朝が来るのレビュー・感想・評価
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#88 日本の里親制度
韓国の場合子供を育てられなくて里親に出すとき外国に出されることが多いみたいだけど、日本の実情はどうなんだろう?
どっちの国も血を重んじる風潮にあるから、本作みたいな里親制度が根付くのが難しい気がする。
不妊で悩む夫婦の重荷を軽くするためにも血縁第一主義の考え方が薄れて、アンジェリーナ・ジョリーみたいな人が増えるといいな。
関係ないけど途中出てきた文化堂スーパー、有明コロシアムのところのだよね。
いつも楽天オープンのとき通ってるのに、今年は中止になって見れてなかったから画像で見れて嬉しかったです😆
各役者の心の描写が長すぎ
「あなたは誰ですか?」の予告を見て行ってきました。
サスペンス要素がもっと強いのかと思っていましたが、サスペンス的なものは皆無でした。
ドキュメンタリー風に撮影された映画。この役者いる? この場面いる?というだらだらと間延びする箇所多数で、長く感じた映画でした。でも評価高いですね。私の感受性が低いのかなー?
キャストのチョイスはとても良かったと思います。
エンドロールは最後まで見てほしい。
朝が来た理由について考えてみた
なんだか、井浦新と永作博美が主人公ではなく、産んだ少女が主役だと思った。
彼女には共感出来ないけど、最後の朝には感動した。
育ての母も良い人だけど、少女にも希望の光が見えた、ヒカリだけに。
前半部分はドキュメンタリーみたいで、後半はハラハラした、自分の娘のように感じて。
最後は感動して泣いた、願いが叶いますよう、そう思って、泣いた、良い映画でした。
ひかりを襲う三つの不幸
特別養子縁組をした実親と養親の顛末を描いた作品だ。特別養子縁組は実親との親子関係を解消して親権を養親に移動させる法的手続である。養親側は子供が欲しい夫婦ということで画一的だが、実親には様々な事情がある。強カン(カンは女3つ。本サイトでは禁止文字)されたが妊娠に気づかなかったとか、本作品のように中学生で妊娠したなどだ。
本作品では特別養子縁組の事案について、養親夫婦と実親のそれぞれの視点から物語が描かれる。ひとつの物語を別の角度から見直すような構成で、観客は人間関係を立体的に理解できる。難解な作品を作りがちの河瀨直美監督にしてはわかりやすい。
序盤から暫くは養親夫婦を演じた永作博美と井浦新の二人の芝居が続くが、この二人がとても上手なのですぐに感情移入できる。特に他の子供の親とのやり取りでは、仕事でのクレーム対応を思い出して気持ちが酸っぱくなった。クレーマーは自分に都合のいい情報だけを事実と決め込んで、損得感情で責めたてる。様々な場合を想定できる頭のいい人は、却って口ごもってしまう。事実が判明するまでは、クレーマーの罵詈讒謗に耐えるしかない。
蒔田彩珠が演じた実親片倉ひかりは中学生。妊娠に気づいたときには既に中絶手術が不可能な時期になっていて、育てられないから特別養子縁組を斡旋する施設を利用することになる。この人の物語から映画は悲惨な場面へと展開していく。
国の文化度が低いほど、性教育がきちんと行なわれていない。日本は当然ながら、性教育後進国である。ついでに言えば、人権教育や憲法教育も殆どない。それはそうだろう、道徳教育を成績査定の対象にして、出来れば教育勅語も組み込みたいみたいなファシスト政権が続いている国である。人権教育や憲法教育は以ての外だ。性教育など眼中にもないのだろう。加えて「ナチのやり方に学ぶ」「コロナ禍が酷くならないのは民度が違うからだ」などと根拠のない妄言を吐く財務大臣がいる国でもある。日本が文化的に後進国であることを自覚したほうがいい。
