劇場公開日 2020年1月31日

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「コントかコメディか」前田建設ファンタジー営業部 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0コントかコメディか

2020年2月4日
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【★の数で分かるとおり、私はこの映画、すきです…という立ち位置で以下書いております。】

率直に言って、コメディ映画としてはお話の展開もジョークも「普通」なのかな、と思う
(基本的には、振って、振って…スカすみたいな感じの繰り返しだし)。

そういう意味で、劇場公開される映画としてはどうなの?という感じは否めない。

だから、これは大掛かりなコントなんだ。

そう思って観ると、全体がしっくり来る。

で、その立役者は小木さんなんですよ。
彼のおかげで、この映画はちゃんとコントに見える。(あくまで良い意味で、です)

物語後半、起承転結の「転」からの胸アツ展開。この辺りを、ちゃんとしたコメディ巧者の役者がやっちゃうと、取ってつけたような安っぽい良い話になっちゃいそうなところが、小木さんの誇張したウソッぽい演技(決して下手な訳ではない)のおかげで、「そんなバカな…でも、コイツらみんな応援したいよな。」みたいな気分にさせてくれる。

逆に、変に一生懸命コメディしようとしてる遊助が邪魔に見えてしまう。

出演者はチョイ役含めてみんなすごく良い。
「積算」のシーンの自然さ(アドリブもあるのかな)なんかの、仲良しがみんなでワチャワチャしてる感じも微笑ましい。

そして、物語の軸となる「その道のプロフェッショナル達」の実直さと、夢への情熱と「面白そうじゃん、ヒトクチ乗らせてくれよ」という遊び心。

ちょうど最近アニメが始まった「映像研には手を出すな」みたいな、モノを作っていく上で積み上げられていく小さな専門知識をハタから眺めていく楽しさもある。

これが、実話に基づく話だからこそ、日本という国を「ものづくりの国」として育った我々には、この映画を嫌いになれるはずもない。

ただ、監督が「コメディ映画でごさい」とこの作品を作ったんだとしたら、それはずいぶんとショボいな…と。
最後のアニメキャラクターとのコラボや、ラストの「次の依頼人」登場など、演出としては正直に言って子供だまし。…で、ココも結局、小木さんの「コント顔」が助けてる。

これが結果としてキャストに救われてるのか、意図されたモノかは分からないけど、とは言え、40代以上の男性なら特に楽しめる作品なんじゃないかな。

キレンジャー