「静かに始まって静かに終わる、静かな映画」糸 みみたろさんの映画レビュー(感想・評価)
静かに始まって静かに終わる、静かな映画
平成元年生まれの二人が中学生で出会ってから何度も離れてまた引き寄せられてまた離れて
毛糸を編むように
出会うべきときに出会う人に出会っている
それが静かに静かに紡がれた映画だった。
映画っぽくなく音楽をあまり使わずセリフだけのシーンが多かった。
それゆえとても静かで退屈な場面も多い。
とくに起承転結があるわけでもなく、次の展開や結末も容易に予想でき、途中途中で中島みゆきの糸が流れたから、エンディングは菅田くんが糸をうたうんだろうなってとこまで分かってしまった。
そんな特に何もない映画だったけど、子育てから離れて、静かにぼーっと映画館で時を過ごすにはちょうどいい映画だった。
一番泣いたのは香のお葬式で娘ちゃんがおじいちゃんの泣く姿に抱きしめてあげるシーン。
あぁ、子供産んでから本当にこういうシーンはダメ。いま思い出しても涙が出てくる。
あと香のお父さんが漣くんにピーナッツ投げて追い出すシーン。
これもやばい。自分の子供も、自分の子供が愛した人も大切に想う親心。涙出てきた。
自分の子供にも
泣いてる人がいたら寄り添って抱きしめてあげる
そんな人として人に愛情を注げる人になってほしいな。
今年は花火大会が中止が相次いでいたのでつい花火のシーンは登場人物よりも花火に没頭してしまった。
花火っていいな。来年は復活しますように。
最後に、3.11のシーンがとても大きく存在した。平成とは災害の時代で特に3.11は今も記憶に残る出来事だったと思う。
東京で被災した私ですら、いろんなことをぶわーって思った。
映画に対してそんなシーンがあるよってのは配慮があってもよかったんじゃないかなと思う。
あと榮倉奈々ちゃん、いい女優さんになった。奈々ちゃんの自然な演技、大好き。モデルの頃から好きです。
映画館メモ
140席くらいの5列目ど真ん中。
ちょっとど真ん中すぎて、疲れた。
もう少し上から見下ろす感じで、意外とど真ん中より少し外したところの方が見やすい。
コロナ禍の映画館
感染対策は消毒液、サーモグラフィーの体温測定、1席空けの座席、換気。
1席あけの座席、これは良い。目の前に頭がない、両肘置きを使える、素晴らしい。もうぎゅうぎゅう詰めの映画館には行かれないかもしれない。それでもルールを守らないバカップルは数組いた。前後の人も特に注意しないから、それほど皆気にしないのか?
換気のせいか、キャパの半分の人だからか、とにかく寒かった。映画中に頻繁に外に出る人続出。そして駅近の映画館だからか電車のゴーって音が聞こえて少し気になる。あと換気のミーって音も。
マスクは半分くらいの人はしっぱなし(飲食しない派)、半分くらいの人は外して(飲食派)。
基本的にはお行儀良く見ている人が大半だったけど、途中退出で気を使わずに出たり入ったりする人(そういう人に限って真ん中の席使うよね)やマクドナルド持ち込みBBAはコロナ関係なくいる。
そして最近の若者、たった2時間スマホ我慢できないなら、映画館ではなく家でネットフリックスしててくれ。