気狂いピエロのレビュー・感想・評価
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1965年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️✨
この作品を初めて観たのは大学時代。
もちろん、リバイバル上映だった。
それ以来の鑑賞…。
当時初めて観た時の感想…
感想なんてものは湧き上がって来なかった…
ただただ、戸惑いと焦りだけ。
インターネットも何もない時代、何の予備知事もなく、この作品を観た…。
スターウォーズの新作でも観るように(笑)
今はせいぜい、鑑賞前にちょっとした心構えが出来るぐらいかも知れない…。
でも、
ただ昔と違うのは、また観てみたいと思わされたことかな…。
惹きつけられるものが確かにある。
*ヌーベル・バーグ作品って、公開当時に観てこそ、面白かったんでしょうね。
*今回4Kにレストアされたことによる記念上映にて鑑賞。この作品と『勝手にしゃがれ!』の2本立てで見たけど、我ながらよく観たよな(笑)…もちろん、途中で寝落ちすること数回…ゴダールを正しく鑑賞出来たようです(笑)
これは、エグすぎる。
映画が「七番目の芸術」と呼ばれるゆえん。
今年139本目(合計413本目/今月(2022年5月度)16本目)。
大阪市ではだいぶ遅く、今週(13日)の週から。
かなり古く、50年近く前からある映画のリマスター版という扱いです。もっともリマスター版なので、ストーリー「それ自体」にあることないこと書けないし、基本的には誤字脱字などを除けば当時のままなのでしょう。
まぁ、良くも悪くもフランス映画なので、(さらに50年以上前という作品という事情もあって)「よくわからない展開」が続きます。さらに視聴者に問いかけるように哲学や文学の話題をどんどん出してくるので(ただし、ストーリー上関係はしても、理解しないとわからない、ということはほぼない)、俗に「映画が7番目の芸術」と呼ばれるゆえんなのかな…という印象です。
ストーリーというストーリーはちゃんとありますが、なにせ50年以上前の作品という事情おあるので、あっちこっち展開が飛んだりすることはない一方、上記通り、突如哲学・文学の話をしてきたりと妙に理解難易度は高いです。フランス映画って何らかの意味で視聴者の理解力を試すような映画が多いのですが、この映画(リマスター版ですが、元作品から大きく変わってはいないはず)の時代からもそうだったのね、というところです。
まぁ、ある意味(現在の視点でいえば)珍妙なストーリーでやることすること変(支離滅裂というのではない)というのはありますが、今と50年前とでは国も違えば、そもそも「年が違いすぎて常識論がそもそも論じられないのだろう」というところはあります。
アマゾンプライム等で(リマスターではない)ものは観ることができるようで、結局そうするとネタバレになりかねないところもあるので、あまり書かないようにします(といっても、この映画も結構「変」なので(「支離滅裂」ではない)、ストーリーというストーリーを説明しろ、というほうが無理じゃないかな…と思える点はあります。
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(減点なし/他事考慮(映画館の配慮不足))
・ 過剰な「言葉狩り」には私も賛成はしませんが、この映画は当時の復刻版だから出せたという事情もあり、タイトル名がやや「特殊」な一面もあります。しかも公式サイトや色々な映画のレビューサイト(ここ以外)やなどを見ると、この映画の「公式の想定する「ただしい読み方」」は、購入する前からわかってしまいます(そして50年前でもあるまいし、スマホで映画館に行く前でも調べることは可能)。
ただ、この映画は…まぁあえて書かないことにしますが…とある「このタイトルそれ自体ですね」…に一部やはり不穏当な部分があり、ミニシアターで観たのですが、指をさして「このピエロのお願いします」っていったら「正式名称でお願いします」って言われるんですよね…。
そりゃ、それこそ(2022年)、ちゃんと言わせないと後から言った言わないのトラブルが発生しうる点(つまり、映画館とお客のトラブルの論点)もわかるのですが、ミニシアターに行く人ほど顔なじみの人が多くて、「あ、あの方また来てる」っていうのは多分あるんじゃないかな…と思うんですよね…。
そうすると、こちらも「取り巻く諸般の事情」を鑑みて配慮しているのに(当時は身体障害者手帳しかありませでした)、待っている方にも「当事者」はいるともいないともわからず、そこを配慮したらそう言われるのなら、どうしろというのが正直なところです(正直、特殊な論点。極論、スマホで「これと同じのをください」とでも言えばいいのか…?)
