「がっかり」劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X まどかさんの映画レビュー(感想・評価)
がっかり
TVシリーズの最終回がつまらなかったので期待していなかったのですが、本作は想像以上にひどく、大変がっかりました。
確かにTVシリーズより作画はきれいですが、動きやカメラワークはTVシリーズとほぼ変わらず、他のアニメ映画と比べるとお粗末です。発音ミクのCGもニコニコ動画のようで、映画館で見ると残念でした。
なによりひどかったのが、ストーリー。TVシリーズをすべて視聴していても意味がわかりませんでした。
ミク、エヴァ、ゴジラ、君の名は、北斗の拳、鉄道CMパロ…統一性のない怒涛のコラボ、放送終了から約1年近く経過しているのに、あらすじやキャラ紹介もなく突然始まる最終回の続きのストーリー…内容もタイムスリップ、記憶喪失、空間移動等の場面転換が多く、????状態。しかも、新幹線の描写がほとんどない。最初にH5に乗った程度。TVシリーズでファンになった人間としては、TVで活躍したキャラクターやロボットではなく、コラボキャラクターが見せ場を持っていくのも、いまいちスッキリしませんでした。
大人も子供も楽しめるロボットアニメ、と話題になりましたが、これは一体誰に向けて作られた映画だったんでしょう。スポンサー?アニメオタク?子供?母親?父親?
本作の主力商品は変形玩具のため、メインターゲット層はお子様かと思います。
であれば、子供たちが一番最初にスクリーンで会いたかったのは初音ミクではなく、主人公のハヤトだったのではないかと思います。
全方向に媚びを売るのではなく、きちんと新幹線やTVシリーズを好きな子供たちが楽しめるような作品を作ってもらいたかったです。
ネガティブなレビューになってしまいましたが、テレビシリーズの前半は本当に面白かったです。新幹線が地上の線路を走り、保線作業や、安全確認等、普段見えない鉄道の裏までキッチリ描写するリアリティとかっこいいロボット。
コラボ回も、寒冷地で唯一戦えるH5で敵を撃退するために乗り物酔いを克服するミク、西日本の500 TYPE EVAが東海道区間を走るという非現実的な体験の後に出会ったシンジとの幻のような1日、というようにキチンと実在の新幹線がストーリーの軸になっていたから面白かったです。
放送期間の延長が発表され、アニメ雑誌への露出やグッズが増え、2018年夏以降ターゲット層の拡大をしたのかな、と感じることがありました。最終回の空撮等や光のレール演出も、スゴイと思いつつ、ただ、これは新幹線である必要があるのだろうか?ただのロボットアニメでよかったのではないか、と疑問に思い最初の頃のように楽しめないことが多くなりました。
映画を機に1話に原点に回帰してくれたらいいな、とどこかで期待していたのかもしれません。
好きだったアニメの劇場版が、このような内容で大変残念でした。