劇場公開日 2022年2月11日

「スピルバーグって映画撮るの上手よね」ウエスト・サイド・ストーリー 青空ぷらすさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5スピルバーグって映画撮るの上手よね

2022年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

61年版の「ウエストサイド物語」は子供の頃にテレビ放映を見た……と思うけど正直うろ覚え。
ただ、確か物語の基本設定は同じだけど、「若者の不良化」の方にスポットが当てられてたと思う。
スピルバーグは物語や設定はそのままに、前作の不良たちの、ホワイト・トラッシュとプエルトリコ移民という両者の背景の方にスポットを当て、物語と歌や踊りをシームレスに繋ぎながら、街を舞台にすることで前作以上にミュージカルシーンをよりダイナミックに、かつ立体的にリメイクしてみせた。
さらにジェット団もシャーク団も、ジェントリフィケーション(再開発による都市の高級化)によって、近い将来居場所を奪われてしまうことが冒頭で分かるようになってて、両者が社会的弱者である事も分かる。
本作の制作を最初に知った時は「なんで今さらこの作品を?」って思ったけど、観終わってみれば確かに現代の物語だったことが分かる。
そして、物凄く当たり前だけど、やっぱりスピルバーグは映画を作るのが上手だと、改めて思い知らされた。

青空ぷらす