「リメイクした意義が見えず」ウエスト・サイド・ストーリー Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
リメイクした意義が見えず
ウエストサイドストーリー
「ロミオとジュリエット」から着想した
NYスラムの移民系アメリカ人不良の抗争と
その間に芽生えた禁断の恋と悲劇を描き
レナード・バーンスタインの楽曲で
1957年にブロードウェイで
上映されたミュージカル
ロバート・ワイズ監督で1961年に映画化し
大ヒットおよびアカデミー賞10部門を受賞
ミュージカル映画の古典の名作として
語り継がれている
今作はそれを60年ぶりに
スティーブン・スピルバーグ監督がリメイク
個人的にはその1961年の旧作は
たまにBSとかでやってるとついつい
見ちゃう位に好きでなんですが
今作はどうだったかというと
あまりに「忠実すぎて」しまい
これなら旧作でいいんじゃと
思ってしまうほどでした
クリエイターサイドの方が
評価高いんでしょうね…
NYも今では世界都市みたいな感じ
ですが移民の窓口であり
古くは1800年代から治安は
ムチャクチャ悪く1900年代
中盤以降でも放置されてる
死体をまたいで通勤してたとか
すごい話を聞きます
治安があまりに悪いことから
地価が底値まで下がり過ぎたた
ところで買い上げて再開発から
財を成したのがかの
ドナルド・トランプの父
フレデリックと言われています
ちょうどそのころの話です
そうした再開発によって
取り壊された瓦礫などのセットは
よくできていましたが
まあやっぱりセットです
旧作ではなにせ「当時」ですから
本物なわけですしそれを超えるも
なにも無理がありますよね
ストーリーもほぼ同じです
リメイクにあたって何か追加や
改変を大きく受けた感じはないです
なにせ元ネタはロミオとジュリエット
ですし変えようがないんですけどね
スピルバーグ監督の撮影チームが
最高の力を発揮しているのは
わかりますが
どうしても
三つ星シェフがあの名店の
伝説の味を再現!
みたいな印象しか受けないのです
内容的には60年ぶりに作りました
と言いますが
10年前に作っても20年前に作っても
こんな感じでしょうね
つまりわざわざ作った理由があんまり
わかんなかったです
いまだにミュージカルの定番ですし
一昨年の特異なビジュアルで話題となった
CATSみたいのならまだわかるんですが
まあ自分の映画偏差値はそんなもの
60年前にアニタ役だったリタ・モレノ
がドック役で出てるってのは
ちょっと面白いけど
リマスターされた旧作でいいと思います