性教育をきちんと受けていないから、見様見真似の性行為で妊娠してしまう。無免許運転の自動車が事故を起こすのと同じだ。日本の教育界はどうしてこんな単純なことがわからないのか。道徳の時間を性教育に当てれば子供を作ると生じる義務や権利を学ぶことが出来る。人権教育や憲法教育の時間を作れば差別やいじめが憲法の精神と正反対であることも分かる。有権者のレベルも少しは上がるかもしれない。しかし実は有権者のレベルなど上がってほしくないのが現政権だ。「由らしむべし知らしむべからず」という全体主義者の一元論によって国が成り立っている。日本はどこまでも後進国だ。
ひかりは性教育の不十分によって最初の不幸に見舞われた上に、社会のパラダイムによって第二の不幸に見舞われる。家族と世間の無理解だ。ひかりの母親もどこぞの財務大臣と同レベルの原始人だから、封建的なパラダイムに凝り固まった偏見で娘をどこまでも追い詰める。先方の両親と話し合って娘や息子が成人するまで助け合いながら、生まれた子供を育てる選択肢もあっただろうに。ひかりはクレーマーを相手にしたときと同じように黙って耐えるしかない。そして人権教育がないから女だけが一方的に不幸を背負い込むことになる。これが第三の不幸だ。
永作博美が演じた佐都子は頭のいい女性である。ひかりに何が起きたのか、様々な場合を想定し、自分の記憶と繋ぎ合わせることで真相を悟っていく。ひかりは偏見に満ちた世間と家族に背を向けて、帰る場所がなく、居場所もない。放っておけば悪の道に染まっていくしかない。佐都子の中で目まぐるしく想像力が跳ね回るさまを、永作博美は無言の表情のみで演じる。凄い演技力だ。「私はこの人を知っています」は佐都子の覚悟の言葉である。佐都子はひかりを救えるのだろうか。
形としては思春期の少女の不幸と少女に関わった養親夫婦のヒューマンドラマだが、少女に不幸を齎した社会の歪みを浮かび上がらせる問題作でもある。少女の自己責任に帰してはいけないのだ。
優しい
切なくなるほどに優しい映画です。
悲しいほどに優しい作品だと思います。
お話としては二つの家庭、2人の女性を中心とした二部構成になってますが、どちらに振りかかる問題も、スタートは男性がきっかけになっています。だからこそ観ている男性は我が事のように感情移入せざるを得ません。
そしてそれを、女性監督らしい表現、広島の雄大な景色や美しい桜など優しい映像で、胸を締め付けるような包容力をもって訴えかけてきます。
少なくてボソボソ喋るようなセリフがリアリティを醸し出し、映画では珍しいこれでもかというようなヨリの画で感情を捉えます。
河瀬直美監督の作品はあまり得意では無かったのですが、本作は胸を打たれました。
泣くという行為で本作の感想を体現するのはなんか違うと感じて、涙を我慢しました。
あらゆる人が人間が望む小さな幸せを実現できる、優しい世界であったならどんなにかいいのに、と切に思います。
胸が熱くなります
少女たちのそれまでの境遇を思うと胸が痛くなります。そんな中、生まれてきた自分の赤ちゃんを特別養子縁組という選択をしたことに「赤ちゃんに幸せになってほしい」という声にならない希望を見ることができました。ミステリーな要素も映画として引き込まれました。
新たな視点から少女の残酷青春の物語を描く
素晴らしい映画だと思う
日本の少子化問題を普通な少女残酷青春物語に入れ、個人的運命と社会問題を強く繋ぎ、 少女の最後一言は「なかったことにしないで」って、意味が沢山あるだろう。
物語を描くリズムが大好きだよ。
海の山ってシーンは孤島のシンボル/表徴らしい、では、地理の日本の状態とか 人々の精神の状態とかわからない。
少女は大人になりました
時代からして河瀬監督の意図した、この少女 そして養親たちの過酷な人生が、まるで走馬灯のように浮かび上がる構成
浅田さんの疲れた表情、心の描写は凄い!(やはり樹木さんの後を継ぐ人は貴方だ)
自分の不運を嘆く少女に「バカだからなんじゃない・」とヤクザさんの一言 今の時代表してすごい
ミスリードがうまい。
子どもを返して欲しい、と現れた若い女は一体誰なのか、たくみなミスリードで観ている人は最後の方まで判断がつかない。前半は夫婦、中盤は少女、が中心になって物語が進む。最後の数分で真相が明らかになる。最後の最後、一秒が大事。
