ウエスト・サイド・ストーリーのレビュー・感想・評価
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A Play Worthy of a Revisit
You might not think a West Side Story remake is necessary, but one watch of this film and you can see that this era's conversation of class and race struggle was going on even 70 years ago. The look of the film is Steven Spielberg's high craft of bringing a polished look of timelessness that is technically cutting edge. So many of the songs are familiar, I forgot how many hits this production has.
今の技術で撮られた躍動感あるダンス&クラシックな佇まいが両立する快作
舞台版も1961年の映画版も見ておらず、タイトルだけ聞いたことがあるという状態でしたが、冒頭のワンカット長まわしから引き込まれ、2時間半強の上映時間をまったくダレずに楽しめました。
見事なカメラワークでじっくりとミュージカルシーンを見せてくれて、躍動感あるダンスは素晴らしい! の一言。最近のハリウッド映画によくあるカメラをぶんぶん振りまわす感じではなく、今の映画でありつつ全体的にクラシックな佇まいも感じられるものでした。
現代風にアレンジされているのかもしれませんが、変わりつつあるウエスト・サイドを舞台にした貧困と差別による戦いをテーマにした物語にはビビッドに“今”が感じられ、映像面だけでなく21世紀に映画化された意味が大きくあるように思いました。
映像の躍動感と、バカすぎる不良たちの愚かなケンカ。
スピルバーグと撮影監督のヤヌス・カミンスキーが、ロバート・ワイズ版のルックを踏襲しつつも大幅にアップデートさえて、躍動感のあるミュージカルシーンをわんさか創り出したことに拍手。実際に見比べてみると、どこか共通した雰囲気はあるのにここまで違うものかと驚く。細かいカット割りがミュージカルっぽくないという意見も目にしたが、映像でしかできない表現としてこれも絶対にアリだと思う。
看板を剥がすとアイルランド移民の店だったことがわかる緑のクローバーが出てくるなど、『ワシントン・ハイツ』に連なる移民コミュニティの変遷という裏テーマも見えてくる。社会的な問題にコミットするアップデートを施したことはよくわかるのだが、いまいち物語との歩調が合ってないようにも感じた。
まあ、物語だけを抜き出すと、本当にバカな不良たちのバカげたケンカの話であり、そんなに一糸乱れず一緒に踊れるのだから仲良くすればいいのにと身も蓋もないことを思ってしまう。トニーというキャラに面白みがないのもそもそもそういう役回りだからなのだが、アンセル・エルゴートよりはるかにリフ役のマイク・ファイストの方が輝いて見えた。いい顔してたなあ。
ラストに関してはちゃんとジェット団とシャーク団が全員集合して怒られるロバート・ワイズ版の方が好きだったりするし、名曲「クール」の扱いは舞台版とは敢えて変えたワイズ版を是非観て欲しいところ。観比べてみるといろいろ発見のある二本になっていると思いますよ。
対立する世の中の写し鏡であり続ける物語
