「カツ丼食いながら泣く女」糸 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
カツ丼食いながら泣く女
を、見ながら、一緒に泣いてしまうだなんて思いもしてませんでしたからw
中島みゆきの「糸」を使ってですよ、「壮大な愛の物語」なんつー陳腐極まりないコピーを恥ずかしげもなく前面に押し出してですよ、豪華キャストで大作感満々のごり押し宣伝。で、TBS。舞台は北海道からシンガポール。もう、昭和世代狙いのお涙頂戴ものであることに、疑いの余地は無いと言う予想通りに、お涙頂戴ものでした。が。
ちょっと違ってたのは「愛だ愛だ愛だ」な内容じゃ無かった点どした。半分は生き方の話。
裏切りに遭い、全てを失い、絶望のどん底にあっても、「何で、こんな時に腹が減るんだよ、何で、こんなに美味いって思えるんだよ(ん?イヤ、不味い…)」。あおいちゃん、そこでカツ丼屋ですよ、ネイルじゃなくって。カツ丼屋やれば良かったのに!と言う冗談はさておき、ここで何故かもらい泣きしてしまったのは私です。
瀬々敬久作品、今回撮影を担当したのは斉藤幸一さん。ピンク仲間ですよねw
斎藤幸一さんの、現場たたき上げの画が好き。カメラが少しづつ横移動。人物は足を止めたまま。人物が話しながら動き出す方向に、ゆっくりと動き続けるカメラ。足を止めてるときも、歩き出しからも、人物は会話を続けています。人物の動きではなく、会話の流れに合わせるカメラの動きとか、凄く好き。
漣が立ち去ろうとする葵を呼び止めた東京の夜のシーンの構図とか、病院の廊下の明るさとか、何でも無いところも丁寧に構図を練った感があって良かった。
TBSの平野隆氏らしい、おおざっぱに表面なぞりました的で押しつけがましい感動話ではあるけれど、体重を戻して来た小松奈々の可愛さと、斎藤幸一のカメラが期待通りで良かったです。
ところで、漣と葵が一晩を過ごしたコテージの前を通り過ぎたトラクターを運転してたのって....あれが瀬々監督?
すみません。焼き肉食いながら泣けません。焼き肉を食べる幸せになるからです。少食だった幼い頃から焼き肉になるとガンガン食べることができました。少したつと牛肉は幸福感を与えるのだと確信しました。でも家ではそういう大きいお肉食べません。どうでもいいこと、長々とすみません。要するに焼き肉食いながら泣かない。それだけです。
bloodtrailさん、私はまだこの映画見たことないしカツ丼も食わないのですが、焼き肉なら食いながら泣けるかな?と思いました。ここで私は、自分の映画無知にも関わらず色んな方が教えて下さったり情報下さったりで本当に楽しいです。今日は仕事でムカつく(こういう言葉はあまり使いたくない)ことがあり、明日の仕事の為に早く寝ようと思ったのに目がギンギンに冴えて仕事してました。でもここに戻って皆さんのレビューやコメントを眺めるだけで癒やされる自分を発見しました!天気の子かな?初めてコメントくださって教えていただいたの、bloodtrailさんだと思います。
bloodさんへ、
数日経つと色んなことが気になるものでして・・・
倍賞美津子の食堂、美瑛の町と言ってた気がするのですが、夕張市の近くですよね?
なんとなく『幸福の黄色いハンカチ』に登場した夕張炭鉱のそばじゃないかと思って、もしそうなら、倍賞千恵子と繋がっているのでは?などと妄想が膨らんできました。
それが意図したものだったら、すごい“糸”を感じます・・・