシリ。やがて厚い友情を築いた二人。
70年ごろ、ナニのでかい人形を運んだことによってキューブリックから信頼を勝ち取ったエミリオ。イタリアのカッシーノという田舎からからロンドンで働くことになった移民なのですが、本来はF1ドライバーを目指すほど運転テクニックを持っている男。カッコいいというより、マリオカートを思い出すほどの風貌なのだが、レースじゃ家族を養っていけないということでタクシー運転手となった。そして、ナニを運んだことでキューブリックから専属運転手として雇われることに。
撮影中は映画に関わる雑用も任され、真面目で几帳面なエミリオは何でもやってこなす。時期的には『バリー・リンドン』、『シャイニング』、『フルメタル・ジャケット』、『アイズ・ワイド・シャット』といった作品群。とにかく休む暇もないくらいキューブリック、いやスタンリーに寵愛されたような人物なのです。朝、電話がかかってきたら「スタンリーだ」と感じてしまうほど、文句も言わずに働いたのだろう。かなりいい人。
しかし、エミリオの両親も高齢のため、イタリアに戻ることになるも、結局引き止められて父親の死に目に合えなかった。そんなエミリオと妻ジャネットが『アイズ・ワイド・シャット』にもちょい役で出演していたりするので、また観たくなってきたぞ!撮影記録がギネス記録になるほど長いのもエミリオ絡みだと思うと納得・・・
全体的にはエミリオを通して見たスタンリー・キューブリックの半生。大邸宅を構えてのプライベートな部分はわからないが、撮影における助手の重要性だとか、エミリオがいなくては仕事ができないわがまま(?)な性格も雰囲気が伝わってくる。エミリオの母国語がイタリア語なので、考えながら喋る彼の英語はとても聴きやすくて英語学習にも最適!
Sは、スタンリー(・キューブリック)
オリジナル・タイトル「Sは、スタンリー(・キューブリック)」の通り、エミリオに宛てた依頼やメッセージの署名は、”S”だ。
そう、スタンリー(・キューブリック)のS。
Sに雇われるきっかけが、「時計じかけのオレンジ」のあのナニのオブジェを後部座席に押し込んで、一部を窓から出して運んだのがきっかけだと知って、口を大きく開けて笑ってしまった。
この映画にすんなり入り込むには、「時計じかけのオレンジ」を観てる方がいいように思う。
そして、あの強面のジャック・ニコルソンなる人物がどんな人物かも、このエロジジィめと、笑ってしまった。
主にはSの几帳面さや、完璧主義、動物や家族を大切にしていたところ、そして、二人の心温まる交流なども描かれる。
健康を害したSが、エミリオ夫婦をアイズ・ワイド・シャットの一場面に起用したのも、心からの感謝の表れだろう。
映画が後世に残れば、エミリオ達も画面で生き続けるのだから。
そして、最後に、また笑わされる場面が待っていた。
エミリオが、Sのどの映画が好きか聞かれ、スパルタカスと答えたら、あれはクソ映画だと言ってたと話すところ。
あれを駄作とSが公言しているのは有名な話だ。
そんなことも知らないでいたからこそ、二人の良い関係は続いたのだろうなと思わせるエピソードだった。
なんか、連作のFilmworkerとは趣を変えて、Sの別の面を楽しめる映画だと思います。
いち映画監督のスタッフが、一本の映画になるとは驚き。映画の内容は、、、
大の2001年ファンなので、鑑賞。キューブリックの撮影時の様子が見たかったが、30年間、付き人をした元俳優の人生の話だった。
キューブリックが映画に集中できたのは、この付き人が、30年も身の回りのことから、映画のことまで、何でも献身的に世話をしたことは良くわかった。
今は4K版 8K版を監修出来る 唯一の人物として活躍しているらしい。
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