言わずと知れたミュージカルの最高峰をリメイクするにあたり、スピルバーグは61年版のダイナミズムを大切に受け継ぎつつ、映像技術と創造性を駆使して”若者たちの衝動”をしっかり伝える。映像にはオリジナルを再現したかのような色味と厚みが際立ち、人種的な描写や配役の公平性にも配慮した結果、その映像世界はさらに活きいきと奥行きを増した。なおかつ、筆者が感嘆したのはスピルバーグ演出の流麗さだ。冒頭のカメラワークによって、物語の舞台である”解体されゆく場所”を俯瞰し、目線を誘っていく手法も素晴らしいが、情熱的なダンスやミュージカルはもとより、珠玉のキャストが口にする数々のセリフもまた、各々の心情を立体的に輝かせる。姿見や磨いた床、水溜りなど、己を映す”鏡”がたびたび登場するのも印象的だ。時代を超えて繰り返される哀しみや憎しみ。それを克服しようとする愛。現代世界へ向けたスピルバーグの熱い思いが伝わってきた。
通りで踊り出す若者たちを見て60年前の観客は失笑したものだが
街の通りで突然踊り出す。近作の『イン・ザ・ハイツ』も然りで、最近では珍しくはないこの演出を、1961年に製作されたロバート・ワイズ監督&ジェローム・ロビンス振付によるオリジナル版は取り入れていて、そこにこのミュージカルの魅力が凝縮されていた。通りで踊る、屋根の上で踊る、外階段で歌うetc。実は自分も公開当時に観ていて小さな体が興奮でブルブルしたものだが、周囲の大人たちからは失笑が漏れたのを覚えている。当時の日本の映画観客の目に、道を歩きながら踊り出すなんて、多分滑稽に映ったのだ。
かねてから、20世紀を映像で残すのが使命と言って憚らなかったスティーヴン・スピルバーグは、その言葉通り、屋外ダンスの躍動感をほぼ正確に踏襲しつつ、ワイズ版にはなかった再開発により破壊されていくニューヨーク、アッパーウエストサイドの荒涼とした風景や、ポーランド移民の不良グループ、ジェット団が、後からやって来たプエルトリコ移民のシャーク団に対して感じている脅威を強調することで、そこに今のアメリカの風景を投影。同時に、やがて戦いは終結し、愛によって結ばれる"ここではない何処か(テーマ曲の"サムウェア"に象徴される)"に人々は辿り着けることを願って、旧作を観ている人にも観ていない人にも、深い感動を与えてくれる。
配役の中ではジェット団のリーダー、リフを演じるマイク・ファイストのしなやかさが光る。ニューフェイスが魅力的でないと伝説的ミュージカルのリメイクも意味をなさないのだ。
リメイク作品なので物語自体には目新しさは少ない。ただ、それを補って余りある「歌」と「映像」のパワーがある!
まず、これまで「ハリウッド映画の歴史」を作り続けてきたスティーブン・スピルバーグ監督にとって本作が「初のミュージカル映画」となっていることに驚きました。
時代背景を踏まえつつもセンス良く色鮮やかな衣装デザイン、CGなどの最新技術に頼るのではなくライティングで影を巧みに操ってエッジの効いた映像表現を効果的に使う撮影手法など、とても初挑戦と思えないほどクオリティーの高い「ミュージカル映画」でした。
そして、それらの演出が功を奏し「トゥナイト」「クール」「アメリカ」「サムウェア」など数々の「名曲」とダンスシーンなどの「映像」にのめり込むことができました。
そもそも「ウエスト・サイド物語」における設定に1950年代のニューヨークのウエスト・サイドでのヨーロッパ系移民「ジェッツ」とプエルトリコ系移民「シャークス」で起こっている若者の対立があり、その対立構造がある中で、「ロミオとジュリエット」をモチーフにした切ないラブストーリーが展開され本作でもそれを踏襲しています。
移民や民族などの問題を中心に世界では「分断」が今でも日常化しています。そのため本作のように時代背景を変えずにリメイクされても、映像表現などが進化していて、この普遍的な物語がより響くようになっていました。1961年版の「ウエスト・サイド物語」の良さを活かしつつ、「現在の私たちが見たい作品」に昇華させることに成功していたと思います。
この愛は命そのもの
61年制作の映画『ウエストサイド物語』もミュージカルの舞台も観たことがあるが、今の時代にこの往年の名作を映画としてリメイクする意味を色々と考えさせられた。
