「Krup you‼」ウエスト・サイド・ストーリー MARさんの映画レビュー(感想・評価)
Krup you‼
移民の集まるアメリカにて、対立するヨーロッパ系移民とプエルトリコ人グループが決闘をすることになり、それぞれに関係する2人の男女の恋の行方を描いたミュージカル作品。
序盤からグッドルッキンガイズの軽快なダンスが見所。それでいて、相反する自由と差別の混在するアメリカでの移民たちの鬱憤がよく描かれている。
中盤からは恋愛要素も参戦。アンセル・エルゴート氏、甘いマスクと艶っぽい低温ボイスの共存は反則ですね(いつもはヨーロピアン美女が目的なワタクシだが、本作だけは彼が目的だったりする(笑))。対するマリアも勿論魅力的。何となく、若い頃の星野真里さんに似ている感じ。
移民の生きづらさや抗争するグループ関係にうまく恋愛要素を落とし込んでいるし、歌もダンスもとにかく見事の一言‼
…だが、ひとつひとつのシーンがちょっと長いんですよね。短い映画が好きなワタクシにとって、2時間半超えはちょっとハードルが高い。。
それでも、そんな長さを感じさせない面白さはあったし、ストーリーはわかりやすいし、荒廃した町さえ美しく見えてしまうつくりは流石スピルバーグ監督作品。
ベストキャラはバレンティーナおばあちゃん。この地で生きてきた強さと不良達を見守る優しさ、そこに垣間見える可愛らしさがグッド。それにしても、いつの時代・場所でも不良グループが懐くおばあちゃんっていますよね。
ベストシーンは取り調べ所でのミュージカルシーン。しっとりと愛を歌い上げるのよりも、やっぱりミュージカルはこういう明るくてコミカルな演出が好きですね。Krup you♪
あまり監督で映画を選ばない自分が唯一拘るのがスピルバーグ監督作品なので、ちょっと期待しすぎた感はあるけど、楽しくも哀しい物語と大人数での迫力あるダンスに魅了された作品だった。