※ 実は、いつも行くミニシアターの予約サイトがメンテか何か、先にすすむことができなかったのです。
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ベルモンドの八方破れ逃避行
革新性を求めた評論家が映画を撮るとこうなるといった作品
30年以上前に鑑賞して以来だが、2Kリマスターというものだと映像が美しすぎて作品との相性はどうかと思ったが、海、空、洋服、ペンキ、ダイナマイトなどの原色が鮮やかに映え、古いテレビとレンタルVHSでの初見とはまた違った印象だったため、改めていま劇場鑑賞して良かったと思った。
終始、詩的で哲学的な会話が繰り返されることから、登場人物達がシチュエーションに見合ったリアクションを取ってくれず、観ている側が当たり前のこととして期待するやり取りにはならないため、意味がわからんという人がいるのは仕方がなく、映画を難しく考え始めた時代の代表作であり、当時としては最先端でシャレオツで極めてアーティスティックな作りであった事は理解した上での鑑賞がマストな作品かなと思う。
本作は世界中の数多の評論家や先生達が批評し論じていることから、作品の本質や作り方などついて何かを言う事は控えるが、現代においても色褪せず誰もが面白く鑑賞できる作品かというとそうではなく、その時代であったからこそその時代の知識層に評価される類の最高峰の作品であった事は間違いないのではないかと思う。
しかしながら作家性が前面に出過ぎて鑑賞者に寄り添うようなエンタメ性が全く見られないところや役者の個性を活かしきれていない印象があり自分には合わない映画である事を再認識した。
ジャン=ポール・ベルモンドはゴダールと共に世に出たと言っても良い役者だが、きっちりとスーツを着て、髪型もこざっぱりとしているにもかかわらずちょい悪感を醸し出しているところがカッコいい。
拗ねた顔立ちとタバコがそう見せるのかはわからないが、この作品を機にゴダールと決別したというのは何となくわかるような気がした。
余談だが、
ピエロと呼ばれ必ずフェルディナンだと言い返すのは「児島だよ」的で好きなシーンだが、楽屋落ちか何かと思うのは単なる深読みだろうか。
これが金字塔の作品か? う〜ん。
私は名ばかり有名なこの作品を一度も鑑賞していなかった。たまたま、NHKBSで「勝ってしやがれ」放送された時、初めてゴダール作品を観てその新鮮さにえらく感動したことを覚えている。数年前だったと思う。
「気違いピエロ」が2Kレストア上映されると聞き、待ち遠しかった。見終わって、これがヌーベルバーグの金字塔作品とは思えませんでした。「勝手にしやがれ」の方が相応しいと感じる。
60年前の初回上映時、この映画が若者たちに支持された理由は分かる。現状に満足できず、生きている今この時に生の充実感があれば、過去も未来もどうでもいいと気持ちを代弁しているからです。
プロの映画作家にとっては、こんな演出方法もあるのかと、目から鱗が取れたような気持ちでしょう。
役者自身にたぶん即興的な演技をさせる。台本もあるにはあるが、現場で書き換えているような感じがします。
有名な画家や文学者の名前がたくさん出てきます。知的スノッブ達に、この映画の良さがあなたは理解できるのかとエサを与えているようにも思えます。
60年経過しても、カメラアングルやカメラワークは色あせていません。音楽も素敵です。ベルモントは適役ですし、カリーナも美しい。感性だけで作られた映画に思えます。ですが、私に肝心な感動を与えてくれない。金字塔作品には私には思えませんでした。
若い時に観たら、違っていたかもしれない。
66歳のおじいさんには、難しすぎたかも。でも映画館には、高齢の方も多かった。若い時に観たのをもう一度観て観ようと懐かしさもあったでしょう。
【35歳のゴダール監督がシナリオなしで、即興演出で撮影したアヴァンギャルドな一品。】
ー 今作は日本では1967年に公開されている。つまりは50年以上前の作品である。
だが、今作の色彩や演じるのアンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンドの、無軌道な若さ、愚かさが見事に描かれている・
35歳のゴダール監督がシナリオなしで、即興演出で撮影した作品だそうであるが、故に映画のストーリー展開は粗いが、爆発的な魅力がある。
特に、ラストシーンの破滅的なフェルディナンの行い・・。