ここで描かれているのは人種を越えた純粋な愛の形ではあるが、背景には貧困と移民問題がある。
昨年、同じプエルトリコ系の移民問題をテーマにした『インザハイツ』という優れたミュージカル映画が公開されたが、移民問題と格差社会はアメリカの永遠の課題である。
だからこの作品も十分現代に通じるテーマを持った作品なのだ。
さすがに歌やダンスにはやや古臭さを感じる部分はあるが、これはスピルバーグの見せ方の上手さなのだろう、画面から放出されるエネルギーの量に圧倒され、最後まで画面に引き込まれてしまった。
冒頭の富裕層が移り住むために撤去されようとしているスラム街の描写から、ダイナミックなカメラワークに魅了される。
このスラム街で縄張り争いをしているのは白人で組織されたジェッツとプエルトリコ系のシャークス。
ダンスナンバーから抗争シーンを通して、彼らが抱えている問題が明確に浮き彫りになっていく。
ベースになっているのはシェイクスピアの有名な戯曲『ロミオとジュリエット』だが、ただそれを現代的にアレンジしたのみならず、より根が深い現実的なテーマを持った作品に昇華していると感じた。
モンタギュー家とキャピュレット家という貴族の名家が互いに憎み合い、その結果若い命が散ってしまう美しい悲劇が『ロミオとジュリエット』だが、両家が憎み合う理由はとても個人的なものであり、無益な憎しみ合いを続けたことにより最終的には両家は罰を受けることになる。これがこの作品から学びとれる教訓でもある。
しかしこの『ウエストサイドストーリー』では互いに憎み合う二つのグループには、現実的にシビアな理由が存在する。
シャークスは移民の集団であり、それだけで白人からは仕事と居場所を奪う存在として嫌われている。
彼らは決して自分の意志でアメリカに移り住んだわけではない。
一方ジェッツも白人のグループではあるが、彼らも貧しい移民の子孫であり、犯罪に走らざるを得ない劣悪な環境で育ってきた。そして同じ白人でも、都市開発を進める側の人間にとっては彼らも排除すべき対象なのだ。
彼らはどちらも邪魔者扱いされる弱い立場なのだが、生き残るためには互いを排除するしかないのだ。
怒りの矛先が、憎しみの対象が、同じ虐げられる者同士に向けられてしまうのはとても悲しい。
だからシャークスのリーダーであるベルナルドの妹マリアに、ジェッツの創立者でもあるトニーが近づいたことで、大がかりな決闘にまで発展してしまう流れは必然だったのだ。
これはただの敵対する者同士の悲しい悲恋ではないのだ。
しかし、それでもスピルバーグはこの作品で『ロミオとジュリエット』で描かれる純粋な愛の形を、ファンタジーとしてロマンチックに表現してもいる。
現実がシビアだからこそ、二人の純愛は胸に刺さる。
旧作の方は20年近く前に観たので、大分忘れてしまっている部分はあるが、ひょっとするとリメイク版の方がより純度が高く、切なく美しい物語に仕上がっているような気がした。
一度旧作も観直してみようとは思うが。
演者のダンス力は格段にこちらの方が上だと思った。
そしてダンスナンバーを映し出すカメラワークも素晴らしい。
スピルバーグは『激突!』や『ジョーズ』など初期の頃から見せ方のとても上手い監督だと思っていたが、彼の撮る画には映画の原始的な面白さがあるようにも感じる。
見せるべきアクションをしっかりと見せる。
気がつけば観客は時間を忘れて物語に没頭させられる。
『ロミオとジュリエット』ではラストにロミオもジュリエットも命を落とすが、この作品ではマリアは死なない。
しかしマリアはトニーとの愛は命そのものだと歌う。
だからトニーが死ぬことは愛が終わることであり、同時にマリアの命が終わることでもあるのだ。
だからこの映画の結末はとても絶望的で暗い。
アニタはマリアの言付けをトニーに伝えようとドクの店に走るが、彼女がそこでジェッツのメンバーに辱しめられなければ、マリアが死んだという嘘はつかなかったかもしれない。
