劇場公開日 2022年2月11日

「ひとめぼれから始まる恋愛映画はミュージカルが良く似合う。」ウエスト・サイド・ストーリー YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ひとめぼれから始まる恋愛映画はミュージカルが良く似合う。

2022年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前・後半は別映画と考えた方が良い。
前半は ★無限大! しかし後半が。。。

画像の色彩感(色合い)がとても良い 細かな造作もいい 音楽・音響もいい
唄も前作よりもうまくて、素晴らしい。
登場する車もみな、前作よりもいい雰囲気だ。

前作は演劇のような固定カメラが多かったが、今回はカメラワークが素晴らしい。
特に第1カットの入り方
前作は地理的な説明だったが、今回は時代背景だ。
カメラが来ると、人物がはじめて動き出すやり方は、あまり好きではないが
昔:フィルムでは不可能だった長回しを、現代技術:デジタル撮影ならではに魅せてくれたのは、リメイクならではの好手法。

逆光やスポットライト等の少し誇張した光源を使った表現方法は舞台劇のようでもあり、素晴らしく、
多くのシーンでは"光と影"が上手く取り入れられ、どこも素晴らしい構図に成っていた。

今回は前作で印象的だった"足を上げて踊るシーン"と"指パッチン"がないのが残念。前作の代表シーンをあえて入れなかったのは監督の配慮だろう。
組みダンスが前作より少し地味になったが、それでも前作同様"完璧に揃っていない"のが逆にアメリカぽくて良い。

赤い服が好きなヒロイン:マリアは、愛しい人:トニーと出会ってからは
仕事でもプライベートでも彼と同じ青色の服を迷わず着るところがニクイ演出表現。

今回はトニーが"むしょ帰り"これは何を意味しているのか? 監督に聞いてみたい。

プエルトリコ人の話す言葉が【 】を使った日本語字幕がでていたが、その下に英語訳がでていない!
スペイン語の英語字幕が入らないのは米国版でもそうなのか? 確かめたい。

快調な前半に反して、後半にかけて「ロミオとジュリエット(シェイクスピア)」色が濃くなり
救いがない、中途半端な社会派悲劇"映画に成ってしまった。
前作は前作時の時代背景として、くそれで良かったが、
2021年にリメイクした時、同じ内容では意味がない。
今は今の"結び"を用意して、はじめて この映画をリメイクした価値がでる。

この映画は、前作の「ウエスト・サイト物語」と見比べてみるといい
細かいところと登場人物が違うが、内容も映画の質も同じである事に気づいてしまうだろう。
しかし両作とも超1級作品であることには間違いない。

YAS!
YAS!さんのコメント
2022年4月9日

彼らは 地元っ子 なんだよ、アメリカ中世界中から集まってきた不良ではなく、地域の発展から置いていかれた若人
そこに重要な社会問題が加味されているのは
本作第一カットで、表現したでしょ!

YAS!
YAS!さんのコメント
2022年4月9日

「レ・ミゼラブル」の革命家達と同じく、本作の不良達と
映画の観客との隔たりを埋めるために、主人公はその仲間から僅かに距離を置いた好青年が設定なのだが、そのキャラクターの脛に傷をつける理由が解らない。

YAS!