「音楽が好きでも嫌いでもお勧め。」カセットテープ・ダイアリーズ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽が好きでも嫌いでもお勧め。
お話の内容については、多くの方が書いているので重複するところは省略。
パキスタンといえば、インドとの間でのカシミール地方をめぐる紛争がよく知られていますが、移住先のイギリスにおいても(イギリスから独立を勝ち取った形となった)、何かと移民は雇用のパイを奪ってしまう、文化が合わない…と差別されたり低くみられたようです。
そうした差別問題に対して(なお、極端な排斥運動はあまり描写されない)、自身も暴力で訴えていくのではなく、自身の夢を音楽という形でかなえていくことで、少しずつ回りの目を変えていきたい、換言すれば、移民への差別はあるけれども、学力次第では一定の道が開かれていた当時のイギリスで、必ずしも「親の希望」とは相いれない形で、自分のやりたいことをやる、(悪い意味での)「古い習慣にとらわれない」、「夢を信じる気持ちや作品を作る力、学力…は逆風が吹く自身を変えてくれる」という信念で、自身の夢をかなえていく、良い内容だな、と思いました(実話に基づく、とのことで、最後に実際の当事者の方の写真などが出ます)。
あえて0.3点減としたのは、以下の通りでしょうか。(4.7点ですが、そのようにつけられないので0.5減扱いにしました)。
0.3点減: 実は「カセットテープ」という点はあまり本質論ではなく(ただ、当時は今のような最新式ウォークマンもiPhoneもあるはずもない)、「音楽」が一つのファクターとなります。むしろ、実在のミュージシャン(今年で70歳だそう)の音楽に主人公が触れ合うこと、それが「夢をかなえるために頑張ろう」という方向に向かっていくのであり、その点が本タイトルだけではわかりづらい(ややもすると、「カセットテープ」を延々聞くだけの映画に思えてしまう)のが、やや「もったいない」印象を受けました。
※ こうしたことはすべて説明があるので大丈夫ですが、最初から「カセットテープの時代なんて…」ってなっちゃうと、もったいないので。