どこまで行っても憎しみの連鎖は悲劇を生み出すばかりだ。
絶望に駆られたトニーは、ベルナルドの仇を討つために銃を手にしたチノの前に姿をさらしてしまう。
トニーが死の直前にマリアと再会出来たことは、彼にとって唯一の救いだったろう。
マリア役のレイチェル・ゼグラーは旧作のナタリー・ウッドに匹敵するほどの存在感で、とてもチャーミングだった。
アニタ役のアリアナ・デボーズのダンスもずば抜けて印象に残った。
旧作でアニタを演じたリタ・モレノがバレンティーナを演じているのも感動的だ。
現代版のロミオとジュリエット
愛したもの相手が抗争する敵の側にいる。
お互いの愛は、変わらないままにどんどんと抗争が激化していく事になった。
音楽とダンスを見ているだけでもかなり見応えのある作品だと思います。
かなりの映像美と音楽が魅力的な作品でした
舞台を意識した作りが感じられたのは良かった点
どうも古い方を観たことがあるとリメイク版は腰が重くなる傾向です
1度観た話なのとリメイク版が良くなかったらと不安が否定できない…
なんたって悲恋だしワクワクしづらい
といっても古いバージョンを観たのもいつなのか忘れたし克明に覚えているわけでもないのですが
そんな心配を余所にスピルバーグ版、良かったです
色とりどりで華やかなのはもちろん、この時代の希望と苦難をエネルギッシュに表現されていたと感じました
最後の工場での決闘シーンは双方からの影が舞台ミュージカルをイメージさせるような使い方でスピルバーグの元作品へのリスペクトや観客への気遣いのようなものを感じました
最後のシーンで歌や台詞をまったく使わずに撤収したのも思わず貰い泣けました
まだまだ元気に映画を作ってほしいです
☆☆☆☆(前半) ☆☆☆☆(中盤) ☆☆☆★★(後半) 2022年...
☆☆☆☆(前半)
☆☆☆☆(中盤)
☆☆☆★★(後半)
2022年2月11日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン2
『ウェストサイド物語』がミュージカル映画の金字塔である事に異論はないのだけれど。それまでのミュージカルは、、、
〝 明るく・楽しく・他愛もなく・ただただひたすらにハッピーにさせてくれる典型的なボーイ・ミーツ・ガール 〟
…であったのですけどねえʅ(◞‿◟)ʃ
ストーリーなんて無くて良いのです。
とにかくアステアを始めとする《個人技》の素晴らしさに酔う極上のひと時が大好きなんです。
それが、『ウェスト…』以降は完全に群舞に変わってしまい。結果的にミュージカル映画とゆうジャンルの衰退を招いてしまった功罪は大きいと思っています。
そんな愚痴を、今はあんまり書き込まない方が良いのかも、、、って事で今はこのくらいに。
以下は取り留めもなく
♬ トゥナイトの場面
特大のセット。流れるようなカメラワーク。
思わず泣きそうになった。
でも、今改めてこれを作る意義はそれ程には感じられなかったかなあ。
いや!分かりますよ。現在の分断や差別主義、それに暴力の横行するアメリカ社会をなぞり。1961年版では冒頭のヘリコプターショットを、(おそらくはCGでしょうが)変わりゆく街並みの瓦礫から描き、大事なモノが失われて行く社会を憂いている。
それが、今の現代にも通じているとゆうメッセージなのでは?…と。
でも、お互いに争っているのは、どちらも移民とゆう低所得者同士なだけに、、、
スピルバーグとしては。再映像化にあたって、オリジナルのブロードウェイ版に対するアプローチであったのは分かるのですが。その為に、舞台版で第2幕にある♬ I Feel pretty はどうしても決闘後になり、後半の最後の方になってしまう。
この曲の性格からして、パーティーで《運命的な出逢い》に対する喜びを歌い上げているのだから。やはりここはロバート・ワイズ版で変更された曲の順番に軍配を上げたくなる。
