劇場公開日 2022年4月15日

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「初見なのに既視感たっぷりの名作中の名作」気狂いピエロ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0初見なのに既視感たっぷりの名作中の名作

2019年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

フェルディナンはイタリア人の妻との平凡な生活に嫌気がさし、子供達のベビーシッターとして家に来ていたかつての恋人マリアンヌと逃亡する。その場しのぎで行き当たりばったりの逃避行を楽しむ二人だったが、奔放なマリアンヌはフェルディナンの言動に苛立ち始め二人の関係が少しずつ色褪せていく。

半世紀以上前の映画なので正直相当チャチでデタラメでアホくさくて退屈。実際客席のあちこちからイビキが聞こえてきましたし、どうも個人的にジャン=ポール・ベルモンドの佇まいが好きになれないので主人公にもさっぱり共感できませんでしたが、初見にもかかわらず全編に渡って物凄く既視感がある映像。要するに自分達世代は『ルパン三世』の1stシリーズを通じてゴダールを体感していたんだと確信、こういう無軌道なピカレスクをアニメで表現した当時の製作者達の慧眼には驚嘆しかないです。

フェルディナンを振り回す不思議ちゃん、マリアンヌを演じるアンナ・カリーナの魔性を湛えた猫目が特に印象的、これを当時リアルタイムで鑑賞した先輩方が羨ましいです。ちょっとしたことですけど本作は本当にデタラメで、全然お話は関係ないのに『勝手にしやがれ』の劇中カットがチラっと紛れ込んだりしているので、先に『勝手に~』を観るのが一応正解かなと思います。

よね