憶測だが、2022年、今作が劇場公開されたら、ここまでの評価は得られないと思う。
だが、50年以上前の作品として、今作を鑑賞すると、そのインパクトは凄いと思った作品である。
■妻との生活に退屈し、逃げ出したい衝動に駆られていたフェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド)。
ある夜、彼の家にベビーシッターとして現れたのは、かつての恋人・マリアンヌ(アンナ・カリーナ)だった。
フェルディナンは彼女を車で送り、そのまま一夜を共にする。
翌朝、彼女の部屋には男の死体があり…。
<2022年4月29日 2Kレストア版として劇場にて鑑賞>
哲学書の見出しっぽい語り
今観ると面白い
アンナ・カリーナの腰のライン
2回観てみたら違って見えた
監督の自己陶酔型映画
初見なのに既視感たっぷりの名作中の名作
フェルディナンはイタリア人の妻との平凡な生活に嫌気がさし、子供達のベビーシッターとして家に来ていたかつての恋人マリアンヌと逃亡する。その場しのぎで行き当たりばったりの逃避行を楽しむ二人だったが、奔放なマリアンヌはフェルディナンの言動に苛立ち始め二人の関係が少しずつ色褪せていく。
半世紀以上前の映画なので正直相当チャチでデタラメでアホくさくて退屈。実際客席のあちこちからイビキが聞こえてきましたし、どうも個人的にジャン=ポール・ベルモンドの佇まいが好きになれないので主人公にもさっぱり共感できませんでしたが、初見にもかかわらず全編に渡って物凄く既視感がある映像。要するに自分達世代は『ルパン三世』の1stシリーズを通じてゴダールを体感していたんだと確信、こういう無軌道なピカレスクをアニメで表現した当時の製作者達の慧眼には驚嘆しかないです。
フェルディナンを振り回す不思議ちゃん、マリアンヌを演じるアンナ・カリーナの魔性を湛えた猫目が特に印象的、これを当時リアルタイムで鑑賞した先輩方が羨ましいです。ちょっとしたことですけど本作は本当にデタラメで、全然お話は関係ないのに『勝手にしやがれ』の劇中カットがチラっと紛れ込んだりしているので、先に『勝手に~』を観るのが一応正解かなと思います。
コント、こんなゴダールは嫌だ!
早稲田松竹で「勝手にしやがれ」と併映で。
そこそこ混んでて、ロビーに並んで開場を待ちました。中高年、男性が多め。
こんな大ネタにも関わらず、これまで奇跡的に通らずに来たので初見です…。
オリジナルのネガ紛失後、かなり苦労して復元、新訳の字幕を付けた2016年版ということでした。
ジャンプカットに翻弄されることを覚悟していたけど、今作ではそこまでではなかったし、基本のストーリーラインははボニー&クライドみたいな逃避行(そしてファムファタール)ものだったので、どうにか最後まで振り落とされずに済んだ。
時代がだいぶ違うけど、デビット・リンチなんかと比べたらぜんぜん「正気」に見える。
ただ途中、同じ舞台に異なる時系列の出来事が同時進行するくだりは、きっと映画の歴史に残る名場面だろうけど、やはり今見ても新鮮でとても楽しかった。
ただ、詩のような掛け合いや哲学的なナレーションの字幕をずーっと読んでいるとどうにも睡魔が…。
こればっかりはフランス語を習得でもしないと…という限界を感じた。情報量が多くて退屈じゃないのに脳が追いつかなくて眠くなるやつ。
ところどころ入るベルモントとカリーナのミュージカルみたいな動的シーンや、ドリフかよ、と思うようなアクションシーンのおかげで、かろうじて落ちずに済んだ。二人とも身体が動く動く。
米兵? に向かってベトナム戦争を茶化す(今ならポリコレ的にアウトな表現で)場面とか、これ笑うとこだよね? と思ったけど、場内誰も笑ってなかった…。
オチに至っては完全なギャグとしか思えず、さすがに声が出ました。
歳とって気楽な態勢&ダメ元で観たせいか、そこそこ楽しめた。もし若い頃に真顔で観てたらキツかっただろうなーとも。
無駄に会話シーンが長いせいか、どことなくタランティーノ味を感じる。
タランティーノ同様、きっとシネフィルの人ほど新鮮に感じ、楽しめるんじゃないかと思う。
私は映画偏差値も低いしアート志向でもないので1回では正直、そこまで良さがわからなかったけど、死ぬ前にスクリーンで観られて満足です。
なるほど分からん
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