気狂いピエロのレビュー・感想・評価
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コント、こんなゴダールは嫌だ!
早稲田松竹で「勝手にしやがれ」と併映で。
そこそこ混んでて、ロビーに並んで開場を待ちました。中高年、男性が多め。
こんな大ネタにも関わらず、これまで奇跡的に通らずに来たので初見です…。
オリジナルのネガ紛失後、かなり苦労して復元、新訳の字幕を付けた2016年版ということでした。
ジャンプカットに翻弄されることを覚悟していたけど、今作ではそこまでではなかったし、基本のストーリーラインははボニー&クライドみたいな逃避行(そしてファムファタール)ものだったので、どうにか最後まで振り落とされずに済んだ。
時代がだいぶ違うけど、デビット・リンチなんかと比べたらぜんぜん「正気」に見える。
ただ途中、同じ舞台に異なる時系列の出来事が同時進行するくだりは、きっと映画の歴史に残る名場面だろうけど、やはり今見ても新鮮でとても楽しかった。
ただ、詩のような掛け合いや哲学的なナレーションの字幕をずーっと読んでいるとどうにも睡魔が…。
こればっかりはフランス語を習得でもしないと…という限界を感じた。情報量が多くて退屈じゃないのに脳が追いつかなくて眠くなるやつ。
ところどころ入るベルモントとカリーナのミュージカルみたいな動的シーンや、ドリフかよ、と思うようなアクションシーンのおかげで、かろうじて落ちずに済んだ。二人とも身体が動く動く。
米兵? に向かってベトナム戦争を茶化す(今ならポリコレ的にアウトな表現で)場面とか、これ笑うとこだよね? と思ったけど、場内誰も笑ってなかった…。
オチに至っては完全なギャグとしか思えず、さすがに声が出ました。
歳とって気楽な態勢&ダメ元で観たせいか、そこそこ楽しめた。もし若い頃に真顔で観てたらキツかっただろうなーとも。
無駄に会話シーンが長いせいか、どことなくタランティーノ味を感じる。
タランティーノ同様、きっとシネフィルの人ほど新鮮に感じ、楽しめるんじゃないかと思う。
私は映画偏差値も低いしアート志向でもないので1回では正直、そこまで良さがわからなかったけど、死ぬ前にスクリーンで観られて満足です。
なるほど分からん
愛は儚い
単純で深い
ストーリーばかり追うときっと寝る
私見、きっと面白くない映画、いや、最後だけは笑える、最後まで無事に見切ったときの話ではあるけれど…
時間というものを超越した色彩と動きに魅せられるかどうか、ゴダールのゴダールたるものを受け入れられるかどうか、それ以外にこの作品を堪能する術はないのかもしれない。
「勝手にしやがれ」を見た後で様々なゴダール作品を吟味し、そしてこの作品を見て、その上でようやくこの作品が自分に合うものかどうかの判断がくだせる─良し悪しではなく、あくまで好きか嫌いかだけの判断しかくだせない。
理解できるか出来ないか─、確かにこの作品を理解するうえでかなりの知識を要することだろう。そして、それを身につけていない者には、この作品を正当に評価することは出来ないのかもしれない。そして、自分もその一人であり、しかも自分にはこの作品は合わないというかどちらかというと好きじゃないので、ゴダールを高尚に語ることは決して出来ない。せいぜい、最後ダイナマイトで爆死する場面を笑い飛ばすだけ。
さて、この映画でゴダールを初体験し、これはまれにみる名画だ!と断言できる強者は、天才か狂人のいずれかだと思う。いずれにせよ、誇っていい感情だ。ただ、無理をしたり勘違いをすると、おそらくつまらない作品ばかりを見ることになるだろうから、気をつけたほうがいい。
キチガイぴえろ
自分にはまだ
え?何?ん?お洒落?って思う。
感じる映画
脳天気で破滅的
主人公はいたって真面目でまっとうである。
狂っているのは女であるわけだが、気づいてみると一番狂っているのはそもそも映画の視点だったりする。
すごくシンプルな話なのだが、詰め込まれている情報量がハンパではなく多く、しかも錯綜し混乱もしている。文学に対するゴダールの執着が屈折した形で随所にあらわれている。その矛先は芸術全般にも向けられる。
かといって気難しい映画かといえばそうではなくて、底抜けな脳天気とユーモアで満たされている。
北野映画のファンだが、やっぱりたけしさん影響受けてるんだなって思った。二作目からソナチネ、HANABIあたり、意識的だったかどうかはわからないが垣間見える。
この映画はなにより色がきれい。
ゴダールの手腕
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