但し、♬ アメリカ で、舞台的な空間を飛び出しての大群舞へと移行する演出は本当に素晴らしかった。
元々のロバート・ワイズ版でも素晴らしかったのですが。それに輪をかけての巨大なセットを背景に、出演者&スタッフ一丸となって観客に〝 夢とゆうマジック 〟へと誘ってくれた。
でも、でもなんですけど。せっかくの♬ COOL なのに全然COOL じゃあなかったのにはちょっとガッカリでしたなあ〜。
ジェット団が、様々な悔しさを押し殺して表現するこの曲。ワイズ版での素晴らしい演出があったからこそ、この作品が世界的にも名作として認知された最大の要因だったと思うのだけれども。
とりあえずスピルバーグは、(薄々、前から感じてはいたけれど。どんなジャンルでも思いのままに撮れてしまう)ロバート・ワイズになりたいと思っていたのだろう…と。
スピルバーグの映像センスがとにかく素晴らしい。
「アイデアとは既存の要素の組み合わせである」というのはよく言われることだ。
本作はシェイクスピアの「ロメオとジュリエット」にアメリカの人種問題を絡めたところに巧さがある。
さらにこのスピルバーグ版が公開された2021年当時のアメリカは人種問題が大きく取り上げられていた時期でもあった。
そういう点でも、スピルバーグのセンスは洗練されている。
物語としては、アメリカのニューヨークのウエスト・サイドで、ポーランド系アメリカ人のジェッツとプエルトリコ系アメリカ人のシャークスが抗争を繰り広げている。ジェッツのメンバーで刑務所から戻ってきておとなしくしているトニーは、現リーダーのリフから、グループに戻ってくるように誘われるのだが、イマイチ踏み切れない。それでも、彼らが参加するダンスパーティーに参加してみたところ、マリアというプエルトリコ系の女性に出会う。マリアはシャークスのリーダーのベルナルドの妹だ。ベルナルドが妹とトニーの交際をみとめるわけがない。これが悲劇のはじまりだった。
というもの。
ストーリー自体は「ロメオとジュリエット」なので、オリジナリティ云々というものではない。むしろ見どころは、誰もが知っているストーリーをいかに面白く見せるかというところだろう。
本作は歌と踊りが見事なだけでなく、映像がとにかくすごい。派手なCGがあるわけではなく、あくまでも日常を舞台とした作品にもかかわらず、映像の作りが超絶技巧だ。すべてが制御されていて、どうやるとこういうものができるのかわからない。一点の乱れもない完璧な映像だ。こういうところを見ると、やっぱりスピルバーグはビジュアルの人なのだという認識を新たにする。
なお、オリジナルを観たことがないので、どこがどう違うとか、現代風にアレンジされているかどうか、といったところはわからない。
製作費は147億円で興行収入が111億円なので、赤字である。これは映画業界がパンデミックからの回復を目指していた時期だったことや、「ヴェノム2」や「シャン・チー」といった作品は人気があったが、本作のようなおとな向けの作品は人気が低かったという事情もあるようだ。
観終わってから、シーアのPVで有名なマディー・ジーグラーが出演していたことに気づいて観返したのだが、ちゃんと映っていたのは1シーンだけで、踊っていなかった。セリフつきのエキストラみたいな扱いで、ファンとしては残念。
それはともかく、スピルバーグは毎年1本は公開してるんじゃないかっていうくらい作品を作り続けているのがすごい。それだけに腕が落ちないのだろう。そして、もう77歳だというのに、本作のような若い恋人たちが直球の純愛を文字通り歌い上げる作品を撮れるという、精神的な若さにも感動した。とにかく作り続けることで洗練されていく。そんな当たり前のことに気づかせてくれたことに感謝したい。
ウェストサイド・マンハッタンの雰囲気はとても良かったが…
かの名作をスピルバーグ監督がメガフォンを取ったっ!ということで期待度マックスで鑑賞。