何度も海の映像が出てくるのが印象的。
本当の主役は
はじめ主役は夫婦だと思って観ていたが、次第に主役は母親達に変わってくる。ドキュメンタリータッチの母親達のシーンはリアル。母親達の気持ちも事情も、それぞれなんだなぁと。
ラストの子どもの見つめるシーンがなんとも言えない。
あと、光の表現とか素敵でした。それと何気に浅田美代子の存在がすごい安心感。
なかったことにしないで
永作博美と井浦新の葛藤がメインかと思って見にいったが、この作品の主役は蒔田彩珠ですね。浅田美代子含め、みんな自然でとてもいい演技でした。
序盤はむしろ不妊の話。これはこれで世代によっては刺さるだろうな。。苦しい。。
中学生での出産、それを必死に隠そうとする親。何事もなかったように、はい、高校受験ねって言われて、心の整理ができるわけがない。。子供を産むことが決まった時点でもう戻れない。その重みをずしりと感じる。
ところどころ挟まるドキュメンタリータッチが妙にリアルさを演出していたように思います。
エンドロール後に救われました。子供の力って無敵だよな、ほんと。
あーアップの髪型の永作博美かわいかったなぁ。多少しわが増えてきたものの、50歳とは思えぬかわいさは健在でございました。
最後の最後に皆が救われた。
テーマが重い割にはあっさりした印象。
ドキュメンタリー風に淡々として話が進んでいく。ドロドロの愛憎劇にならないところは同じ題材を扱った「夕日のあと」と違うところかな。この作品のシナリオを見てないから何とも言えないが、ト書き部分が凄く多くて、演者の皆さんは大変だったと思います。河瀬監督にしては分かりやすい部類の作品です。
アサトヒカリを最後まで聴いて
MARVELがエンドロール終わりまで観させるのを常識にしたにも関わらず、未だに途中で帰るひとが多いのは理解できない。最後まで観るべき作品。最後の一言の破壊力たるや。
原作は未読です。ただ、終わり方はともかく、今まで辻村深月の小説でここまで憂鬱な気分になったことはないので、おそらく河瀬監督の色なのかなと思う。宣伝の仕方からもう少しミステリー調を想像してたら、かなりガツンときました。
夫婦のシーンも恋人たちのシーンも、幸せなはずの場面でも悲壮感が漂う。作品全体のトーンがただただ悲しい。
養子縁組とは、「子どもを持てないひとと、子どもを育てられないひとをつなげる制度」。そんなのは、一方的な考えなのだと思い知らされた。子どもを手放す側からすれば、恵まれない自分たちから恵まれた人間たちが子どもを取り上げて勝手に幸せになるようなもの。そんな考え方もあるのかと、「嫉妬」という一言で衝撃を受けた。
評価はもっとしてもよいのだけど、これもまた永作博美の「八日目の蝉」のときと同じく、親でなきゃ、母親でなきゃわからないことが多すぎて自分には正当な評価ができないので少し低め。それにしても青木崇高はチンピラが似合う。
誠実に子どもを育てるということ
原作は未読。
実の子どもではない息子を育てている夫婦のもとに、実の母親を名乗る女性から脅迫の電話が入るという導入。
妊娠することが難しいと知った夫婦が特別養子縁組で息子・あさとを授かることになる話が前半。後半はあさとの実の母親・ひかりが妊娠・出産を経てどういう人生を歩むことになったかが描かれる。
たしかに脅迫してきた女性と、あさとを出産して間もないひかりのギャップは激しい。そこがミステリーの要素なんだろう。だから後半は真相を伝える解決編的な流れ。
でもミステリーというよりヒューマンドラマとしてよかった。あさとがかわいく育ってて、人を思いやれる優しい少年になっていることがとても救いになる。栗原夫婦を脅迫したひかりはたしかに悪いことをしたことになるが、印象としては誰も悪い人がいない。優しさを思い出したひかりと、誠実に子どもを育ててきた栗原夫婦に幸せが待っていてほしい。そして、エンドロール最後のあさとの言葉に、ひかりが救われてほしいと願う。
今年1番!
