劇場公開日 2022年2月11日

「nobuさん解説動画で感動倍増!そして圧巻のアリアナ・デボーズ」ウエスト・サイド・ストーリー K介さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5nobuさん解説動画で感動倍増!そして圧巻のアリアナ・デボーズ

2022年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

感動的な解説動画

 映画は普通に面白かったが、スピルバーグはなぜわざわざ古典的名作を作り替えたのか疑問に思った。ちょこちょこネットで調べて「nobu / 踊る大香港」というユーチューブチャンネルの解説動画にたどり着いた。感動した。作品でなく〝解説〟に感動したのは生まれて初めてだ。香港在住のnobuさんという方が2022年版(本作)・舞台版・1961年版の比較、リタ・モレノについて、スピルバーグからのメッセージなどを淡々とした語り口で17分に渡り解説してくれる。そうだったのか!さっきまでボーっと観ていた私は何一つわかっちゃいなかったと思い知る。私からは何も言うことはない。すべてはこの動画を観てくださいというのみだ。

人に面白さを分かち与える喜び

 こういうユーチューブ番組を観ると発信者に頭が下がる。なんと有益なものを世に出してくださったことかと。作品の面白さをたくさんの人に知ってもらうことに喜びを感じる人でなければこんな素晴らしい動画は作れない。リメイク版のホントの素晴らしさにまったく気づいていない私の目を開かせてくれた。もう一度本作を観てみたいと強く思わせてくれた。…あ、いかん。映画レビューでなくユーチューブレビューになっている。話を映画に戻す事にする

リタ・モレノとアリアナ・デボーズ

 nobu氏の解説のおかげで、バレンティーナ(リタ・モレノ)とアニータ(アリアナ・デボーズ)の存在感が際立っていた背景も理解できた。バレンティーナのソロが本作楽曲中もっとも心に響き、二人の主人公よりむしろアニータに感情移入してしまった私の感性もトンチンカンではなかった。それにしてもアリアナ・デボーズの力量はすごかった。特に踊りは圧巻だ。体がはじけ飛ぶ。目くばせ一つで観る者を魅了する。人の表現力はかくも高みに行けるものなのか。3月28日発表のアカデミー賞助演女優賞はぜひ彼女に取ってもらいたい。取れば1962年のリタ・モレノから60年の時を経て、2代のアニータが受賞することになる。なんともドラマチックではないか。

K介