ちょっと期待し過ぎたかも…もうひとつオリジナルを越えられない感が拭えない。ウェストサイド・マンハッタンの感じはとても良く、その中でもプエルトリコ組のシャーク団女子はパワフル&カラフルで相当映えていたが、それ以外はそれ以上でもそれ以下でもないといったところか。アンセル・エルゴートもはまり役と思いきや、どことなくしっくりこないし、その他の配役も同様の印象。このご時世の中、いまだに良くも悪くもオリジナルのブロードウェイ・ミュージカル感をインスパイアし過ぎたのか。
期待し過ぎただけに少々酷評気味になってしまったが、それでも何だかんだと最後まで楽しめたのは、やはりスピルバーグ監督の手腕なのだろう。
ミュージカル
映画には馴染みがなくどうしても食わず嫌いしてしまうが、観てしまえば段々と違和感なくなり楽しめた。
ミュージカル特有の突っ込み所はあるが、それよりもダンスの完成度が凄い。
俳優さん達は撮影で相当痩せたのではと心配になる程。
ストーリーはベタな禁断の恋を織り混ぜた、ギャング同士の抗争だが、古き良き時代の雰囲気がしてなんか良かった。
ラストで対立していたギャング同士がトニーを運ぶ場面が良かった。
やはり仲良くが一番。
スピルバーグ監督が再映画化
1961年に映画化されたミュージカルを
スピルバーグ監督が再映画化。
ミュージカル映画はスピルバーグ監督には珍しいですね。
懐かしい有名な曲を久しぶりに聴けて満足。
やっぱりバーンスタインの曲はいいですね。
3万人のオーディションで選ばれたマリア役のレイチェル・ゼグラーが
美人じゃないけど可愛いプエルトリコ人を熱演しました。
今この時代に観るにはキツイ。
シェイクスピアのロミオ&ジュリエットを原案にしたウエストサイド物語をさらにリメイクしたもの。最新の映像技術でこの内容をハメられるとキツイ。内容の古さが浮いてしまって違和感しかない。
アリアナ・デボーズは良かった。それだけ。
ああトニー、どうしてあなたはトニーなの? 踊る阿呆に歌う阿呆、阿呆は死ななきゃ治らない。
1950年代、都市の再開発が進むニューヨークのウエストサイドを舞台に、対立する2つのギャングの抗争と、その争いに翻弄される若き男女の恋愛を描いたミュージカル・ラブストーリー。
監督/製作は『インディ・ジョーンズ』シリーズや『ジュラシック・パーク』シリーズの、巨匠スティーヴン・スピルバーグ。
主人公である元ギャングの青年、トニーを演じるのは『きっと、星のせいじゃない。』『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴート。
👑受賞歴👑
第94回 アカデミー賞…助演女優賞(アリアナ・デボーズ)!
第79回 ゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)…作品賞/主演女優賞(レイチェル・ゼグラー)/助演女優賞!✨✨
第27回 放送映画批評家協会賞…助演女優賞!
第75回 英国アカデミー賞…助演女優賞!
原作はシェイクスピアの有名な恋愛悲劇「ロミオとジュリエット」(1597)から着想を得て制作されたブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド物語』(1957年初演)。
1961年にも映画化されており、本作の製作総指揮も務めているバレンティーナ役のリタ・モレノ(御年91!)はこの1961年版ではアニータを演じている。またこの時の演技により、彼女はプエルトリコ系として初のアカデミー賞助演女優賞を獲得した人物となった。
スピルバーグは10歳の頃に初めて『ウエスト・サイド物語』のLPを聴き、その楽曲に魅了されたという。
少年時代の思い出の作品であり、それを映画化したいという思いをずっと抱き続けていたスピルバーグだが、75歳にしてついにその宿願を果たしたのである。おめでとう🎉