映画の構成も良かったが、シーンがドキュメンタリーのように撮られて、心をつかまされる気持ちで見れた。
無かったことにしないで。今の日本の災害や事故、原発、拉致、政治含めて無かったことにしないで欲しい。
会えて良かった。見れてよかった。
登場人物への名付けが絶妙
2人の女性のドラマをそれぞれ映して、
最後に邂逅させる構成も
シーンの移り変わりに入る美しい風景画も情緒的で
素晴らしかった。
永作さんの演技は非の打ち所がない。
蒔田さんのどんなに堕ちても、
清さを感じられる姿も良かった。
表情を映すズームの連続で若干、映像に酔った感じは残りましたが。
たまに影を帯びるシーンで、永作さんがとても老けて見えました。映像って撮り方で、人物を如何様にも映し出すんだなあと感心。
樹木希林から浅田美代子へのバトン
河瀨直美監督作品といえば、音がとても重要な位置を占めている。デビュー作『萌の朱雀』、『殯の森』でも印象的だった森のざわめき、風にそよぐ音、静かな波の音、虫の声、いろんな音が伝わってきて五感を刺激してくるのです。永作博美目線と蒔田彩珠目線が交錯する描写だったけど、彼女たちの心象風景を表現しているかのように思われました。
そんな双方からの目線を繋ぐのはベビーバトンの浅田美代子。彼女の老けメイクや蒔田メイクのおかげで6年の月日がとてもわかりやすかった。辻村深月原作の『ツナグ』繋がり、『あん』の監督繋がり、適当に書いたつもりのタイトル通り、いろいろ繋がっている。個人的にはドラえもんとも繋がってほしかった・・・
何の予習もなく観たのですが、予告編からは『八日目の蝉』のようにミステリーになるのかと想像していたのに良い意味で裏切られた感じです。また、河瀨監督、是枝裕和監督に共通するドキュメンタリータッチの表現は健在。永作、井浦新の自然な夫婦感や片倉家の母親役・中島ひろ子がまるで親子のような雰囲気を出していました。
「ごめんなさい」をそれぞれの俳優が使い分けている。ほとんどが素敵な意味を持っている「ごめんなさい」。特に息子の朝斗が言う「ごめんなさい」はまるで大人の世界を理解しているかのようであり驚きでした。
特別養子縁組についての話でもあり、育ての親・産みの親それぞれの愛情が描かれていて、とても優しい作品でした。新聞販売所で知り合ったトモカや借金取りだって、ある意味優しい心の持ち主。優しさあふれる河瀨作品は全て地球の記憶にしたいくらいだ。ただ、今回はちょっと尺が長すぎと感じたし、マホとトモカの区別がつかなかったりしたけど・・・
会いたかったよ
「人のセックスを笑うな」「八日目の蝉」「さいはてにて」など永作博美さんが主演の映画は好きな作品が多いのでこの作品も楽しみにしておりました。永作博美さんの出演時間はおもったよりも短かったですが、でもとても良かったです。
この映画は子供に恵まれずに養子を迎え入れた夫婦側と、子供を育てることができずに産んだ子を養子にだした少女側のふたつの物語が絡まったオムニバスっぽい構成でしたが、演者の好演もありどちらの物語もとても引き込まれました。
一番泣けたのは栗原夫婦が養子を迎え入れるシーン。
ひかりの人生は苦難の連続でしたがまだ若いのですから乗り越えてほしいですね。いや、エンドロールのあとに朝斗が言った「会いたかったよ」その言葉を胸にきっと乗り越えられるはずと確信しました。
永作博美さんの涙にもらい泣き
六本木ヒルズで
舞台挨拶付きで観れました。
河瀬監督ならではの独特の撮影方法を知りました。
役積みという撮影2週間くらい前から実際の役として、たとえば、家族として一緒に暮らしたりしながら
本番に入るというものでした。
永作さんが赤ちゃんのお包みを井浦さんと選んだの?
ほんとに?と思いました。
舞台挨拶ではそんな裏話が聞けて
2倍楽しめたかなと思いました。
原作は読まずに、養子縁組の話とだけ
予習して臨んだのですが、
もらい泣きしてしまうタイミングが何回もありました。
永作さんと井浦さんがほんとの夫婦として
悩んでいる感じが痛いほど伝わってきたし、
蒔田 彩珠さんの目まぐるしい変化や、浅田美代子さんのリアリティもほんとに刺さりました!
中学生が妊娠するというシリアスなテーマですが
最後の最後に救われて、晴れやかな気持ちに包まれ
アフターのご飯を美味しく頂くことができました。
ヒューマンドラマ好きの方、
必見です!
@六本木ヒルズ 東宝シネマズ
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