「二つの糸が結ぶ先は・・・・・・?」糸 たかやさんの映画レビュー(感想・評価)
二つの糸が結ぶ先は・・・・・・?
二人の糸が結ぶ先は?
どんな環境にいても、進むには己の気持ちと努力が必要
今回の内容は、中学のときに両思いだった二人が離れ離れになり、大人となって再開するが
この作品は、二人の男女のすれ違い、そして、二人の人生を描いている作品である。
良いところとして、
それぞれのキャラの関係性を大事にしていたと思われる。例えば、函館の港で主人公とヒロインが抱き合ったシーンでは、キスになりそうな場面でもそれがなかったのは、良かった。あくまでも、自分たちの関係は過去のもの。今、大切な人をちゃんと守るという、割り切った関係になれていて良かった。
例え、辛く悲しい現実がきても立ち向かった戦っている。ここで、3.11によって壊れてしまった妻がいても最後まで連れ添った友達夫婦や、癌に犯されても笑顔を絶やさなかった主人公の妻、妻を亡くしても立ち直り新たな目標に向かって努力する主人公、元会社社長だったヒロインも下請けの仕事をちゃんとこなしているなど、様々な辛い場面が襲っても、最後まで戦っているシーンはとても感動できる。
悪い点として、
ヒロインの女の彼氏(斎藤工)が何がしたいのかわからなかった。金を置いて、彼女の前に姿を消すことを二度もやっており、ただの成人主人公(20歳)が届かない存在役にしただけで、ヒロインに対しては、嫌な男にしかなっていない。つまり、どれだけ主人公がいい男なのかアピールにしかなっていない。
二人の最後に結ばれるシーン。物語の最後のシーンで、主人公とヒロインが結婚する描写があるが、これだとヒロインがただ主人公と結婚するためだけに戻ってきただけの描写になっている。それだと、なぜいけないのかというと、主人公が頑張る舞台が地元、ヒロインが頑張る舞台が海外という明確な位置付けを行ったのに、結果的に、ヒロインは夢を諦めて地元に戻っただけのようにしか取られない。せめて、主人公の仕事を手伝う(難しい英語の翻訳をする)などの描写を行えば、ヒロインも地元にいながら海外の舞台で仕事が行えていると言える。