2021年に死去したオリジナルクリエイターの1人である作詞家・スティーヴン・ソンドハイムもこの映画の完成に立ち会えたというし、リタ・モレノも再び『ウエスト・サイド』に出演する事が出来た訳だし、再映画化における最良のタイミングにギリギリ間に合ったという感じですね〜✨
あらゆるジャンルの映画を制作してきたスピルバーグだが、意外にもミュージカルは初。
初めてでこのレベルのものが作れるってどんだけ天才なんだよおい…。改めてスピルバーグの恐るべき才能と能力を見せつけられた。
音楽、ダンス、歌、役者、映像、セット、ロケーション、カット割…。何から何まで世界最高レベル。公開から2年しか経っていないが、すでにクラシックと呼んでも差し支えがないほどに堂々とした映画である。
奇を衒らった演出やストーリーに頼らず、がっぷり四つの横綱相撲のようなシンプルな強さで一気に押し切る。
いやぁ見事。こんな芸当が出来るのは今やスピルバーグだけなんじゃないでしょうか。
とまぁ凄い映画だとは思うんです。ただ、個人的に好きかどうかはまた別問題な訳で。
そもそも私、ミュージカル自体そんなに得意じゃない。「歌と踊りはわかったから早く物語の続きみせてーな」とか思っちゃうタイプ。
また、今回初めて『ウエスト・サイド物語』に触れたので、ブロードウェイ版や1961年版に対する思い入れも一切無し。
ストーリーも碌に知らない状態で鑑賞した今作。素直な意見を言わせてもらえば「信じられん馬鹿共だヨ!!」、その一点である。
ストーリーに重きを置いた映画ではないということは重々承知しているし、これが人種間対立とそれに起因する暴力、多重化する差別構造、そして若者たちのやり場のない苛立ちを表したアレゴリーであることは理解している。
しかしですね。舞台演劇なら良いのかも知れないけど、より具体的でリアルな”映画”という媒体では、この物語はあまりにも陳腐に見える。
だってこれたった2日の間に起きた出来事なんですよ!!いやいや、短期間の内に燃え上がりすぎだろぉ…。
目と目が合った瞬間ストンと恋に落ちるというのも「そんな訳ねぇだろ」と思っちゃうし、兄貴を殺したっつーのによくおめおめと妹の前に顔出せるなトニーよ、そしてそんな男とよくセックス出来るなマリアよ、とか、そういうあり得ない事が目につきすぎて全然物語に入って行けなかった。
恋人が殺された直後のアニータに対して「でも私はあの人が好きなのよぉ〜〜🎵」って…。おいマリアよ、お前なぁ…。
ロマンチックな恋愛悲劇であることは認めるが、トニーの行動が短絡的過ぎて、彼が死んだ時も「うん、まぁ自業自得だな」くらいにしか思わず。
トニーとマリアの、絵に描いたような情熱的な恋愛を飲み込めるか否かでこの映画の評価は分かれる気がする。私は全然ダメでした🙅🏼
あとこの世界線のニューヨークの警官の無能さに呆れる。「ウエスト・サイドを全面封鎖だっ!」とか言っておいてガバガバじゃねぇかおいっ!!
まずバレンティーナのお店に警官を向かわせろよっ…。ホシの職場を張るのは基本でしょうに。全然人手が足りてないっぽいけど、4人くらいしか警官いねぇんじゃねえのこのNY…?
こういう点も、多分舞台劇だと気にならないんだろうが、映画だとすっごく気になっちゃう。
ジェッツとシャークスの奴らも、お互いに本当にバカでもうどうしようもない。勿論、多感な若者のやり場のない感情と活力が暴走していく危険性を示す事がこの物語のキモなんだけど、どいつもこいつも全然好感が持てなくて、終始「別にこいつらがどうなってもどうでも良いよ…」という感じで観ていた。
これもまたちょっと気になっちゃうところなんだけど、このNYには半グレじゃない本物のギャングはいないんだろうか。デ・ニーロとかパチーノとかジョー・ペシみたいな、マジにヤバい奴らの存在が全く描かれていないことにも違和感が…。って、今更『ウエスト・サイド物語』のストーリーにとやかく言ってもしょうがないんだけどね。
確かにミュージカルシーンは素晴らしい!
体育館でのマンボや、プエルトリカンの怒りや苦悩を陽気に歌い上げる「アメリカ」、トニーとリフの決別シーンである「クール」など、そこだけを何度も見返したくなるシーンは沢山ある。
楽曲の良さは認めるが、ただやっぱり150分オーバーは流石に長い。歌の良さ、踊りの良さではカバーし切れない冗長さがあった。
それと、まぁこれは比べるもんじゃあないのは重々承知で述べるが、本作の後に公開されたインド映画『RRR』(2022)、これも人種間の対立をダンスバトルで表現していたが、どっちが凄いかと言われると確実に『RRR』の方が凄い。『RRR』の方を先に観ていたことで、本作のミュージカルシーンのインパクトが薄れてしまったというのは間違いない。
という訳で、個人的にはイマイチ乗り切れず。
ただ、有名な『ウエスト・サイド物語』がどういう作品なのかを学ぶ事が出来たという点で、本作を観た価値は大いにあった。
スピルバーグがミュージカル初というのは先に述べたが、実は本作でマリアを演じたレイチェル・ゼグラーはこの作品が映画初出演。彼女、ミュージカルが初めてとか初出演とかじゃなくて、映画出演自体が初めてなんです。初めてでこの演技って、凄いとかそういう次元じゃない。演技力は抜群だし歌唱力も凄い、おまけに見た目もキュート。すごい逸材が出てきたもんやで…。
彼女は2025年公開予定の実写版『白雪姫』で、白雪姫を演じる事が決定している。南米にルーツがある彼女が白雪姫を演じるということで、また無益な論争が起こるであろうことは想像に難く無いが、馬鹿馬鹿しいゴタゴタに神経を擦り減らす事なく、女優として大きく成長していってほしい。
前半は間延びするけど…涙
舞台、前回の映画は未鑑賞ですが、有名な作品なのでメインの数曲とストーリーの大筋は知っている状態で鑑賞しました。
それでも「えっ、この歌もこの作品のだったの?」と驚く曲があり、私自身は世代ではないですが、耳に残る名曲が多く、歌い継がれているんだなと感じました。
一曲一曲が長いのと、セリフは少なく、町、移民、ジェッツとシャークス、少年達のこれまでや今をナンバーで語るシーンが多く、若干間延びしていますが、最後の1時間は一気にストーリーが進み引き込まれます。
そして、舞台のように脚元が安定した場所ではない屋外やセットの中であれだけのパワフルなダンス…終始見応えありました。
ちょっと古びたような映像加工や、ジェッツは青、シャークスは赤、登場人物の来ている色をチーム分けているのですが、その衣装も一人一人色味が絶妙で、観ていて楽しかったです。
前知識はあまりなかったですが、舞台や前作の写真をみる限り、脇役の中ではアニータが1番ポイントなんだろうと思っていました。
初めてちゃんと鑑賞した今作、やはりアニータがよかったです。
どこか中立公正、鑑賞している私たち視点な考え方を持っていたりして共感できます。マリアのよき姉的存在、愛情と人情に溢れた女性でした。
決闘後、マリアに「愛についてあなたが1番よく分かってる」と懇願され、受け入れた時のアニータが印象的です。
その後、ジェッツ団に絡まれた勢いで、つい嘘をついてしまう…人間だし、そりゃそうなるわと思います。
間延びしたと書きましたが、結局最後は泣きました。
途中までは、トニー、ベルナルド、リフを中心にして少年たちの抗争や葛藤、時代背景をみる映画でしたが、後半は、最後に残された女性2人、それぞれの愛の物語を観てるような感覚になった作品でした。
良作のミュージカル映画
ネタバレあり
昔の未鑑賞
予備知識はロミジュリかな?って程度。
アニータが強い女で好きや!
体育館でのダンスがすごいよかったな〜〜。
アメリカもよかったな〜〜。
男性陣のダンスうますぎて驚き。
指パッチンがなんかダサいけど悪っぽくてよかったよ。
がっっっつりロミジュリでラスト悲しくなったからちょっと下がるけど、
踊りがよかったからまた見たい。
22.3.30 映画館
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